角パイプと丸パイプの溶接突き当ての切り込み計算と早見表
角パイプを丸パイプに直角に突き当てて溶接するときは、角パイプの端を丸パイプの外面に合わせて弓形に切り込みます。この記事では、切り込みの深さを出す式、□50を外径60.5の丸パイプに当てる計算例、角パイプと丸パイプの組み合わせ別の早見表、角パイプの面への印の付け方と切り方、長方形の角パイプのときの注意、よくある失敗をまとめます。
切り込みは丸パイプの半径の円弧
丸パイプの外面は、丸パイプの軸の方向にはまっすぐで、軸と直角な方向にだけ曲がっています。そのため直角に当てるときは、次のように切ります。
- 丸パイプの軸と直角な向きの2つの面(前の面と後ろの面)は、丸パイプの半径の円弧で切る
- 丸パイプの軸と平行な向きの2つの面(左右の面)は、まっすぐ切る
- 前の面から後ろの面へ、丸パイプの軸と平行に真っすぐ切ると、切り口は丸パイプの外面と同じ円筒になる
丸パイプどうしのえぐりは、前後の面も左右の面も曲線になる形です(T管(えぐり)の展開図の書き方)。角パイプでは、円弧は2つの面だけで済みます。
切り込みの深さの計算式
丸パイプの外径をD、角パイプの幅(丸パイプの軸と直角な方向の辺)をwとすると、角パイプの左右の端と中央の長さの差(切り込みの深さ)は次の式で出ます。
- 切り込み=R−√(R²−(w÷2)²)(R=D÷2)
角パイプの幅が丸パイプの外径より大きいと、角パイプは丸パイプに載りません。幅と外径が同じときは、切り込みは半径と同じになり、前後の面は半円に切れます。
計算例:□50を外径60.5に当てる
50Aの鋼管(外径60.5mm)に、□50×50の角パイプを直角に当てる例です。
- R=60.5÷2=30.25
- √(30.25²−25²)=√(915.06−625)=17.03
- 切り込み=30.25−17.03=13.2mm
長さは、左右の面の先(いちばん長いところ)で測り、中央は13.2mm短くします。
早見表:角パイプの切り込みの深さ
| 角パイプ | 丸パイプの外径 | 切り込み |
|---|---|---|
| □40 | 48.6 | 10.5 |
| □40 | 60.5 | 7.6 |
| □50 | 60.5 | 13.2 |
| □50 | 76.3 | 9.3 |
| □60 | 76.3 | 14.6 |
| □75 | 89.1 | 20.5 |
| □75 | 114.3 | 14.0 |
| □100 | 114.3 | 29.5 |
| □100 | 139.8 | 21.1 |
| □125 | 139.8 | 38.6 |
単位はmmです(展開図ラボの計算)。角パイプは一般構造用角形鋼管(JIS G 3466)の辺の長さ(角パイプの寸法・重量表)、丸パイプは鋼管の外径(配管の呼び径と外径の早見表)です。
角パイプの面への印の付け方
- 角パイプの端を直角に切りそろえ、前の面に端の線を引く
- 面の幅を4等分して、端の線から内側へ印をとる(□50・60.5なら、両端0、4分の1の点10.5、中央13.2)
- 印を、丸パイプの半径の円弧で結ぶ。丸パイプの切り口を厚紙に写して切り抜いた円を当てると、きれいに引ける
- 後ろの面にも、同じ円弧を写す
- 前の面の円弧から後ろの面の円弧へ、丸パイプの軸と平行に、真っすぐに切る
4分の1の点の長さは、切り込み−(R−√(R²−(w÷4)²))で出ます。□50・60.5では、13.2−2.7=10.5です(展開図ラボの計算)。
肉厚の分は考えなくてよい
前の面から後ろの面へ、丸パイプの軸と平行に真っすぐ切れば、角パイプの内側の角も、丸パイプの外面と同じ円筒の上に乗ります。印は外側の面だけで足ります。
長方形の角パイプのとき
長方形の角パイプ(100×50など)は、丸パイプの軸と直角な方向にくる辺の長さで計算します。100×50を、長い辺が丸パイプの軸と直角になる向きで外径114.3に当てると切り込みは29.5mm、短い辺が軸と直角になる向きなら、w=50で計算して5.8mmです(展開図ラボの計算)。向きを変えると切り込みが大きく変わるので、図面で向きを確かめてから印を付けます。
角パイプのえぐりでよくある失敗
左右の面も円弧に切る
丸パイプの軸と平行な面(左右の面)の切り口はまっすぐです。4つの面すべてを曲線に切ると、すき間ができます。
斜めに切り進む
前の面から後ろの面へ切るとき、丸パイプの軸と平行からずれると、後ろの面の円弧とずれて、片側にすき間ができます。後ろの面にも円弧を写しておき、両方の線を見ながら切ります。
丸パイプの呼び径で計算する
切り込みは丸パイプの外径で計算します。50Aを50mmとして計算すると、□50では切り込みが25mmになり、実際の13.2mmと大きく違います。
えぐりについてよくある質問
□50を50Aの鋼管に当てる切り込みは
外径60.5mmで計算して、13.2mmです。左右の面の先から、中央が13.2mm短くなるように円弧で切ります。
切り込みの式は
R−√(R²−(w÷2)²)です。Rは丸パイプの外径の半分、wは丸パイプの軸と直角な方向の角パイプの幅です。
型紙は作れますか
前後の面の切り線は丸パイプの半径の円弧なので、丸パイプの切り口を厚紙に写した円が、そのまま型紙になります。









