セパの長さの出し方壁厚で選ぶ決まり、Pコンを引いた全長の計算、擁壁の勾配と曲げセパ
型枠のセパ(セパレーター)は、本体の長さではなく「壁厚」で選んで注文するのが基本です。この記事では、岡部と共栄製作所の丸セパの製品資料、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)をもとに、セパの長さの決まり、B型・C型・BC型の選び方、Pコンを引いたセパ本体の全長の計算、擁壁のように勾配のある壁で高さごとにセパの長さを出す方法をまとめます。寸法の取り方はメーカーで違うことがあるので、注文の前に使うメーカーの寸法図で確かめてください。
セパの長さは壁厚で選ぶ
丸セパのカタログや価格表では、サイズを「壁厚」で表しています。共栄製作所の丸セパB型の価格表は「通常サイズ(壁厚W)」「特寸サイズ(壁厚W)」で、寸法図の壁厚は、向かい合う型枠(せき板)の内側の面の間の寸法です。岡部の丸セパの図も、寸法は壁厚で示しています。
つまり、厚さ180mmの壁なら「壁厚180のセパ」を選びます。サイズを壁厚で表しているカタログなら、Pコンの分を自分で引いて注文する必要はありません。
- 共栄製作所のB型の通常サイズ:150・180・200mm、250〜1,000mmは50mmごと。その間は特寸
- 吉川商工の標準サイズ:100・120・150・180・200・250・300mm、300mmから先は50mmごとに1,000mmまで。4mまで1本物で作れ、2m以上は継ぎになる場合がある
壁厚はせき板の内側の間の寸法なので、図面の躯体の厚さに打増し(ふかし)をする場合は、打増しを含めた厚さで選ぶことになります。
B型・C型・BC型の違いと選び方
| 種類 | 使う面 | 端の部品 |
|---|---|---|
| B型 | 両面打放し | 両側Pコン |
| C型 | 両面仕上げ | 両側座金 |
| BC型 | 打放しと仕上げ | Pコンと座金 |
岡部の製品資料の区分と、共栄製作所の製品の説明です。BC型は片面打放し・片面仕上げ用です。C型は両端に六角座金を付け、座金がせき板の内側の面に当たります(共栄製作所の図。座金の厚さ2.8mm)。
どちらの面にコーン(Pコン)を使うかは、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版の6.8.3(9)で決めています。コーンを使うのは、次の面です。
- 直接土に接する面(基礎と、地下室のない場合の基礎梁を除く)
- 防水の下地
- 打放し仕上げの面(A種・B種)
- 直接塗装や壁紙張りなど、厚さの薄い仕上げをする面
- 断熱材を打ち込んだ面(断熱材を傷めるおそれがない場合を除く)
- ダクトスペースなど、保守点検で出入りする所の床上2m以下の見える面
コーンを使った所は、型枠を外したあとコーンを取り、保水剤か防水剤入りのモルタルを詰めます。コーンを使わず仕上げもない所は、締付け金物の頭を取って錆止めを塗ります(同 6.8.5)。
Pコンを引いたセパ本体の全長
注文は壁厚でしますが、セパの棒そのものは、両端にPコンが付く分、壁厚より短くなります。共栄製作所の丸セパB型のページでは、全長を次の式で出すとしています。
全長(A)=壁厚(W)−(L1×2)+24
同じページの寸法図では、Pコンの長さが25mm、セパの両端のねじ部(Pコンにねじ込む部分)が12mmです。L1にPコンの長さ25を入れると、全長=壁厚−26mmになります(展開図ラボの計算)。
| 壁厚 | セパの全長 |
|---|---|
| 150mm | 124mm |
| 180mm | 154mm |
| 200mm | 174mm |
| 250mm | 224mm |
| 300mm | 274mm |
共栄製作所の式にPコン25mmを入れて計算した値です。手持ちのセパがどの壁厚用か分からないときの見分けに使えます。Pコンの寸法やねじ込みの長さはメーカーで違うことがあるので、ほかのメーカーのセパは、そのメーカーの寸法図で確かめてください。共栄製作所には塩害対策用のロングPコン(長さ40・50・65mm)もあり、これを使うときのセパの寸法は、メーカーに確認します。
擁壁など勾配のある壁のセパの長さ
擁壁のように面に勾配がある壁は、高さによって厚さが変わるので、セパを入れる段ごとに長さが違います。セパの高さでの壁の厚さ(水平に測った厚さ)は、次の式で出せます(展開図ラボの計算)。
厚さ=天端の幅+(前面の勾配+背面の勾配)×天端からの深さ
勾配は「1:0.3」のように、高さ1に対する水平の出で表したものです。「3分勾配」は1:0.3です。背面が鉛直なら、背面の勾配は0です。
擁壁のセパの長さの計算例
天端の幅300mm、前面1:0.3、背面鉛直、高さ1,500mmの壁です。
| 天端からの深さ | 壁の厚さ |
|---|---|
| 300mm | 390mm |
| 750mm | 525mm |
| 1,200mm | 660mm |
| 1,500mm(底) | 750mm |
深さ750mmなら、300+0.3×750=525mmです。背面も1:0.2の勾配なら、同じ深さで300+0.5×750=675mmになります(展開図ラボの計算)。セパを入れる段の高さと間隔は、側圧と型枠の計画で決めます。
勾配の面には曲げセパを使う
岡部の製品資料の注意事項では、丸セパは型枠に直角になるように取り付けるとしています。勾配のある面に、まっすぐなセパを水平に入れると、端が型枠に斜めに当たります。共栄製作所の勾配セパレーター(曲げ型)は、勾配の面の近くでセパを曲げ、端が型枠に直角に当たるようにしたものです。
- 曲げ角度は、勾配から角度=atan(勾配)で出せる。1:0.3なら16.7°
- 共栄製作所の図では、曲げセパの壁厚寸法を「片曲げK型は L2+40」のように、まっすぐな部分の長さと曲げた部分の長さで表している(B型・H型・両曲げで足す長さが違う)。注文の寸法の取り方はメーカーの図に合わせる
- 共栄製作所は、曲げたセパは側圧がかかると元のまっすぐな形に戻ろうとして、本来の強度が出ないと注意している
| 勾配 | 曲げ角度 |
|---|---|
| 1:0.1(1分) | 5.7° |
| 1:0.2(2分) | 11.3° |
| 1:0.3(3分) | 16.7° |
| 1:0.4(4分) | 21.8° |
| 1:0.5(5分) | 26.6° |
| 1:0.6(6分) | 31.0° |
角度はatanで計算した値です(展開図ラボの計算)。勾配と角度の換算は勾配の換算ツールでもできます。
セパの長さでよくある間違い
セパ本体の長さで注文する
カタログのサイズは壁厚です。壁厚180mmの壁に「180」のセパを選びます。本体を測って180mmのものを選ぶと、壁が厚くなります。
打増しを足し忘れる
壁厚はせき板の内側の間の寸法です。打増しをする所は、その分を含めた厚さで選びます。
勾配のある面にまっすぐなセパを使う
セパは型枠に直角に取り付けます。勾配の面には曲げセパなどを使います。
長さが合わないセパを切って溶接する
岡部の製品資料では、丸セパを切断し、溶接して使わないよう注意しています。壁厚に合ったセパを用意します。
セパの長さについてよくある質問
セパの長さはどこからどこまでですか
カタログのサイズ(壁厚)は、向かい合うせき板の内側の面の間の寸法です。本体の全長は、両端にPコンが付く分、壁厚より短くなります(共栄製作所のB型でPコン25mmなら壁厚−26mm)。
壁厚150mmのB型セパの全長は
共栄製作所の式(全長=壁厚−Pコンの長さ×2+24)にPコン25mmを入れると124mmです。メーカーで違うことがあります。
擁壁のセパの長さはどう出しますか
セパを入れる高さでの壁の厚さを、天端の幅+(前面の勾配+背面の勾配)×天端からの深さで出し、その厚さで選びます。勾配の面は曲げセパを使い、注文の寸法はメーカーの図に合わせます。
B型とC型の違いは
B型は両面打放し用で両側にPコン、C型は両面仕上げ用で両側に座金を使います。片面打放し・片面仕上げはBC型です。









