土間コンクリートの厚さと勾配駐車場・犬走りの厚さ、砕石、ワイヤーメッシュ、目地の間隔
土間コンクリートは、駐車場・犬走り・通路・倉庫の床など、外構でも建物でもよく打つコンクリートです。この記事では、国土交通省の「構内舗装・排水設計基準」と「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」、道路構造令、溶接金網メーカーのカタログをもとに、土間コンクリートの厚さの目安、砕石(路盤)の厚さ、ワイヤーメッシュ、勾配、目地の間隔、打設から仕上げまでの流れをまとめます。
土間コンクリートの厚さの目安
国土交通省の「構内舗装・排水設計基準」(平成27年制定)は、官庁施設の敷地の中のコンクリート舗装の標準断面を、車路・駐車場と歩行者用通路に分けて決めています。
| 場所 | 版厚 | 路盤厚 |
|---|---|---|
| 駐車場(大型車なし) | 15cm | 15cm |
| 駐車場(大型車あり) | 20cm | 20cm |
| 歩行者用通路 | 7cm | 10cm |
版厚はコンクリートの厚さ、路盤厚はその下の砕石の層の厚さです。大型車は重量5t以上の車両で、駐車場の欄は基準では「車路・駐車場」です。
駐車場の土間
乗用車だけの駐車場なら版厚15cm・路盤厚15cm、5t以上の車が入るなら版厚20cm・路盤厚20cmが標準です。特殊な材料や工法を使う場合は、交通量や路床の支持力から構造設計で断面を決めるとしています。
犬走り・通路の土間
犬走りのように人が歩くだけの場所は、基準の「歩行者用通路」が参考になります。歩行者用通路の標準は、版厚7cm、路盤厚10cmです。公共建築工事標準仕様書でも、特記がなければ歩行者用通路の版厚を70mmとしています。基準では、人や自転車の通行を超える荷重がかかる通路は、車路・駐車場に準じた断面にするとしています。
倉庫・工場の土間
フォークリフトや重い荷物が乗る倉庫・工場の土間の厚さの標準値は、この記事で確認した資料にはありませんでした。建物の中の土間は設計図の特記によるので、図面で厚さと配筋を確かめます。
砕石(路盤)の厚さと締固め
路盤の厚さは上の表のとおり、駐車場で15cmまたは20cm、歩行者用通路で10cmが標準です。
- 材料:公共建築工事標準仕様書では、クラッシャラン、粒度調整砕石、それぞれの再生品などを路盤材料としています。クラッシャランと粒度調整砕石はJIS A 5001(道路用砕石)に適合するものです。
- 敷き均し:一層の敷均し厚さは、締め固めたあとの厚さが200mmを超えないようにします。
- 締固め度:現場密度が最大乾燥密度の93%以上とします。
- 仕上がり:仕上り面の高さの平均と設計高さの差は-8mm以内とし、路盤の厚さは設計厚さを下回らないこととしています。
建物の中の土間の砂利地業
建物の土間の下の砂利地業は、公共建築工事標準仕様書の4章で、特記がなければ厚さ60mm、砂利は再生クラッシャラン・切込砂利・切込砕石(C-40程度)としています。防湿層は、特記がなければ厚さ0.15mm以上のポリエチレンフィルムを土間コンクリートの直下に敷きます。
ワイヤーメッシュの太さと入れる位置
構内舗装・排水設計基準では、車路・駐車場のコンクリート版に溶接金網(ワイヤーメッシュ)を入れるとしています。公共建築工事標準仕様書も同じで、JIS G 3551(溶接金網及び鉄筋格子)に基づき、鉄線径6mm、網目寸法150mmとしています。
- 版厚150mmのとき:表面から1/2程度の位置に入れます。
- 版厚200mmのとき:表面から1/3程度の位置に入れます。
- 重ね:長手方向に200mm程度重ね、要所を鉄線で結束します。
ワイヤーメッシュの規格と重さ
JIS G 3551の認証工場である大進商会のカタログでは、定尺品の大きさを幅1.5m×長さ6.0mとし、1m²あたりの重さを次のとおりとしています。
| 線径 | 網目 | 重さ |
|---|---|---|
| 4mm | 150×150 | 1.36kg/m² |
| 4mm | 100×100 | 2.05kg/m² |
| 5mm | 150×150 | 2.14kg/m² |
| 5mm | 100×100 | 3.2kg/m² |
| 6mm | 150×150 | 3.05kg/m² |
| 6mm | 100×100 | 4.60kg/m² |
網目の単位はmmです。定尺や重さはメーカーで違うことがあるので、使うメーカーのカタログで確かめます。
土間コンクリートの水勾配
構内舗装・排水設計基準では、雨水が舗装面にたまらないよう排水の方向や勾配を計画するとしていますが、コンクリート舗装の勾配の数値は本文にありません。参考になる数値は次のとおりです。
- 道路構造令 第24条:舗装した車道の横断勾配は1.5%以上2%以下を標準とし、歩道は2%を標準としています。
- 構内舗装・排水設計基準の資料:インターロッキングブロック舗装の横断勾配を、車路・駐車場で2%、歩行者用通路で1.5〜2%としています。
道路構造令は公道の基準で、敷地の中の駐車場や犬走りにそのまま当てはまるものではありません。公共建築工事標準仕様書では、コンクリート舗装の平たん性を、特記がなければ通行の支障となる水たまりを生じない程度としています。
勾配から高低差を出す
2%は1mで20mm下がる勾配で、5m流すなら100mm、1.5%なら75mmの高低差になります。この高低差を先に出して、建物側と道路側の高さに無理がないか確かめます。勾配の%と角度・分数の換算は勾配換算ツールで計算できます。スロープの勾配の基準はスロープの勾配の基準にまとめています。
目地の種類と間隔
公共建築工事標準仕様書では、特記がなければ次の目地を設けるとしています。構内舗装・排水設計基準の表2.5.1も同じ内容です。
| 部位 | 目地 | 間隔 |
|---|---|---|
| 駐車場 縦方向 | 突合せ目地 | 5m程度 |
| 駐車場 横方向 | 収縮目地 | 3m程度 |
| 車路・通路 縦 | 突合せ目地 | 3m程度 |
| 車路・通路 横 | 収縮目地 | 4m程度 |
| 桝の周囲 | 伸縮調整目地 | - |
| 建物との取合い | 伸縮調整目地 | - |
「車路・通路」は、表の「車路及び歩行者用通路」です。基準では、コンクリート版の膨張に対して設ける場合は横膨張目地とし、資料では横膨張目地を60〜120mの間隔で設けるとしています。
- 注入目地材の深さ:車路・駐車場で40mm、歩行者用通路で30mmです。
- 注入目地材:特記がなければ加熱施工式の低弾性タイプです。資料では、耐油性が要る場合は常温施工式目地材などを使うとしています。
- 目地板:伸縮調整目地には、アスファルト目地板など、コンクリート版の伸び縮みによく順応する耐久性のあるものを使います。
土間に使う生コンの強度とスランプ
公共建築工事標準仕様書では、特記がなければ、コンクリート舗装に普通コンクリートを使い、次の値としています。
| 部位 | 設計基準強度 | スランプ |
|---|---|---|
| 車路・駐車場 | 24N/mm² | 8cm |
| 歩行者用通路 | 18N/mm² | 8cm |
粗骨材の最大寸法は、車路・駐車場で砂利なら25mmまたは40mm、砕石なら20mmまたは25mm、歩行者用通路で砂利なら25mm、砕石なら20mmです。生コン工場への注文のしかたは生コンの呼び方で説明しています。
生コンの数量の出し方
数量は「面積×厚さ」です。幅5m×奥行6mの駐車場を厚さ15cmで打つなら、5×6×0.15=4.5m³になります。生コンの数量計算ツールで、寸法を入れるだけで計算できます。
打設から仕上げまでの流れ
公共建築工事標準仕様書の22章5節(コンクリート舗装)の施工と養生の手順を、順番に並べると次のようになります。
- 路盤材料を敷き均して締め固め、路盤を平らに仕上げます(一層の仕上り厚さは200mm以下)。
- 路盤の仕上げに続いて、すぐにプライムコートを行います。
- 型枠を、沈んだり変形したりしないよう堅固に据え付け、必要ならはく離剤を塗ります。
- ワイヤーメッシュを入れる場合は、下層のコンクリートを打って敷き均し、メッシュを200mm程度重ねて結束しながら敷き込み、すぐに上層を打ちます。
- 表面振動機の類で振動をかけて締め固めます。
- 所定の勾配をとって平らに均し、水引きの具合を見てフロートで平たんに仕上げ、ブラシなどで表面を粗面に仕上げます。
- 仕上げ後、枠などを設けてシートで覆い、表面が硬化するまで初期養生をします。
- 続いてマットなどを敷いて散水し、湿った状態を保って、所定の強度が出るまで養生します。
- 目地の部分を清掃してから、注入目地材を充填します。
仕様書では、雨や雪でコンクリートの品質が悪くなりそうなときや、打込み中のコンクリート温度が2℃を下回りそうなときは適切な養生を行い、それができなければ打ち込まないとしています。養生の日数の考え方はコンクリートの養生期間にまとめています。
よくある失敗
ワイヤーメッシュが底に沈んでいる
メッシュを路盤に直接置いて流すと、所定の位置に入りません。仕様書のように2層に分けて打ちます。
勾配を決めずに打ち始める
高低差を先に出しておかないと、道路側や建物側の高さが合わなくなり、水たまりが残ります。型枠を据える前に排水の方向と高低差を決めておきます。
建物際や桝の周りに目地を入れない
基準では、桝の周りと建物・構造物との取合いに伸縮調整目地を入れるとしています。
土間コンクリートの厚さについてよくある質問
駐車場の土間コンクリートの厚さは何cmですか
国交省の構内舗装・排水設計基準では、5t以上の大型車が通らなければ版厚15cm、通るなら20cmを標準としています。
土間の下の砕石は何cm敷きますか
同じ基準の路盤厚は、駐車場で15cmまたは20cm、歩行者用通路で10cmです。建物の中の土間の砂利地業は、特記がなければ60mmです。
ワイヤーメッシュは何を使えばよいですか
公共建築工事標準仕様書では、JIS G 3551に基づく鉄線径6mm、網目寸法150mmの溶接金網としています。
伸縮目地は何mおきに入れますか
公共建築工事標準仕様書では、特記がなければ、駐車場で縦5m程度・横3m程度、車路と歩行者用通路で縦3m程度・横4m程度ごとです。









