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電気工事施工管理技士とは電気工事士との違いと受検資格・試験内容・合格率(令和8年度)

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電気工事施工管理技士は、電気工事の現場で工程・品質・安全の管理を任される人のための国家資格です。電気工事士が職長から施工管理へ進むときの、いちばん近い資格でもあります。この記事では、建設業法と施行令・施行規則、国土交通省の資料、試験を実施する建設業振興基金の受検の手引・公表問題・合格発表資料をもとに、資格でできること、電気工事士との違い、電気工事士が使える受検資格、試験の内容と合格率をまとめます。日程や料金は2026年10月時点の情報です。

電気工事施工管理技士とは

電気工事施工管理技士は、建設業法第27条にもとづく「技術検定」の資格で、1級と2級があります。試験は第一次検定と第二次検定に分かれていて、第一次検定に合格すると「電気工事施工管理技士補」、第二次検定に合格すると「電気工事施工管理技士」を名乗れます(建設業法施行令第40条)。

試験は、国土交通大臣の指定試験機関である一般財団法人 建設業振興基金が行っています。対象になる技術は、電気工事の施工計画や施工図の作成、工程管理・品質管理・安全管理など、工事の施工の管理です(施行令第37条)。

資格でできること

資格なれる技術者
2級技士主任技術者
1級技士補監理技術者補佐
1級技士監理技術者
  • 主任技術者:工事を請け負った建設業者が、現場に置かなければならない技術者です(建設業法第26条)。2級の第二次検定に合格すると、電気工事の主任技術者や、一般建設業の営業所技術者の要件を満たします(同法施行規則第7条の3)。
  • 監理技術者:元請として下請に出す金額の合計が5,000万円以上になる工事などで必要になる技術者です(同法第26条、施行令第2条)。
  • 監理技術者補佐:1級の第一次検定に合格した「1級技士補」で、電気工事の主任技術者の要件も持つ人がなれます(国土交通省の資料)。技士補になっただけではなれません。

電気工事業は「指定建設業」

電気工事業は、土木・建築・管・鋼構造物・舗装・造園とならぶ「指定建設業」です(施行令第5条の2)。指定建設業では、監理技術者や特定建設業の営業所技術者になれるのは、1級の施工管理技士などの国家資格者に限られます(建設業法第26条第2項、国土交通省「許可の要件」)。電気工事士の免状や実務経験だけでは、大きな現場の監理技術者にはなれません。

電気工事士との違い

電気工事士は、電気工事士法にもとづいて、電気工事の作業をするための資格です。電気工事施工管理技士は、建設業法にもとづいて、工事の施工管理をする技術者になるための資格です。法律も、資格で任される役割も違います。

資格主任技術者監理技術者
第二種電工実務3年後なれない
第一種電工なれるなれない
2級技士なれるなれない
1級技士なれるなれる

第二種電気工事士は、免状の交付を受けたあと電気工事の実務経験が3年以上あれば、主任技術者・営業所技術者の要件を満たします(建設業法施行規則第7条の3)。

反対に、電気工事業法の「主任電気工事士」(登録電気工事業者が営業所に置く人)になれるのは、第一種電気工事士と、免状の交付後に実務経験3年以上の第二種電気工事士です(同法第19条)。施工管理技士の資格は、この要件に入っていません。電気工事の会社では、電気工事士と施工管理技士の両方があると、任される役割が広がります。

受検資格(令和6年度からの新制度)

令和6年度から、施工管理技術検定の受検資格が変わりました。第一次検定は年齢だけで受けられ、第二次検定は合格や免状のあとの実務経験で受ける形になっています。電気工事施工管理では、電気工事士の資格を使った受検資格が用意されているのが特徴です。

第一次検定

1級は19歳以上、2級は17歳以上です。年齢は受検する年度の末日時点で、学歴も実務経験もいりません(施工技術検定規則第4条)。

2級の第二次検定

  • 2級の第一次検定に合格したあと、実務経験3年以上
  • 1級の第一次検定に合格したあと、実務経験1年以上
  • 電気工事士試験か電気主任技術者試験に合格したあと(または免状の交付後)、実務経験1年以上

3つめの電気工事士のルートは、第一種・第二種のどちらでもよく、第一次検定と第二次検定を同じ年に同時に受けられます(建設業振興基金 2級新受検資格の手引)。2級の第一次検定から入るルートより、2年早く第二次検定を受けられます。

1級の第二次検定

1級の第一次検定に合格したあと、実務経験5年以上、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上、監理技術者補佐としての実務経験1年以上のいずれかなどが条件です。第一種電気工事士試験の合格か免状の交付のあと、実務経験5年以上(特定実務経験1年以上を含めば3年以上)というルートもあり、この場合も1級の第一次検定の合格が必要です。

特定実務経験は、請負金額4,500万円以上の工事で、監理技術者や主任技術者の指導のもとで行った施工管理の経験などをいいます。

旧受検資格は令和10年度まで

令和10年度までは、学歴や資格ごとに実務経験の年数を決めた旧受検資格でも受けられます。旧受検資格では、第一種電気工事士の免状を持っていると、1級・2級とも第二次検定の実務経験の年数を問われません(1級は第一次検定の合格が別に必要)。第二種電気工事士の免状は、2級で通算1年以上の実務経験です。

実務経験を問われないのは「免状」がある場合だけで、第一種電気工事士試験の合格証書では認められません(令和8年度 受検の手引)。旧受検資格の申込は書面で、願書(1部1,000円)が必要です。

実務経験として認められるもの

建設業振興基金の受検の手引では、実務経験を、施工計画の作成や工程管理・品質管理・安全管理など、工事の施工の管理に直接かかわる技術上の職務経験とし、補助者としての経験も含むとしています。対象は建設業法の29業種のうち「電気工事」だけです。一方で、次のようなものは実務経験に入りません。

  • 工事での雑役務だけの業務や、単純な労働作業
  • アルバイトによる作業員としての経験
  • 設計・積算・保守・点検・メンテナンスなどだけの業務
  • 入社後の研修期間

旧受検資格の手引では、電話交換機・火災報知・インターホンなどの通信設備工事や、電気通信工事として行った工事は、電気工事の実務経験に入らないとしています(電源設備の部分は認められる)。現場で施工していた期間のうち、どこまでが施工管理の補助として認められるかは、手引に具体的な線引きがありません。迷うときは、申込の前に建設業振興基金に確かめてください。

試験の内容と合格基準

区分形式合格基準
第一次マークシート60%以上
第二次記述+択一60%以上

第一次検定の科目は、電気工学等・施工管理法・法規です。1級の第一次検定は、全体で60%以上に加えて、施工管理法(応用能力)の問題で50%以上が必要です。第一次と第二次を同じ日に受けて第一次が基準に届かないと、第二次は採点されません(建設業振興基金)。

経験記述は形を変えて残っている

以前の第二次検定では、自分が経験した工事の概要を書いて、施工管理の課題や対策を答える「施工経験記述」が出題されていました。建設業振興基金は令和6年7月10日の発表で、令和6年度から1級・2級とも、試験側が条件を設定した電気工事について、受検者の経験と知識にもとづいて課題や対策を答える形に見直すとしています。

管工事の第二次検定のように経験にもとづく設問がなくなったわけではなく、いまも「あなたの電気工事の経験を踏まえ」て書く問題が出ます。令和7年度の第二次検定は、次のような構成でした(建設業振興基金が公表した問題)。

  • 1級(全6問):問題1・2が安全管理(墜落・飛来落下、感電)、問題3が品質管理、問題4が技術用語の記述、問題5が計算、問題6が法規(5・6は五肢択一)
  • 2級(全5問):問題1が安全管理、問題2が施工の留意事項と高圧受電設備の単線結線図、問題3が技術用語の記述、問題4が計算、問題5が法規(4・5は四肢択一)

技術用語の問題では、1級で「接地抵抗の低減方法」、2級で「A種接地工事」「電線の許容電流」などが出ています。現場の知識がそのまま問われる分野です。接地の決まりは接地抵抗の値と測り方、許容電流は電線の許容電流の早見表で説明しています。

試験日程と受検手数料(令和8年度)

区分試験日
1級 第一次7月12日
1級 第二次10月18日
2級 前期6月14日
2級 後期・二次11月8日

2級の前期は第一次検定だけで、第二次検定は後期と同じ日に行われます。令和8年度はどの回も申込の受付が終わっています。令和8年度の申込は、1級が2月、2級の後期が6〜7月でした。令和9年度の日程は、国土交通省と建設業振興基金の発表を待ってください(令和8年度分は令和7年12月18日に公表)。

区分受検手数料
1級 第一次15,800円
1級 第二次15,800円
2級 一次か二次7,900円
2級 同時受検15,800円

非課税です(施行令第42条、建設業振興基金)。合格したあと、合格証明書の交付には別に2,200円かかります。

合格率

年度・区分合格率
R7 1級 第一次41.5%
R7 1級 第二次69.6%
R7 2級 後期一次55.1%
R7 2級 第二次51.8%
R8 1級 第一次36.3%

建設業振興基金の合格発表資料の値です。令和8年度の1級第一次は、資料の受検者数27,387人と合格者数9,947人から展開図ラボで計算しました。令和7年度の1級第二次の合格者は、79.6%が電気の建設業に勤める人でした。

電気工事士の資格ごとの進み方(展開図ラボの考え)

ここからは、上の受検資格をもとにした展開図ラボの考えです。どのルートでも、第二次検定の実務経験は「電気工事の施工管理(補助を含む)」の経験であることが前提です。

まだ電気工事士を持っていない見習いの人

2級の第一次検定(17歳以上)だけを先に受けて技士補になる道もありますが、2級の第二次検定まで一次合格から3年かかります。電気工事士の試験に合格すれば、そこから実務経験1年で2級を一次・二次まとめて受けられるので、先に第二種電気工事士を取るほうが早く進めます。

なお、施工管理技士補になってから実務を積むと主任技術者になれる、という令和5年の見直しは、電気工事業は対象外です(国土交通省の資料)。電気工事業で主任技術者になるには、2級の第二次検定の合格か、電気工事士の資格が必要です。

第二種電気工事士で、施工管理の補助を1年以上している人

2級を第一次・第二次の同時受検で受けられます。後期は第一次と第二次が同じ日なので、1日で両方を受けることになります。第二種のまま主任技術者になるには免状の交付後3年の実務経験が必要ですが、2級に合格すれば、その年数を待たずに主任技術者の要件を満たせます。

第一種電気工事士の免状を持っている人

第一種の免状だけで、主任技術者の要件はすでに満たしています。差がつくのは監理技術者で、ここは1級の施工管理技士などが必要です。令和10年度までは旧受検資格で、第二次検定の実務経験の年数を問われずに1級を受けられます(第一次検定の合格は必要で、同じ年度に一次・二次をまとめて申し込めます)。大きな現場を任されたい人は、この期間に1級を狙うのが近道です。

受検にかかる費用の目安

  • 2級を同時受検:手数料15,800円+技士の合格証明書2,200円=18,000円
  • 1級の一次・二次:手数料31,600円+技士の合格証明書2,200円=33,800円

どちらも一度で合格した場合の、国に払う費用だけの計算です。技士補の合格証明書も交付を受けるなら、さらに2,200円かかります。旧受検資格で申し込む場合は、願書代1,000円が加わります。

勉強の進め方

  1. 建設業振興基金の公式サイトで、最新年度の受検の手引と過去の問題を確かめる。
  2. 第一次検定は、過去問をくり返して、電気工学等・施工管理法・法規の出題の形に慣れる。1級は施工管理法(応用能力)の50%の基準も意識する。
  3. 第二次検定は、安全管理と品質管理の記述を、自分の現場の経験をもとに、条件に合わせて書けるようにしておく。技術用語は、決まった数の項目を書けるように準備する。
  4. 書いた答えは、ほかの人に読んでもらって直す。

記述問題の添削を受けたい人には、施工管理技士の受験対策を行う独学サポート事務局のような通信講座もあります。公式サイトでは、電気工事の1級・2級とも、第一次・第二次のコースの基本受講料が税込12,800円で、記述問題の模範答案の作成代行(1級は税込8,800円、2級は7,800円)もオプションになっています(令和8年度生の表示、2026年9月28日確認)。料金や内容は変わることがあるので、申込み前に公式サイトで確かめてください。

よくある勘違い

「第一種電気工事士があれば監理技術者になれる」

電気工事業は指定建設業なので、監理技術者になれるのは1級の施工管理技士などに限られます。第一種電気工事士で満たせるのは、主任技術者・一般建設業の営業所技術者の要件までです。

「第二次検定の経験記述はなくなった」

電気工事では、自分の工事の概要を書く形がなくなっただけで、条件を設定された工事について、自分の経験を踏まえて書く問題は残っています。

「第一種の合格証書があれば実務経験はいらない」

旧受検資格で実務経験の年数を問われないのは、第一種電気工事士の免状がある場合です。試験の合格証書では認められません。

資格を取ったあとの働き方

2級を取ると主任技術者として現場を任されるようになり、1級を取ると大きな現場の監理技術者になれます。電気工事士として現場で働いてきた人が施工管理の仕事に移りたい場合は、職人・現場作業員を専門にした転職の相談窓口もあります。

職人・現場作業員の転職なら【職人から施工管理エージェント】

職人から施工管理に移るときの年収や求人の数字、職種ごとの進み方は、次の記事でまとめています。

電気工事施工管理技士についてよくある質問

第二種電気工事士でも受けられますか

受けられます。第一次検定は年齢だけで受けられ、2級の第二次検定は、第二種電気工事士の合格か免状の交付のあと、施工管理の実務経験が1年以上あれば、第一次と同時に受けられます。

2級と1級は何が違いますか

2級は主任技術者、1級は監理技術者になれます。電気工事業は指定建設業なので、監理技術者には1級などの国家資格が必要です。

学歴で受検資格は変わりますか

新しい受検資格では学歴は関係ありません。令和10年度までは、学歴ごとに年数を決めた旧受検資格も選べます。

次の試験はいつですか

令和8年度は1級の第二次検定が10月18日、2級の後期・第二次が11月8日で、どちらも申込は終わっています。令和9年度の日程は、国土交通省と建設業振興基金の発表を確かめてください。

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