T管(えぐり)の展開図の書き方枝管のえぐり深さの計算式
T管は、主管に枝管を直角に突き当てて溶接する継ぎ方です。枝管の先端は主管の丸みに合わせて「えぐり」を入れる必要があります。この記事では、えぐりの深さの計算式と、枝管の型紙の書き方を説明します。
えぐりの形は主管の太さで決まる
枝管を主管に乗せると、枝管の切り口は主管の丸い表面に沿った曲線になります。この曲線を相貫線と呼びます。枝管の表面を開くと、山が2つある形になり、これが枝管の型紙です。
型紙の計算式
主管の半径をR(= D ÷ 2)、枝管の半径をr(= d ÷ 2)とします。型紙の下の直線(基準線)から切断線までの高さhを、枝管の円周を等分した点ごとに計算します。
| 求めるもの | 計算式 |
|---|---|
| 型紙の横幅 | L = π × d |
| 各点の高さ | h = R − √(R² − r² × sin²φ) |
| えぐりの深さ(高さの差) | R − √(R² − r²) |
φは枝管の円周上の角度で、主管の軸の方向がφ = 0°と180°です。この2点は枝管がいちばん短くなる所で、ここがえぐりのいちばん深い所です。主管の軸と直角の方向(90°と270°)は、枝管が主管の横まで回り込むので、いちばん長くなります。
計算例:100A × 50A(114.3mm × 60.5mm)
主管D = 114.3mm、枝管d = 60.5mm、12分割で計算すると次のとおりです。
| 点 | 基準線からの距離(mm) | 高さ(mm) |
|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 |
| 1 | 15.8 | 2.0 |
| 2 | 31.7 | 6.4 |
| 3 | 47.5 | 8.7 |
| 4 | 63.4 | 6.4 |
| 5 | 79.2 | 2.0 |
| 6 | 95.0 | 0 |
| 7 | 110.9 | 2.0 |
| 8 | 126.7 | 6.4 |
| 9 | 142.5 | 8.7 |
| 10 | 158.4 | 6.4 |
| 11 | 174.2 | 2.0 |
| 12 | 190.1 | 0 |
計算例:150A × 100A(165.2mm × 114.3mm)
主管が太いほど、同じ枝管でもえぐりは浅くなります。主管D = 165.2mm、枝管d = 114.3mm、12分割で計算すると次のとおりです。
| 点 | 基準線からの距離(mm) | 高さ(mm) |
|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 |
| 1 | 29.9 | 5.1 |
| 2 | 59.8 | 16.5 |
| 3 | 89.8 | 23.0 |
| 4 | 119.7 | 16.5 |
| 5 | 149.6 | 5.1 |
| 6 | 179.5 | 0 |
| 7 | 209.5 | 5.1 |
| 8 | 239.4 | 16.5 |
| 9 | 269.3 | 23.0 |
| 10 | 299.2 | 16.5 |
| 11 | 329.2 | 5.1 |
| 12 | 359.1 | 0 |
えぐりの深さは23.0mm、型紙の横幅は359.1mmです。枝管を差し込む場合の主管の穴は、軸方向114.3mm、円周方向126.2mmになります。
早見表:主管と枝管の組み合わせ別のえぐり深さ
配管用炭素鋼鋼管(SGP)の外径で、えぐりの深さ R − √(R² − r²)を計算した表です。単位はmmです。
| 枝管 | 主管50A | 主管80A | 主管100A | 主管150A |
|---|---|---|---|---|
| 20A | 3.2 | 2.1 | 1.6 | 1.1 |
| 25A | 5.2 | 3.4 | 2.6 | 1.8 |
| 32A | 8.8 | 5.4 | 4.1 | 2.8 |
| 40A | 12.2 | 7.2 | 5.4 | 3.7 |
| 50A | 30.3 | 11.8 | 8.7 | 5.7 |
| 65A | ― | 21.5 | 14.6 | 9.3 |
| 80A | ― | 44.6 | 21.4 | 13.0 |
| 100A | ― | ― | 57.2 | 23.0 |
| 125A | ― | ― | ― | 38.6 |
| 150A | ― | ― | ― | 82.6 |
枝管が主管と同じ太さになると、えぐりの深さは主管の半径と同じになり、急に深くなります。枝管が主管より細いほど浅くなり、20Aクラスでは1〜3mm程度です。えぐりの型紙を管に巻く手順は、下の「型紙の書き方」で説明しています。
同じ太さどうしのT管(同径T)
主管と枝管が同じ外径のときは、r = R なので式が h = R ×(1 − |cos φ|)になり、えぐりの深さは半径と同じになります。50A同士(外径60.5mm)なら30.3mmです。型紙はV字に近い、深い切り欠きの形になります。
主管側の穴の大きさ
枝管を差し込む場合や、主管に穴をあけて流れを通す場合は、主管側の穴も必要です。枝管を差し込む場合、穴は主管の軸方向に枝管の外径dの長さ、円周方向には主管の表面に沿って 2 × R × sin⁻¹(r ÷ R)の長さになります。100A × 50Aなら、軸方向60.5mm、円周方向63.8mmです。枝管を主管の外面に載せて溶接する場合は、枝管の内径で計算した小さい穴にします(外径であけると枝管が落ち込みます)。主管側の穴の型紙は、斜めT管のツールで角度を90度にすると出せます。
型紙の書き方
- 枝管の円周L = π × d = 190.1mmを横にとり、12等分して縦線を立てます。
- 各縦線に、表の高さをとって点を打ちます。
- 点をなめらかにつなぐと、山が2つの切断線になります。
- 型紙の下の直線を残す側に置き、山(点3・9)が管端の側を向くように巻きます。点0と点6を主管の軸の方向に合わせて、けがきます。
よくある注意点
型紙の向きを逆にしない
下の直線を管端にそろえて巻くと、山と谷が上下逆になります。斜め切りの型紙は逆でも同じ形になりますが、えぐりの型紙は形が変わって主管に合いません。50A同士の同径Tでは、ずれが最大で約12mmになります。
外径どうしで計算した型紙は、枝管の外面が主管の外面にぴったり乗る形です。厚肉管では、どの面どうしを合わせるかで型紙が変わります。開先をとる場合は、溶接施工要領に合わせて調整してください。
T管についてよくある質問
えぐりの深さはどうやって計算しますか
主管の半径をR、枝管の半径をrとして、R − √(R² − r²)です。100A × 50Aなら8.7mmになります。
主管と枝管が同じ太さのときは
えぐりの深さは主管の半径と同じになります。型紙はV字に近い深い形になるので、分割数を増やしてなめらかに描くときれいに合います。
主管の穴はどの大きさであければいいですか
枝管を差し込むなら枝管の外径、主管の外面に載せて溶接するなら枝管の内径で考えます。穴の形は、主管の軸方向と円周方向で長さが違う楕円に近い形になります。
形が違うときは
枝管を主管の中心から横にずらして付ける偏心T管は、T管のツールで偏心量を入れると型紙が出ます。枝管を斜めに付けるときは斜めT管の展開図、同じ径の管が二股に分かれるときはY管の展開図のツールを使ってください。









