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防水の立上り高さバルコニー250・開口部下120mmと屋根の壁際

木造住宅のバルコニーの防水層は、壁との取合いで250mm以上、サッシなど開口部の下端で120mm以上立ち上げるのが、住宅瑕疵担保責任保険の設計施工基準の値です。屋根の下ぶき材は壁に沿って250mm以上、かつ雨押えの上端より50mm以上です。この記事では、国土交通省が公表している設計施工基準と保険法人の資料、公共建築の標準詳細図をもとに、部位ごとの立上り高さ、床の勾配1/50との関係、立上りが取れないときの納め方、計算例をまとめます。

防水の立上り高さの早見表

部位立上り高さ
バルコニー・陸屋根の壁との取合い250以上
手すり壁・パラペットとの取合い250以上
開口部(サッシ)の下端120以上
勾配屋根の下ぶき材(壁との取合い)250以上かつ雨押え上端+50以上

単位はmmです。住宅瑕疵担保責任保険の設計施工基準(第7条・第8条)の値で、新築住宅の保険を申し込む住宅の設計と施工に使われています。公共建築の屋上は、後で説明する標準詳細図の寸法を使います。

バルコニー・陸屋根の防水の立上り(250mm・120mm)

設計施工基準の第8条(バルコニー及び陸屋根の防水)は、次のように決めています。

  • 床は1/50以上の勾配を設ける
  • 壁面との取合い部(手すり壁・パラペットとの取合い部を含む)の防水層は、開口部の下端で120mm以上、それ以外の部分で250mm以上立ち上げる
  • 取合い部には、防水テープやシーリングを使うなど適切な止水措置をする
  • 排水溝は勾配を取り、ドレンの取付け部は防水層を補強する
バルコニーの断面。床は1/50の勾配、外壁側の防水層は250以上立ち上げ、サッシの下端では120以上
バルコニーの防水層の立上り。壁との取合いは250以上、サッシの下では120以上、床は1/50以上の勾配。

防水の工法は、金属板(鋼板)ぶき、塩化ビニル樹脂系シート防水、アスファルト防水、改質アスファルトシート防水、FRP系塗膜防水、FRPと改質アスファルトシートまたはウレタン塗膜を組み合わせた工法のいずれかです。FRP系塗膜防水は、ガラスマットの補強材を2層以上にします(防水材メーカーの施工基準で認められる場合は1層以上)。

手すり壁の上端(笠木)

手すり壁の防水紙は下端から張り上げて上端で重ね、上端は金属製の笠木などで防水します。笠木を釘やねじで留めるときは、釘・ねじが防水層を貫通する部分に、あらかじめ防水テープやシーリングで止水措置をします(同じ第8条)。

屋根の下ぶき材の立上り(250mmと雨押え+50mm)

第7条(屋根の防水)では、下ぶき材をアスファルトルーフィング940またはこれと同等以上とし、ふき方を次のように決めています。

場所重ね・立上り
上下(流れ方向)の重ね100以上
左右の重ね200以上
谷部・棟部両方向へ250以上
屋根面と壁面の取合い壁に沿って250以上

単位はmmです。壁との取合いは「250mm以上かつ雨押えの上端より50mm以上」なので、雨押えが高いときは250mmでは足りません。

  • 下ぶき材の立上り=250と(雨押えの上端の高さ+50)の大きいほう

雨押えの上端が屋根面から150mmや200mmなら250mm、230mmなら280mm以上になります(展開図ラボの計算)。雨押えの形と寸法は水切り板金の種類と納まりで説明しています。

計算例:床の勾配1/50とサッシの高さ

バルコニーの床は1/50以上の勾配が必要なので、奥行きがあるほど、排水側(水下)とサッシ側の高さの差が大きくなります。

勾配を取る長さ1/50の下がり
91018.2
1,36527.3
1,82036.4

単位はmmです(展開図ラボの計算)。例えばサッシ側を水上にして、1,820mm先の排水溝へ1/50で下げるなら、サッシの前の床の防水面から120mm以上立ち上げると、排水溝の位置からは120+36.4=156.4mm以上の高さになります。勾配の換算は勾配の換算ツール、排水管の勾配は水勾配・排水管の勾配の計算を参照してください。

立上りが取れないときの納め方

保険法人は、基準の高さが取れない場合に、同等とみなす仕様(基準同等仕様)を公表しています。代表的なものです。

サッシの下端で120mmが取れないとき

住宅保証機構(まもりすまい保険)の基準同等仕様8では、次の3つをすべて行うと、第8条3項に適合しているものとして扱うとしています。

  1. 防水工事を先に行い、窓台までFRP防水を巻き込む
  2. サッシが付く範囲(縦枠部分を含む)は、釘打ちフィンとFRP防水の間に防水上有効なパッキング材(シーリング材)を施す
  3. くぎ頭(ビス頭)に紫外線に強いシーリングを施す

やむを得ず防水を後施工にする場合は、フィンの面を十分に目荒らししてプライマーを塗り、防水層の端部にシーリングを施すとしています。後施工は不具合が起きやすいことにも触れています。

屋根の下ぶき材を250mm立ち上げられないとき

日本住宅保証検査機構(JIO)の資料では、棟違い屋根や入母屋屋根などで下ぶき材が250mm未満になる場合、下ぶき材を野地板・母屋などまでできるだけ立ち上げ、端部や三面交点に伸張性の片面粘着防水テープを施すなどの措置を示しています。

どの措置も保険法人ごとに内容と手続きが違います。使う保険の基準同等仕様と設計施工基準を確かめてから納まりを決めます。

公共建築の屋上の立上り(標準詳細図)

国土交通省の建築工事標準詳細図(令和4年版)では、屋上のパラペットや塔屋の取合いの防水層の立上り高さHを、次のように示しています。

防水の工法立上り H
屋根保護防水(断熱)工法水上400以上
屋根露出防水(絶縁断熱)工法水上300以上

単位はmmで、図中に(水上400以上)(水上300以上)と示されています。高さHは特記事項で、立上りの入隅は45度に仕上げるとされています。木造住宅のバルコニーの250mm(住宅瑕疵担保責任保険の基準)とは出どころが違うので、混同しないようにします。

防水の立上り高さについてよくある質問

バルコニーの防水の立上りは何mm必要ですか

住宅瑕疵担保責任保険の設計施工基準では、壁や手すり壁との取合いで250mm以上、開口部の下端で120mm以上です。

サッシの下の防水の立上りが120mmに足りないときは

保険法人の基準同等仕様に従います。まもりすまい保険では、防水の先施工で窓台までFRPを巻き込み、フィンとFRPの間のシーリング、くぎ頭のシーリングの3つをすべて行う仕様が示されています。

屋根の壁際のルーフィングは何mm立ち上げますか

壁に沿って250mm以上、かつ雨押えの上端より50mm以上です。

バルコニーの床の勾配は

1/50以上です。1mで20mm、1,820mmで36.4mm下がります。

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