水勾配・排水管の勾配の計算1/50・1/100の下がりと管径ごとの目安
排水管や床、ベランダには、水が自然に流れるように傾きを付けます。これが水勾配です。1/50や1/100といった勾配の意味と、距離から「何ミリ下げるか」を出す計算は、どの現場でも同じです。この記事では、水勾配の計算方法と、排水管の太さごとの勾配の目安、現場での出し方をまとめます。
水勾配の計算は「距離 × 勾配」
水勾配は、水平に進む長さに対してどれだけ下げるかを表します。1/50は「50進んで1下がる」、1/100は「100進んで1下がる」という意味です。下げる量は次の式で出ます。
| 求めるもの | 計算式 |
|---|---|
| 下がり(高低差) | 距離 × 勾配(1/50なら 距離 ÷ 50) |
| 勾配(下がりから逆算) | 下がり ÷ 距離 |
| パーセントに直す | 1/n → 100 ÷ n(1/50は2%) |
よく使う勾配と1mあたりの下がり
| 勾配 | パーセント | 1mあたりの下がり | 10mあたりの下がり |
|---|---|---|---|
| 1/50 | 2% | 20mm | 200mm |
| 1/100 | 1% | 10mm | 100mm |
| 1/150 | 約0.67% | 約6.7mm | 約67mm |
| 1/200 | 0.5% | 5mm | 50mm |
早見表:距離と勾配ごとの下がり
| 距離 | 1/50 | 1/100 | 1/150 | 1/200 |
|---|---|---|---|---|
| 1m | 20 | 10 | 6.7 | 5 |
| 2m | 40 | 20 | 13.3 | 10 |
| 3m | 60 | 30 | 20 | 15 |
| 5m | 100 | 50 | 33.3 | 25 |
| 8m | 160 | 80 | 53.3 | 40 |
| 10m | 200 | 100 | 66.7 | 50 |
単位はmmです。配管のはじめの高さから、この値だけ終わりを下げます。
計算例
8mの排水管を1/50で配管する
8,000 ÷ 50 = 160mm 下げます。支持金具を1mごとに付けるなら、金具ごとに20mmずつ下げていけば、終わりで160mm下がります。
公共建築工事標準仕様書では、塩ビ管の横走り管の吊り間隔を、呼び径80以下で1.0m以下、100以上で2.0m以下としています。
12mの排水管を1/100で配管する
12,000 ÷ 100 = 120mm 下げます。1mごとに10mmずつです。
下がりが決まっているときの勾配
6mの間で90mmしか下げられない場合、90 ÷ 6,000 = 0.015、つまり1.5%(約1/67)の勾配になります。
排水管の太さと勾配の目安
建物の中の排水横管は、管が細いほど急な勾配にするのが基本です。公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)では、建物の中の排水横管の最小の勾配を次のようにしています。空気調和・衛生工学会の規格(SHASE-S 206)でも同じ値が使われています。
| 管の呼び径 | 最小の勾配 | 1mあたりの下がり |
|---|---|---|
| 65A以下 | 1/50 | 20mm |
| 75A・100A | 1/100 | 10mm |
| 125A | 1/150 | 約6.7mm |
| 150A以上 | 1/200 | 5mm |
これは下限の目安です。自治体の排水設備の基準では、別の値を使っていることもあります。たとえば鹿児島市の基準では、100は最小1/70です。実際の勾配は、設計図や工事の仕様書、自治体の基準に合わせてください。勾配を急にしすぎると、水だけが先に流れて汚物が管の中に残りやすいともいわれます。
床やベランダの水勾配
浴室の床や土間の水勾配は、1/100〜1/50くらいがよく使われます。ベランダや陸屋根の防水した床は、住宅瑕疵担保責任保険の設計施工基準で1/50以上とされています。防水材メーカーの基準による場合は例外です。排水口までの距離が1.8mで1/50なら、36mm下げることになります。仕上げ材や防水の仕様で決まっていることが多いので、仕様書の数字を優先してください。
現場での勾配の出し方
- レベルやレーザーで、始点の高さの基準を出します。
- 終点までの距離を測り、距離 × 勾配で終点の下がりを計算します。
- 始点と終点に印を付け、水糸を張ります。
- 支持金具の位置ごとに、水糸からの下がりをそろえて管を取り付けます。
- 取り付けたら、勾配を測れる水平器で途中の勾配を確かめます。
途中で曲がる配管は、曲がりの前後で距離を分けずに、管の中心線に沿った長さの合計で下がりを出します。
よくある失敗
途中で勾配が逆になる
支持金具の高さがそろっていないと、途中で上り勾配になる区間ができ、水や汚物がたまります。始点と終点だけでなく、途中の金具ごとに下がりを確かめます。
水糸がたるむ
長い距離に水糸を張ると、真ん中でたるんで下がりが大きく見えます。水糸は強く張り、長い区間は途中にも高さの印を付けます。
パーセントと分数を取り違える
1/50は2%、1/100は1%です。「1/50」を「50%」と読み違えないように、図面の表し方を確かめます。
水勾配についてよくある質問
1/50の勾配は何ミリ下げればいいですか
1mあたり20mmです。8mなら160mm下げます。
排水管の勾配はどれくらいにしますか
公共建築工事標準仕様書では、建物の中の排水横管の最小の勾配を、65A以下で1/50、75A・100Aで1/100、125Aで1/150、150A以上で1/200としています。設計図や自治体の基準に合わせて決めます。
勾配はきついほどよく流れますか
急にしすぎると、水だけが先に流れて汚物が残りやすいともいわれます。仕様書の勾配に合わせるのが基本です。
関連する計算
1/50をパーセントや角度に直す換算や、屋根の寸勾配との関係は勾配の計算方法でまとめています。配管の切断長さや継手の型紙は、配管の展開図の書き方と配管アイソメの簡易作図のツールも使えます。









