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屋根を貫通する管の穴と水切りの寸法勾配屋根の楕円の穴と筒の型紙

煙突や換気管が勾配屋根を貫通するところは、雨漏りしやすい場所です。まわりに水切りの筒と座板を付けて納めますが、屋根が傾いているので、穴は楕円に、筒の下の切り口は斜めになります。この記事では、その寸法の出し方を、外径150mmの管と4寸勾配の屋根の例で説明します。

屋根の穴は楕円になる

勾配屋根を貫通する管と、まわりの水切りの筒。水上と水下で立ち上がりの高さが違う
筒の上の端は水平なので、水上側より水下側の方が高くなります。

まっすぐ立つ管を傾いた屋根面で切ると、切り口は流れ方向に長い楕円になります。管(または水切りの筒)の半径をr、屋根の勾配の角度をαとすると、穴の大きさは次のとおりです。

求めるもの計算式
穴の流れ方向の長さ2r ÷ cos α
穴の横方向の長さ2r(管の直径と同じ)
筒の水下側の高さ水上側の高さ + 筒の直径 × 勾配(k ÷ 10)

計算例:外径150mm・4寸勾配

管と筒のすき間を片側5mmにすると、筒の径は160mmです。4寸勾配の角度は21.8°、cos 21.8° = 0.9285です。

求めるもの計算値
屋根の穴(流れ方向)160 ÷ 0.9285172.3mm
屋根の穴(横方向)筒の径160.0mm
筒の高さ(水上側)決めた値100.0mm
筒の高さ(水下側)100 + 160 × 0.4164.0mm
筒の板の長さ160 × π + 重ね代20522.7mm
座板の大きさ(出幅150)穴 + 150 × 2472.3 × 460.0mm

水切りの筒の型紙

筒の型紙は、上の辺がまっすぐで、下の辺が屋根の傾きに合わせた曲線になります。パイプの斜め切りと同じ形で、水下側がいちばん長く、水上側がいちばん短くなります。16等分した各点の高さ(上の端から下の切り口まで)は、水下から順に164.0、161.6、154.6、144.2、132.0、119.8、109.4、102.4、100.0mm(水上)で、そこから反対回りに同じ値に戻ります。

早見表:屋根の勾配ごとの穴と筒の高さ

筒の径160mm、水上側の高さ100mmの場合です。

勾配角度穴の流れ方向の長さ筒の水下側の高さ
2寸11.3°163.2132.0
3寸16.7°167.0148.0
4寸21.8°172.3164.0
5寸26.6°178.9180.0
6寸31.0°186.6196.0

単位はmmです。勾配がきついほど、穴は流れ方向に長くなり、水上側と水下側の高さの差が大きくなります。勾配の寸と角度の換算は勾配の計算方法でまとめています。

計算例2:外径100mmの換気管・3寸勾配

すき間を片側5mmにして筒の径を110mm、水上側の高さを80mmにした場合です。

求めるもの値
屋根の穴(流れ方向 × 横方向)114.8 × 110.0mm
筒の高さ(水上側 → 水下側)80.0 → 113.0mm
筒の板の長さ(重ね代20)365.6mm
座板の大きさ(出幅150)414.8 × 410.0mm

筒の型紙の高さを16等分で出すと、水下から順に113.0、111.7、108.2、102.8、96.5、90.2、84.8、81.3、80.0mm(水上)で、そこから反対回りに同じ値に戻ります。

座板と取り付けの順番

  1. 座板に、屋根の穴と同じ楕円の穴をあけます。楕円の長い方を屋根の流れ方向に合わせます。
  2. 筒を丸めて重ね代で留め、下の切り口を座板の穴に合わせて取り付けます。
  3. 座板の水上側は屋根材の下に差し込み、水下側は屋根材の上にかぶせて、水が座板の上を流れ落ちるように納めます。
  4. 管と筒のすき間の上には、雨が入らないように雨押えやシーリングで仕舞います。

差し込む長さや雨押えの形は、屋根材の種類や現場の仕様に合わせてください。

すき間5mmは、熱くならない換気管の例です。薪ストーブなどの煙突は、建築基準法施行令第115条で、屋根面から60cm以上立ち上げることと、木材などの燃えやすい材料から15cm以上離すことが決められています。国が定めた構造方法や、認定を受けた煙突部材を使う場合は別の扱いになるので、その説明書に従ってください。

よくある失敗

穴を丸くあけてしまう

傾いた屋根面では、まっすぐ立つ管の穴は流れ方向に長い楕円になります。丸い穴では、流れ方向の上下にすき間ができます。

筒の型紙の向きを逆にする

筒の型紙は、いちばん長い所を水下側、いちばん短い所を水上側に合わせます。逆に付けると、上の端が水平になりません。

座板の差し込みの順番を逆にする

座板の水上側を屋根材の上にかぶせると、上から流れてきた水が座板の下に入ります。水上側は屋根材の下、水下側は屋根材の上が基本です。水切りの納まりの考え方は水切り板金の種類と納まりでも説明しています。

屋根貫通の水切りについてよくある質問

屋根の穴の大きさはどう出しますか

横方向は筒の径と同じで、流れ方向は 筒の径 ÷ cos(屋根の角度)です。4寸勾配で筒の径160mmなら172.3mmになります。

筒の水下側はどれくらい高くなりますか

水上側の高さ + 筒の径 × 勾配(寸 ÷ 10)です。4寸勾配・筒の径160mmなら、水上側より64mm高くなります。

煙突も同じ納め方ですか

寸法の出し方は同じですが、煙突は燃えやすい材料から離すことなどが建築基準法施行令で決められています。使う煙突部材の説明書に従ってください。

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