接地抵抗の基準と測り方A種・B種・C種・D種の値と電位降下法
接地(アース)は、漏電したときに電気を大地へ逃がして、感電や火災を防ぐためのものです。接地にはA種・B種・C種・D種の4種類があり、それぞれ守るべき接地抵抗の値が決まっています。この記事では、経済産業省の「電気設備の技術基準の解釈」第17条の接地抵抗値、どの接地を使うか(第29条)、接地抵抗計による測り方(電位降下法)と注意点をまとめます。
接地の種類と接地抵抗値(電技解釈第17条)
| 接地の種類 | 接地抵抗値 | 接地線(銅線の場合の例) |
|---|---|---|
| A種接地工事 | 10Ω以下 | 直径2.6mm以上の軟銅線など |
| B種接地工事 | 150 ÷ Ig(Ω)以下(自動遮断する場合は300 ÷ Ig、600 ÷ Ig) | 直径2.6mm以上(場合により4mm以上) |
| C種接地工事 | 10Ω以下(地絡時に0.5秒以内に自動遮断する場合は500Ω以下) | 直径1.6mm以上の軟銅線など |
| D種接地工事 | 100Ω以下(地絡時に0.5秒以内に自動遮断する場合は500Ω以下) | 直径1.6mm以上の軟銅線など |
Igは、変圧器の高圧側(または特別高圧側)の電路の1線地絡電流です。B種は、自動遮断までの時間が1秒を超え2秒以下なら300 ÷ Ig、1秒以下なら600 ÷ Igです。
どの接地工事をするか(電技解釈第29条)
| 機械器具の使用電圧 | 接地工事 |
|---|---|
| 低圧・300V以下 | D種接地工事 |
| 低圧・300Vを超えるもの | C種接地工事 |
| 高圧・特別高圧 | A種接地工事 |
B種接地工事は、高圧と低圧が混ざったとき(混触)に低圧側の電圧が上がるのを防ぐため、変圧器の低圧側に施すものです。
接地工事を省略できる場合(第29条第2項)
低圧の機械器具で、次のような場合などは、接地工事を省略できます。
- 交流の対地電圧が150V以下の機械器具を、乾燥した場所に施設する場合
- 二重絶縁の構造の機械器具を施設する場合
- 水気のある場所以外で、電源側に漏電遮断器(定格感度電流15mA以下、動作時間0.1秒以下の電流動作型)を施設する場合
C種・D種とみなされる場合
金属体と大地の間の電気抵抗が10Ω以下ならC種、100Ω以下ならD種の接地工事を施したものとみなされます(第17条)。
接地抵抗の測り方(電位降下法)
接地抵抗計(アーステスター)の多くは、電位降下法で測ります。共立電気計器の接地抵抗計(KEW4105DL)の取扱説明書の手順をもとにした、精密測定(3極法)の流れです。
- 測る前に、接地線と大地の間の電圧(地電圧)を確かめます。この機種では25V以下でないと大きな誤差になるとされています。
- 測る接地極(E)から、約5〜10mの間隔で、ほぼ一直線上に補助接地棒を2本(電位極S(P)、電流極H(C))打ち込みます。
- 測定コードをつなぎ、測定します。
補助接地棒の打ち方のコツ
- 補助接地棒は、できるだけ湿った土に深く打ち込みます。乾いた土や砂地では、水をかけてから打ちます。
- コンクリートの上では、棒を寝かせて置き、水や濡らした雑巾で接触をよくする方法があります(アスファルトの上では測れないとされています)。
- 補助接地棒の抵抗が大きすぎると、正しく測れないことがあります。
簡易測定(2極法)
補助接地棒を打てない場所では、抵抗の小さい既設の接地(商用電源の接地など)を使って測る簡易測定があります。表示される値は、測りたい接地の抵抗に既設の接地の抵抗を足した値なので、既設の接地の抵抗を引いて求めます。商用電源の接地側を使うときは、必ず検電器で接地側であることを確かめてからつなぎます。
接地工事で気を付けること
- A種・B種で人が触れるおそれがある場所では、接地極を地下75cm以上の深さに埋め、接地線の地下75cmから地表上2mまでを合成樹脂管などで覆います(第17条)。
- 接地極を埋めたあとに接地抵抗を測り、記録します。
- 接地抵抗は、土の湿り具合で季節によって変わります。
接地は、令和7年度の電気工事施工管理技術検定の第二次検定でも、1級で「接地抵抗の低減方法」、2級で「A種接地工事」が、技術的な内容を記述する用語として出題されています(建設業振興基金が公表した問題)。資格の受検資格や試験の内容は、次の記事でまとめています。
接地抵抗についてよくある質問
D種接地の抵抗値は
100Ω以下です。地絡が起きたときに0.5秒以内に自動で電路を遮断する装置を付けた場合は、500Ω以下です。
100Vのコンセントの接地は何種ですか
使用電圧300V以下の低圧の機械器具なので、D種接地工事です。
接地抵抗が下がらないときは
接地極を深く打つ、本数を増やして並列にする、接地抵抗低減剤を使う、などの方法があります。どの方法をとるかは、現場の条件と設計図書で決めます。









