墨出しの記号の意味芯墨・逃げ墨・仕上がり墨・消しの書き方と読み方
墨出しでは、打った墨が何の線なのかを、記号や文字で墨の横に書き込みます。記号の意味が分からないと、壁の芯と仕上がり面を取り違えるといった大きなミスにつながります。この記事では、墨出しでよく使われる記号と書き込みの意味を、墨の種類ごとにまとめます。記号の書き方は会社や現場で違うこともあるので、最初に現場のルールを確認してください。
墨出しでよく使う記号の一覧
| 記号・書き込み | 意味 |
|---|---|
| 芯、℄ | 柱や壁の中心線(芯墨) |
| X1、Y3、①、Ⓐ | 通り芯の名前。図面の通り符号と同じ書き方にします |
| 返り 1000 ↑、1000返り、ヨリ1000、逃げ 500 → | 逃げ墨。矢印の向きに書いた距離だけ戻った位置が元の墨 |
| 仕上、FIN | 壁などの仕上がり面の墨 |
| 墨の片側の斜線 | 斜線がある側に壁や材料が立つ |
| ×の連続、ケシ | 間違いなどで使わない墨 |
| FL+1000、▽ | 陸墨。床の仕上がり面から1,000mmの高さ |
| 対角の× | 開口の範囲(その部分に材料がない) |
芯墨と通り芯の記号
芯の記号
柱や壁の中心線には「芯」と書くか、C とLを重ねた「℄」の記号を付けます。芯墨は材料の中心を示す線で、材料は墨の両側に半分ずつ来ます。
通り芯の名前
通り芯には、図面と同じ通り符号(X1、X2、Y1 など)を書き込みます。①②やⒶⒷのように丸付きの文字を使う図面もあります。図面の書き方に合わせておくと、図面と現場を見比べるときに迷いません。
逃げ墨(返り墨)の記号
逃げ墨には、元になる通り芯の名前、逃げている距離、元の位置の向きを書きます。「X1 返り 1000 ↑」なら、矢印の向きに1,000mm戻った位置がX1通りの芯です。矢印は、元の墨がある側を指すのが一般的です。
仕上がり面と材料の側を示す記号
仕上がり墨
壁の仕上がり面の墨には「仕上」「FIN」などと書きます。芯墨と並んで打たれることが多いので、どちらの墨なのかをはっきりさせます。
材料が立つ側の斜線
墨の片側に短い斜線を何本か入れて、斜線の側に壁や材料が立つことを示す書き方があります。斜線の意味は現場によって違うことがあるので、最初に確かめます。壁の片側の面の墨では、どちら側に材料が来るかを間違えると、壁の厚さ分だけ位置がずれるので、この書き込みが大切です。
消し墨(使わない墨)の記号
間違えた墨や、工程が変わって使わなくなった墨には、×を連ねて書いたり「ケシ」と書いたりして、使わないことを示します。消した墨は、正しい墨よりも目立つように印を付けます。消し忘れた墨は、次の工程の人が使ってしまう原因になります。
高さ(陸墨)の記号
陸墨には「FL+1000」のように、どの床から何ミリの高さかを書き込みます。高さを示す記号として▽を添えることもあります。陸墨から上に測って出した墨を「上がり墨」、下に測って出した墨を「下がり墨」と呼ぶこともあります。土間や段差がある建物では、「1FL+1000」「玄関FL+1000」のように、どの床かを書き添えることがあります。
記号を読むときに間違えやすいポイント
芯か、面か
いちばん多い間違いは、芯墨と仕上がり面の墨の取り違えです。壁の芯から仕上がり面までは、壁の厚さの半分だけずれます。厚さ120mmの壁なら60mmです。芯の記号がない墨は、どちら側の面なのかを斜線や書き込みで必ず確かめます。
矢印の向き
逃げ墨の矢印を逆に読むと、距離の2倍ずれた位置に墨を出してしまいます。1,000mmの逃げ墨なら2,000mmのずれになります。
どの床のFLか
陸墨の「FL」は、その部屋の床の仕上がり面です。段差がある場所では、どの床の高さなのかを確かめます。
墨に書き込むときのコツ
- 記号と数字は、墨の近くに、墨と平行な向きで書きます。
- 長い墨は、両端と途中にも同じ書き込みを入れます。一部が隠れても読めるようにするためです。
- 色の違うチョークやマーカーを使い分ける現場もあります。色の意味も現場のルールに合わせます。
- 字は、下地を張る人や設備の人が、立ったまま読めるくらいの大きさではっきり書きます。
墨出しの記号についてよくある質問
記号は全国で決まっていますか
通り符号やFLなどは図面と同じ表し方が使われますが、墨の横に書く記号の細かい書き方は、会社や現場ごとに違うことがあります。新しい現場では、最初に記号のルールを確認しておきます。
記号が読めない墨があったらどうしますか
推測で使わず、墨を出した人や現場監督に確認します。意味の分からない墨をもとに工事を進めると、あとで大きな手直しになることがあります。









