配管図の記号一覧給水・給湯・排水の線と弁・継手の記号の見方
配管図では、給水・給湯・排水・ガスなどの管の種類を線の書き方で、弁や継手を小さな記号で表します。記号が読めないと、どの管が何の配管なのか、どこに弁があるのかが分かりません。この記事では、国土交通省の「公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)令和7年版」をもとに、建築設備の配管図でよく使う線と記号の意味をまとめます。記号は図面ごとに凡例で決められていることが多いので、実際の図面では必ずその図面の凡例を優先してください。
配管図の記号の基本
まず図面の凡例を見る
配管図の記号には、国土交通省の標準図や、空気調和・衛生工学会の規格(SHASE-S 001)などのよりどころがありますが、図面を書く会社や工事によって、使う記号や書き方が少しずつ違います。国交省の標準図でも「記載がない記号が示す内容は特記による」とされています。図面を読むときは、最初に凡例(記号の一覧)を確かめます。
管の太さと種類の書き方
管の太さと種類を一緒に書くときは、太さの次に種類の記号を書きます。たとえば「50A VL」は、呼び径50Aの塩ビライニング鋼管です。
| 記号 | 管の種類 |
|---|---|
| VL | 硬質ポリ塩化ビニルライニング鋼管 |
| PL | ポリ粉体鋼管 |
| DVL | 排水用硬質ポリ塩化ビニルライニング鋼管 |
| SUS | ステンレス鋼管 |
| CU | 銅管 |
| VP | 硬質ポリ塩化ビニル管 |
| PE | ポリエチレン管 |
管の種類を表す線の記号
給水・給湯
| 管 | 線の書き方 |
|---|---|
| 上水(給水) | 実線の途中に短い横線1本 |
| 上水揚水 | 実線の途中に黒い点1つ |
| 雑用水 | 実線の途中に短い横線2本 |
| 雑用水揚水 | 実線の途中に黒い点2つ |
| 給湯(送り) | 実線の途中に縦線1本 |
| 給湯(返り) | 実線の途中に縦線2本 |
排水・通気
| 管 | 線の書き方 |
|---|---|
| 排水 | 文字なしの実線 |
| 通気 | 破線 |
| 雨水排水 | 実線の途中にRD |
| 厨房排水・厨房通気 | 実線の途中にKD、破線の途中にKV |
国交省の標準図では、「D」は排水ではなく、空調のドレン管の記号です。排水と取り違えないように注意します。
消火・ガス
| 管 | 記号 |
|---|---|
| 屋内・屋外消火栓 | X |
| 連結送水管 | XS |
| 連結散水 | XB |
| スプリンクラー | SP |
| 泡消火 | F |
| 都市ガス | G(中圧はMG、高圧はHG) |
| 液化石油ガス | PG |
空調
| 管 | 送り | 返り |
|---|---|---|
| 冷水 | C | CR |
| 温水 | H | HR |
| 冷温水 | CH | CHR |
| 冷却水 | CD | CDR |
| 蒸気 | S | SR |
| 冷媒 | R(送りと返りが一対のときはR1本で表す) | RR(一対でないとき) |
| ドレン | D | |
| 膨張管 | E | |
空調の返り管は、破線で書いてもよいとされています。
弁・継手の記号
弁の記号
| 弁 | 形 | 文字 |
|---|---|---|
| 仕切弁 | 2つの三角を頂点で合わせた形 | GV |
| バタフライ弁 | 同じ形 | BV |
| 玉形弁 | 同じ形 | SV |
| ボール弁 | 同じ形 | BAV |
| 逆止弁 | 縦線2本を斜めの線でつないだN字形 | CV |
| コック | ひし形 | CK |
そのほか、減圧弁・電動弁・電磁弁などは、弁の記号の上に四角や丸を付けて表します。圧力計(P)や温度計(T)は、管から立てた短い線の先に丸を書き、中に文字を入れます。
ストレーナは管の途中に丸を書いて中にS、量水器(水道メーター)は管の途中に四角を書いて中にMと書きます。
継手の記号
| 継手 | 形 |
|---|---|
| フランジ | 管を横切る短い平行線2本 |
| ユニオン | 管を横切る縦線3本(真ん中が長い) |
| プラグ(閉止) | 管の端に垂直な短い線 |
| フレキシブルジョイント | 波打つ線とFJの文字 |
| 固定箇所 | 管の上に× |
平面図では、継手はふつう省略し、特に示す必要があるときだけ書きます。
立て管・交差・排水まわりの記号
立て管と管の交差
平面図の立て管は、小さな円と斜めの短い線で表し、線の出る向きで立上り・立下り・通過を区別します。管が交差しているだけでつながっていない所は、国交省の標準図では片方の線を途中で切って書き、つながっている所はT字に突き当てて書きます。
掃除口・桝
| 記号 | 形 |
|---|---|
| 床上掃除口 | 円の中に縦線2本 |
| 床排水トラップ | 円の中に斜線3本 |
| 排水金物 | 斜線で塗った円 |
| 間接排水金物 | 二重丸 |
| トラップ桝 | 四角の中にT |
| インバート桝 | 四角の中に円 |
| ため桝 | 四角の中に× |
| グリース阻集器 | 四角の中にGT |
| 公共桝 | 四角の中に公 |
| 床下掃除口 | 管の端に縦線2本 |
アイソメ図(配管の簡略図示方法)の決まり
工場やプラントの配管のアイソメ図などでは、JIS B 0011(製図―配管の簡略図示方法)の決まりがよく使われます。
- 管は、太さに関係なく、中心線の位置に太い実線1本で書きます。
- 溶接などの外せない接合部は、線の太さの5倍の直径の点で表します。
- 流れの向きは、線の上や弁の近くに矢印で示します。
- こう配は直角三角形で示し、とがった先が高い方から低い方を向くように書きます。
- つながっていない交差は、ふつうは切れ目を付けずに交差させて書きます(国交省の標準図とは書き方が違います)。
配管図の記号についてよくある質問
排水管の記号は「—D—」ですか
国交省の標準図では、排水は文字なしの実線で、「D」は空調のドレン管です。ただし図面によって決まりが違うこともあるので、凡例で確かめます。
給水と給湯はどう見分けますか
国交省の標準図では、給水は実線の途中に短い横線、給湯は縦線を入れて見分けます。返り(返湯)は縦線2本です。
仕切弁と玉形弁の記号は違いますか
国交省の標準図では同じ形で、横に書く文字(GV、SV)で区別します。
SHASE(空気調和・衛生工学会)の記号と同じですか
建築設備の記号は、空気調和・衛生工学会の規格(SHASE-S 001)もよりどころになっています。細かいところは図面ごとに違うことがあるので、凡例を優先します。









