配管の展開図の書き方継手ごとの型紙の計算と、管に巻いてけがく手順
配管の展開図は、管の表面を1枚の紙に開いた「巻きつける型紙」です。斜め切り、エビ管、T管のえぐりなど、継手の形が変わっても、描き方と使い方の流れは同じです。この記事では、外径から型紙の横幅を出すところから、管に巻いてけがくまでの手順を、継手の種類ごとの計算式と合わせて説明します。
配管の展開図は「管に巻く型紙」
型紙の横の長さは管の外周、つまり外径 × π です。縦方向には、円周を等分した点ごとに「基準線から切断線までの高さ」を立てていきます。この高さの並びが、継手の形ごとに違うだけです。
型紙は管の外側に巻くので、外径で計算します。板を丸めて作る円錐台やレジューサーは板厚中心で計算しますが、既製の鋼管に巻く型紙は外径でかまいません。
よく使う管の外周
配管用炭素鋼鋼管(SGP)の外径と、型紙の横の長さの早見表です。
| 呼び径 | 外径(mm) | 型紙の横の長さ(mm) |
|---|---|---|
| 20A | 27.2 | 85.5 |
| 25A | 34.0 | 106.8 |
| 32A | 42.7 | 134.1 |
| 40A | 48.6 | 152.7 |
| 50A | 60.5 | 190.1 |
| 65A | 76.3 | 239.7 |
| 80A | 89.1 | 279.9 |
| 100A | 114.3 | 359.1 |
| 125A | 139.8 | 439.2 |
| 150A | 165.2 | 519.0 |
ステンレス管でも、スケジュール管(JIS G 3459)はSGPと同じ外径です。一方、建築設備で使う一般配管用ステンレス鋼管(JIS G 3448、「Su」表示)や銅管は、呼び方が近くても外径が違います。実際の管をノギスで測るか、規格表で確かめてから計算してください。
継手の形ごとの計算式
外径をD(半径R)、円周をN等分したi番目の点の角度を φ = 360° × i ÷ N とします。
| 形 | 各点の高さ | くわしい解説 |
|---|---|---|
| 斜め切り(切断角θ) | R × tanθ ×(1 − cos φ) | パイプの斜め切りの展開図 |
| エビ管(曲げ角度α・ピース数n) | 切断角 = α ÷((n − 1)× 2)で、斜め切りと同じ式 | エビ管の展開図の書き方、エルボの展開図 |
| T管のえぐり(主管の半径R、枝管の半径r) | R − √(R² − r² × sin²φ) | T管(えぐり)の展開図の書き方 |
| レジューサー(板から作る) | 円錐台として放射線展開法で出す | レジューサーの展開図の書き方、偏心レジューサーの展開図 |
たとえば50A(外径60.5mm)を45度に斜め切りする場合、12等分なら点の間隔は15.8mm、いちばん深い点(点6)は60.5mmです。100A×50AのT管なら、枝管のえぐりはいちばん深いところで8.7mmになります。
型紙の描き方
- 紙に、外周の長さの直線(基準線)を引きます。
- 基準線をN等分し、左端を点0として番号を付けます。
- 各点に、計算した高さを垂直に立てます。
- 立てた点をなめらかな曲線でつなぎます。これが切断線です。
- 型紙の左右の端と基準線を残して、切断線に沿って切り抜きます。
12分割でも描けますが、径が大きい管や、えぐりのように形が細かく変わるものは16分割や24分割にすると、曲線がきれいにつながります。
管に巻いてけがく手順
- 管の上下左右に、軸と平行な芯墨を4本入れます。
- 管端から同じ距離の位置に、管をぐるりと一周する基準線を引きます。距離は、型紙のいちばん高い点より長くとります(50Aを45度に切るなら60.5mmより長く)。管端が直角に切れているとは限らないので、管端をそのまま基準にしないのがコツです。
- 型紙の下の直線を基準線に、点0を芯墨に合わせて、山が管端の側を向くように巻きつけます。下の直線を管端側にすると、えぐりの型紙は形が逆になって合いません。
- 型紙の左右の端がぴったり突き合うか確かめます。すき間や重なりが出るときは、外径の値か印刷の倍率が違っています。
- 切断線に沿って石筆やマーカーでけがきます。
点0をどの芯墨に合わせるかは継手の形で決まります。型紙の山を管端の側に向けて巻いた場合、斜め切りやエビ管は、高さ0の点0が腹(切ったあといちばん短い側)になります。T管のえぐりは、主管の軸と平行な側の芯墨に点0を合わせます。
型紙に含まれないもの
型紙の切断線は、管の外面どうしがぴったり合う線です。溶接の開先の角度とルート間隔は含んでいないので、切断したあとに開先を取り、仮付けで間隔を調整してください。肉厚の大きい管のえぐりは、内面側が当たらないように少し逃がすこともあります。
よくある失敗
呼び径の数字で型紙の横幅を出す
50Aの型紙の横幅は、50 × πではなく、外径60.5 × π = 190.1mmです。必ず実際の外径で計算します。
管端を基準にけがく
管端は直角に切れているとは限りません。管端から離れた位置に一周する基準線を引き、そこに型紙の下の直線を合わせます。
型紙の端が合わないまま、けがく
巻いた型紙の左右の端にすき間や重なりがあるときは、外径の値か印刷の倍率が違っています。原因を直してからけがきます。
型紙を自動で作るには
ここで説明した計算は、展開図ラボのツールで外径と角度を入れるだけで出せます。原寸で印刷すれば、そのまま管に巻いて使えます。
印刷が原寸にならないときは、型紙を原寸で印刷するコツを確認してください。
配管の展開図についてよくある質問
配管の展開図の横の長さは
管の外径 × πです。50A(外径60.5mm)なら190.1mm、100A(外径114.3mm)なら359.1mmです。
型紙は何分割で描けばいいですか
12分割でも描けますが、太い管やえぐりのように形が細かく変わるものは、16分割や24分割にすると曲線がきれいにつながります。
型紙は外径と内径のどちらで作りますか
既製の管に外側から巻いてけがくので、外径で作ります。板を丸めて作るレジューサーなどは、板厚の中心で計算します。









