コンクリートの養生期間湿潤養生の日数と型枠・支柱の存置期間
コンクリートは、打ち込んだあとに水分と温度を保つ「養生」をしないと、強度が十分に出なかったり、ひび割れが起きやすくなったりします。養生の期間や型枠を外してよい時期は、法令で決められています。公共工事では国土交通省の公共建築工事標準仕様書、民間工事では日本建築学会のJASS 5の値を使うことが多く、資料によって日数や気温の区分が違います。この記事では、建築基準法施行令第75条の養生、標準仕様書(令和7年版)の湿潤養生の期間、せき板・支柱の存置期間の表と、読み方の注意点をまとめます。実際の工事では、設計図書(特記)と工事の施工計画に従ってください。
コンクリートの養生とは
コンクリートは、セメントと水が反応(水和)して固まり、強度が出ていきます。打ち込んだあとに乾燥したり、冷えすぎたり、振動や衝撃を受けたりすると、この反応がうまく進みません。養生は、コンクリートが十分な強度になるまで、水分と温度を保ち、害になるものから守る作業です。
建築基準法施行令第75条
施行令第75条では、コンクリートの打込み中と打込み後5日間は、コンクリートの温度が2℃を下らないようにし、乾燥や振動などで凝結・硬化が妨げられないように養生しなければならないとされています(凝結・硬化を促進する特別な措置をとる場合を除く)。
湿潤養生の期間(公共建築工事標準仕様書)
打込み後は、透水性の小さいせき板で覆う、養生マットや水密シートで覆う、散水・噴霧する、膜養生剤を塗るなどの方法で、コンクリートを湿った状態に保ちます。標準仕様書(令和7年版)の湿潤養生の期間は次のとおりです(表6.7.1)。
| セメントの種類 | 湿潤養生の期間 |
|---|---|
| 早強ポルトランドセメント | 3日以上 |
| 普通ポルトランドセメント、高炉セメントA種、シリカセメントA種、フライアッシュセメントA種、普通エコセメント | 5日以上 |
| 中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメントB種、フライアッシュセメントB種 | 7日以上 |
また、打込み後少なくとも1日間は、その上を歩いたり作業をしたりしないこととされています。
せき板の存置期間(型枠をいつ外せるか)
基礎・梁側・柱・壁のせき板(標準仕様書 表6.8.2)
| 存置期間中の平均気温 | 早強ポルトランド | 普通ポルトランド、高炉A種など | 高炉B種など | 中庸熱・低熱ポルトランド |
|---|---|---|---|---|
| 15℃以上 | 2日 | 3日 | 5日 | 6日 |
| 5℃以上 | 3日 | 5日 | 7日 | 8日 |
| 0℃以上 | 5日 | 8日 | 10日 | 12日 |
日数によらず、コンクリートの圧縮強度が5N/mm²以上になったことを確かめれば、せき板を外せます。寒くて強度の出が遅れるおそれがある場合は、圧縮強度で決めます。
スラブ下・梁下の支柱(標準仕様書 表6.8.3)
| 平均気温 | スラブ下・早強 | スラブ下・普通、高炉A種など | スラブ下・中庸熱、低熱、高炉B種など | 梁下(すべて) |
|---|---|---|---|---|
| 15℃以上 | 8日 | 17日 | 28日 | 28日 |
| 5℃以上 | 12日 | 25日 | 28日 | 28日 |
| 0℃以上 | 15日 | 28日 | 28日 | 28日 |
- 圧縮強度で決める場合、スラブ下は設計基準強度の85%以上または12N/mm²以上、梁下は設計基準強度以上で、施工中の荷重などに対して構造計算で安全を確かめることが条件です。
- スラブ下・梁下のせき板は、支柱を外したあとに外します。
- 支柱の盛替え(いったん外して付け直すこと)は行いません。
- 片持ち梁、ひさし、スパンの長い梁、大きなスラブなどを支える支柱は、必要に応じて存置期間を延ばします。
告示(昭和46年建設省告示第110号)との違い
型枠と支柱の取り外しの基準は、建築基準法施行令第76条にもとづく昭和46年建設省告示第110号でも決められています。基礎・梁側・柱・壁のせき板と支柱の日数は、標準仕様書の表と同じです。告示にはスラブ下・梁下のせき板の日数もありますが、標準仕様書では支柱を外したあとに外すことになっています。また、告示は、気温の区分が「15℃以上/5℃以上15℃未満/5℃未満」になっています(標準仕様書は「15℃以上/5℃以上/0℃以上」)。どの資料の表を見ているかを確かめて使います。
養生で気を付けること
- 夏は、直射日光や風で表面が急に乾くと、ひび割れの原因になります。散水やシートで乾燥を防ぎます。
- 冬は、コンクリートが凍ると強度が出なくなります。シートで覆う、保温する、給熱するなどして温度を保ちます。打込み中にコンクリートの温度が2℃を下回るおそれがあるのに養生ができない場合は、打込みを行いません。
- 打込み直後に重い物を載せたり、振動を与えたりしないようにします。
- 型枠を外す日は、日数だけでなく、その間の気温も記録しておきます。
養生期間についてよくある質問
コンクリートの養生期間は何日ですか
標準仕様書の湿潤養生の期間は、普通ポルトランドセメントで5日以上、早強で3日以上、中庸熱・低熱・高炉B種などで7日以上です。
型枠は何日で外せますか
基礎・梁側・柱・壁のせき板は、普通ポルトランドセメントで平均気温15℃以上なら3日、5℃以上なら5日、0℃以上なら8日です。圧縮強度が5N/mm²以上になったことを確かめて外すこともできます。
土間コンクリートの養生は
土間も打込み後に乾燥しないよう、散水やシートで湿った状態を保ちます。打込み後少なくとも1日間はその上を歩かないようにし、車を載せる時期などは、使うコンクリートと工事の計画に合わせて決めます。
養生中に雨が降ったら
打込み直後の表面に雨が当たると、表面が荒れることがあります。シートで覆って守ります。









