排水管の掃除口の設置基準設ける場所と15m・30mの間隔、口径と周りの空き、屋外の桝は管径の120倍
掃除口は、排水管が詰まったときに管の中を点検・掃除するための口です。どこに、どの間隔で、どの大きさで付けるかは、東京都下水道局の排水設備要綱や自治体の排水設備指針(日本下水道協会の下水道排水設備指針と解説を引用)に書かれています。この記事では、これらの資料と下水道法施行令、建設省告示第1597号、公共建築工事標準仕様書をもとに、屋内の掃除口の設置基準と間隔、口径と周りの空き、屋外の桝と掃除口の間隔(管径の120倍・60倍)をまとめます。自治体や設計図で決まりが違うことがあるので、最後は工事場所の自治体の基準と図面で確かめてください。
掃除口の設置基準|設ける場所
建築基準法施行令第129条の2の4にもとづく建設省告示第1597号では、排水管は「掃除口を設ける等保守点検を容易に行うことができる構造とすること」としています。具体的な場所は、東京都の排水設備要綱(第3章)と一宮市の排水設備指針(第3章)で、次のように決めています。
- 排水横枝管と排水横主管の起点
- 延長が長い排水横枝管と排水横主管の途中
- 排水管が45°を超える角度で方向を変える所
- 排水立て管の最下部、またはその付近
- 排水横主管と屋外の排水管をつなぐ所の近く(一宮市の指針では、ますで代用してもよい)
- そのほか、特に必要と思われる所
東京都の要綱では、排水管の曲がりは異形管(継手)で作り、掃除口を付ける場合を除いて、行き止まりになる配管をしないとしています。
掃除口の設置間隔は15m・30m以内
東京都の要綱と一宮市の指針では、排水横枝管の掃除口の取付け間隔を、原則として次のようにしています。
| 排水管の管径 | 掃除口の間隔 |
|---|---|
| 100mm以下 | 15m以内 |
| 100mmを超える | 30m以内 |
東京都の要綱では、屋内排水設備はSHASE-S206(空気調和・衛生工学会の給排水衛生設備規準)などによるとしています。
掃除口の数の計算例
管径75mmの排水横枝管を、まっすぐ20m配管する場合です。起点に1か所付け、途中は15m以内ごとに付けるので、起点から15m以内の所にもう1か所必要です。途中に45°を超える曲がりがあれば、その所にも付けます(展開図ラボの計算)。
この20mを勾配1/100で配管すると、起点と終点の高さの差は200mmです。勾配の換算ツールで、勾配と長さから下がりを出せます(15mなら150mm)。排水管の勾配は水勾配・排水管の勾配の計算で説明しています。
掃除口の口径と周りの空き
掃除口の口径
| 排水管 | 東京都 | 一宮市 |
|---|---|---|
| 100mm以下 | 同じ口径以上 | 同じ口径 |
| 100mm超 | 100mm以上 | 100mm以上 |
東京都は排水管の内径で、一宮市は管径で書いています。一宮市の指針では、100mmを超える場合は「100mmより小さくしてはならない」としています。
掃除口の周りの空き
掃除口は掃除しやすい位置に付け、周りの壁・床・はりなどが掃除のじゃまになるときは、次の空きをとります(東京都の要綱。一宮市の指針も同じ数値をcmで表記)。
| 排水管 | 周りの空き |
|---|---|
| 65mm以下 | 300mm以上 |
| 75mm以上 | 450mm以上 |
開口の向きとふた
- 掃除口は、排水の流れと反対、または直角に開口するように付ける
- ふたは、水が漏れず、臭気が漏れない密閉式にする
床上・床下掃除口の取り付け方
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版では、床上掃除口はJCW 203「床上掃除口」によるとしています。床下掃除口は、ねじ込み式排水管継手を使う場合は黄銅製のねじ込み形、排水鋼管用可とう継手(MDジョイント)を使う場合はJPF MDJ 002によるCO栓です。公共建築設備工事標準図では、床上掃除口をCOA、アスファルト防水層用の床上掃除口をCOB、床下掃除口をCOの記号で示しています。図面の記号は配管図の記号一覧と見方で説明しています。
- 地中に埋める管:管の一部を床仕上げ面や地盤面、またはそれより上まで立ち上げて掃除口を付ける。この方法は管径200mm以下の場合に使う(東京都・一宮市)
- 隠ぺい配管:壁や床の仕上げ面まで管を延ばして掃除口を付ける。やむを得ず隠すときは、上に化粧ふたを付けるなど掃除に支障がないようにする(一宮市)
- 立て管の最下部:床下に十分な空きがないときは、管を床仕上げ面か近くの壁の外まで延ばして掃除口を付ける(東京都・一宮市)
一宮市の指針では、取り外しやすい器具トラップなどで、外せば排水管を掃除できる場合は掃除口を省略してもよいとしています。ただし、器具排水管に曲がりが2か所以上あるときは省略しません。
屋外の排水管は桝(ます)の間隔が管径の120倍以内
屋外の排水管は、掃除口ではなく桝を基本にします。下水道法施行令第8条では、暗渠の部分の次の所に、ますまたはマンホールを設けるとしています。
- 雨水だけを流す管渠の始まる所
- 流れの方向や勾配が大きく変わる所(管渠の掃除に支障がないときを除く)
- 管渠の長さが、その内径(または内のり幅)の120倍を超えない範囲で、掃除に適当な所
東京都の要綱(第4章)では、これに加えて、排水管の起点と終点、会合点と屈曲点、管種・管径の変わる所などにも桝を設けるとし、公共ますと宅地内の最終ますの距離は、原則として管径の60倍以内としています。
| 管径 | 桝の間隔(120倍) | 60倍 |
|---|---|---|
| 100mm | 12m以内 | 6m以内 |
| 125mm | 15m以内 | 7.5m以内 |
| 150mm | 18m以内 | 9m以内 |
| 200mm | 24m以内 | 12m以内 |
管径に120・60を掛けた値です(展開図ラボの計算)。120倍の値は、一宮市の指針の「ますの最大設置間隔」の表(管径100mmで12m、200mmで24m)と同じです。
桝が置けない所の掃除口
敷地の都合で桝を置けない所には、掃除口で代えることができます。東京都の要綱と一宮市の指針の決まりです。
- 排水管の途中に付ける掃除口は、管路の延長が管径の60倍を超えない範囲にする(東京都は本管掃除口、一宮市は中間点の掃除口)
- 45°Y・直管・45°エルボを組み合わせ、流れと反対か直角の向きに立ち上げる。ふたは密閉式
- 口径は、東京都は管径100mm以下なら同じ口径、超えると100mm以上。一宮市は100mm以上を標準とし、管径100mm未満なら同じ口径でもよい
- 直角に曲がる所に付けるときは、30〜60cmの直管と45°エルボ2本で曲げ、曲がり始めの約30cm上流に45°Yで掃除口を1か所立ち上げる(一宮市)
一宮市の指針では、掃除口は管の中を見にくく、下流に向かってしか掃除できないので、径15cmや20cmの小さめの桝でも、桝を設けるほうが望ましいとしています。
掃除口でよくある間違い
掃除口の周りに空きをとっていない
壁やはりが近いと、掃除の道具が入りません。管径65mm以下で300mm以上、75mm以上で450mm以上の空きをとります。
掃除口を流れの向きに開けてしまう
流れと反対か直角に開口させます。
掃除口を隠してしまう
仕上げで隠れると、詰まったときに使えません。仕上げ面まで延ばすか、点検できるふたを付けます。
屋外の桝を120倍を超えて離す
管径100mmなら12m以内に桝が必要です。公共ますと宅地内の最終ますは、東京都では60倍(6m)以内です。
掃除口についてよくある質問
排水管の掃除口の間隔は何mですか
東京都の要綱と一宮市の指針では、排水横枝管の掃除口の間隔を、管径100mm以下で15m以内、100mmを超えると30m以内としています。
排水立て管のどこに掃除口を付けますか
最下部かその付近です。床下に空きがないときは、床仕上げ面や近くの壁の外まで管を延ばして付けます。
掃除口の大きさは
排水管が100mm以下なら排水管と同じ口径(東京都は同じ口径以上)、100mmを超えるなら100mm以上です。
COとCOAの違いは
公共建築設備工事標準図の記号で、COは床下掃除口、COAは床上掃除口、COBはアスファルト防水層用の床上掃除口です。
屋外の桝の間隔は
下水道法施行令第8条で、管の内径の120倍を超えない範囲に桝またはマンホールを設けます。管径100mmなら12m以内です。









