墨壺(墨つぼ)の使い方各部の名前と墨打ちの手順・コツ
墨壺(墨つぼ)は、墨を含ませた糸をピンと張って弾き、材料や床にまっすぐな長い線を打つ道具です。大工の墨付けや、内装・設備の墨出しで使われます。この記事では、墨壺の各部の名前、墨の打ち方の手順ときれいに打つコツ、墨液の種類、自動巻きと手巻きの違いをまとめます。道具の細かい使い方は製品によって違うので、メーカーの取扱説明書もあわせて確かめてください。
墨壺の各部の名前
| 名前 | 役割 |
|---|---|
| 墨池(すみいけ) | 墨を含ませた綿やスポンジが入る部分。タンクとも呼ぶ |
| 壺糸(つぼいと) | 墨を含んで線を写す糸。墨糸とも呼ぶ |
| 壺車(つぼぐるま) | 糸を巻き取る車(糸巻き) |
| カルコ(軽子) | 糸の先の針。材に刺して糸の端を固定する |
| 壺口(つぼぐち) | 糸が出てくる口。ここを材に当てて糸を押さえる |
糸は墨池の中を通って出てくるので、引き出すと墨を含んだ状態になります。
墨壺で墨を打つ手順
- 墨池に建築用の墨液を入れ、綿やスポンジに十分しみ込ませます。
- カルコを引き出し、線の始まりの位置に針を刺します。
- 糸を伸ばして、線の終わりの位置で壺口を材に当て、糸を押さえてピンと張ります。
- もう片方の手で糸の途中をつまんで持ち上げ、離して弾きます。
- 糸を巻き取ります。
メーカーのシンワ測定は、乾くと固まる書道用の墨汁は墨つぼには使えないとして、建築用の墨液を使うよう案内しています。
墨をきれいに打つコツ
糸は垂直に持ち上げる
糸を斜めに引いて弾くと、線が横にずれたり曲がったりします。材に対してまっすぐ上に持ち上げて離します。
手袋をしたまま糸をつまむと、糸がよじれて線が曲がることがあります。
長い線は途中を押さえて2回に分ける
長い距離を一度に打つと、糸がたわんだり風で揺れたりして線がぶれます。途中を指で押さえて、左右を1回ずつ弾くと、まっすぐな線になりやすくなります。
カルコがずれないように刺す
カルコの針は、抜けたりずれたりしないように、しっかり刺します。糸を強く張ったときに針が動くと、線の始まりの位置がずれてしまいます。
カルコ側の糸を針に2〜3回巻き付けると、ずれにくくなります。糸を強く張ったままカルコが抜けると、針が勢いよく飛ぶので、しっかり刺して、抜くときは手で持って外します。
墨の量を調整する
墨が多すぎると線が太くにじみ、少なすぎるとかすれます。打つ前に試し打ちをして、線の濃さを確かめます。
墨液の種類と使い分け
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 墨汁(黒) | 基本の墨。建築用のものは乾いても糸や綿が固まりにくい |
| 朱液・白液・青液など | 黒の線が見えにくい下地や、線を区別したいときに使う |
| 雨の日用の墨液 | 濡れた面でもにじみにくいもの |
| チョークライン(粉チョーク) | 墨液ではなく粉を使う道具。線を消しやすい |
色ごとの使い分けは、会社や現場で決まりがあることもあります。墨液は、使っている墨壺に合うものを選びます。
自動巻きと手巻きの違い
墨壺には、糸を離すとゼンマイで自動で巻き取る自動巻きと、ハンドルを回して巻く手巻きがあります。自動巻きは片付けが早く、長い糸を扱う墨出しでも手間がかかりません。手巻きは構造が簡単で、糸の出し入れを自分で調整しやすいのが特長です。糸の長さや太さも製品で違い、細い糸ほど細い線が打てます。
墨壺の手入れ
- 使ったあとは墨がこぼれないようにふたを閉め、乾燥を防ぎます。
- 糸が毛羽立ったり切れかかったりしたら、交換用の糸に替えます。
- 墨の色を変えるときは、綿やスポンジを替えるか、別の墨壺を使います。
墨壺についてよくある質問
書道用の墨汁は使えますか
書道用の墨汁は乾くと固まるので、墨壺には使えません。建築用の墨液を使います。
墨壺とチョークラインの違いは
墨壺は墨液で線を打ち、チョークラインは粉のチョークで線を打ちます。チョークの線は消しやすいので、仮の線に向いています。
線が太くなってしまうのはなぜですか
墨が多すぎる、糸が太い、糸を斜めに弾いている、などが原因です。試し打ちで墨の量を調整し、糸を垂直に持ち上げて弾きます。
墨壺はどこで使いますか
材木への墨付けのほか、床や壁への墨出し、基礎や型枠の位置出しなど、まっすぐな長い線が必要な所で使います。









