配管アイソメ図の書き方向きの決め方と芯々寸法、直管の切断長さの出し方
配管のアイソメ図は、立体的に走る配管を1枚の図で表すための図です。この記事では、アイソメ図の向きの決め方、長さの書き方、エルボの寸法を引いた直管の切断長さの出し方を、50Aの配管の例で説明します。
アイソメ図の向き
アイソメ図では、東西・南北・上下の3つの方向を、図の上でそれぞれ決まった向きに描きます。よく使われるのは、北を右上、東を右下、上を真上にする描き方です。図のすみに北の向きを書いておくと、見る人が迷いません。会社や現場で決まった向きがあれば、それに合わせます。
長さは芯々で書く
アイソメ図に書く長さは、ふつう曲がり角の中心から次の曲がり角の中心まで(芯々)です。図は縮尺どおりに描く必要はなく、長い区間も短い区間も読みやすい長さで描いて、寸法を数字で書き込みます。
- 曲がり角(エルボの位置)には点を打ちます。
- 区間ごとに番号を付けておくと、切断表と照らし合わせやすくなります。
- バルブやフランジなどの部品は、記号で位置を書き込みます。
直管の切断長さの出し方
芯々の長さから、両端のエルボの「芯から端まで」の寸法を引くと、その区間に入れる直管の長さになります。溶接で継ぐ場合は、すき間の分も引きます。
| 求めるもの | 計算式 |
|---|---|
| 両端がエルボの区間 | 芯々 − エルボの芯から端 × 2 − すき間 × 2 |
| 片側だけエルボの区間 | 芯々 − エルボの芯から端 − すき間 |
50Aのロングエルボ(芯から端まで76.2mm)で、上の図の配管を計算すると次のようになります。
| 区間 | 方向 | 芯々(mm) | 直管の長さ(すき間0) | 直管の長さ(すき間2mm) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 東 | 1,200 | 1,123.8 | 1,121.8 |
| (2) | 上 | 800 | 647.6 | 643.6 |
| (3) | 北 | 1,500 | 1,347.6 | 1,343.6 |
| (4) | 東 | 900 | 823.8 | 821.8 |
始点と終点の側にエルボがないときは、その側は引きません。エルボの寸法はサイズや種類(ロング・ショート)で変わるので、使うエルボの寸法表で確かめてください。
| 呼び径 | ロング(mm) | ショート(mm) |
|---|---|---|
| 15A・20A | 38.1 | なし |
| 25A | 38.1 | 25.4 |
| 32A | 47.6 | 31.8 |
| 40A | 57.2 | 38.1 |
| 50A | 76.2 | 50.8 |
| 65A | 95.3 | 63.5 |
| 80A | 114.3 | 76.2 |
| 100A | 152.4 | 101.6 |
90°エルボの芯から端までの寸法です(JIS B 2311)。ねじ込み配管では、継手の芯から端までの寸法から、ねじ込む長さを引いた値を引きます。ねじ込む長さはサイズと継手で変わるので、メーカーの表で確かめてください。
エルボの種類とサイズで切断長さはどう変わるか
同じ経路(東1,200・上800・北1,500・東900)でも、エルボの寸法が変わると直管の長さが変わります。すき間2mmで計算すると次のとおりです。
| 区間 | 芯々 | 50Aロング(76.2) | 50Aショート(50.8) | 100Aロング(152.4) |
|---|---|---|---|---|
| (1) 東 | 1,200 | 1,121.8 | 1,147.2 | 1,045.6 |
| (2) 上 | 800 | 643.6 | 694.4 | 491.2 |
| (3) 北 | 1,500 | 1,343.6 | 1,394.4 | 1,191.2 |
| (4) 東 | 900 | 821.8 | 847.2 | 745.6 |
単位はmmです。両端にエルボが付く区間ほど差が大きくなります。短い区間では、エルボ2個分を引くと直管がほとんど残らないことがあるので、芯々の長さがエルボの寸法の2倍より十分長いかを先に確かめます。
書くときの注意
- 始点と終点、つながる機器や既設配管の名前を書き込みます。
- 同じ方向に続く区間は1本にまとめ、途中の部品の位置は別に寸法を入れます。
- 管のサイズ、エルボの種類、材質を図の中か表に書いておきます。
よくある失敗
芯々の長さをそのまま切断長さにする
アイソメ図の寸法は芯々です。そのまま切ると、エルボの分だけ配管が長くなります。両端の継手の寸法と、溶接のすき間を必ず引きます。
ロングとショートを取り違える
同じ呼び径でも、ロングとショートで芯から端までの寸法が違います。50Aなら76.2mmと50.8mmで、1個あたり25.4mmの差になります。
方向の決め方を途中で変える
図の途中で北の向きを変えると、配管の向きを読み違えます。図のすみに方向の記号を書き、最後まで同じ向きで描きます。
配管アイソメ図についてよくある質問
アイソメ図の寸法は芯々ですか
ふつうは曲がり角の中心から次の曲がり角の中心までの芯々で書きます。直管の切断長さは、芯々から継手の寸法とすき間を引いて出します。
アイソメ図は縮尺どおりに描きますか
縮尺どおりでなくてかまいません。読みやすい長さで描いて、寸法を数字で書き込みます。
エルボの芯から端までの寸法はどこで調べますか
溶接エルボはJIS B 2311などの規格や、メーカーの寸法表で確かめます。90°エルボの主なサイズは、上の表とエルボの展開図の書き方にまとめています。









