CVケーブルの種類と選び方CV・CVT・VVF・VVR・CVVの記号の意味と許容電流の違い
CV・CVT・VVF・VVR・CVVは、どれも低圧の配線に使うケーブルですが、絶縁体の材料と形が違い、流せる電流も変わります。この記事では、JIS C 3605・C 3342・C 3401と、矢崎エナジーシステム・フジクラ・ダイヤケーブル・富士電線工業の資料、電気設備の技術基準の解釈をもとに、記号の意味、導体の最高許容温度、許容電流の比較、CVとCVTの違い、VVFとVVRの使い分けをまとめます。
記号の意味
- C:架橋ポリエチレン(JIS C 3605)
- V:ビニル
- F:平形、R:丸形(JIS C 3342)
- T:単心のケーブルを3本より合わせた構造(トリプレックス、JIS C 3605:2022)
CVは「架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース」、VVFは「ビニル絶縁ビニルシース平形」です。ただし、CVVの頭のCは「制御用」の意味で(JIS C 3401)、CVのC(架橋ポリエチレン)とは違います。CVVは、制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブルです。
ケーブルの種類と最高許容温度
| 記号 | 規格 | 最高許容温度 |
|---|---|---|
| CV | JIS C 3605 | 90℃ |
| CVT | JIS C 3605 | 90℃ |
| VVF | JIS C 3342 | 60℃ |
| VVR | JIS C 3342 | 60℃ |
| CVV | JIS C 3401 | 60℃ |
導体の最高許容温度は、各メーカーの仕様書・カタログの値です。架橋ポリエチレンの絶縁体は、ビニルより高い温度まで使えるので、同じ太さでも多くの電流を流せます。
- CV:主要回路の配線など信頼性の高い用途(矢崎)
- VVF:建物の屋内の低圧配線(矢崎)、住宅の屋内配線やエアコンの配線(富士電線)
- VVR:工場の変電所から制御盤、制御盤から各機器への幹線・分岐線(矢崎)
- CVV:発変電所や各種プラントの制御回路(フジクラ・ダイヤケーブル)
CVとVVRの許容電流
| 太さ | CV 3心 | VVR 3心 |
|---|---|---|
| 5.5mm² | 44A | 28A |
| 8mm² | 54A | 36A |
| 14mm² | 76A | 50A |
| 22mm² | 100A | 66A |
| 38mm² | 140A | 93A |
矢崎エナジーシステムの許容電流表の値で、気中・暗きょ布設(日射なし)、周囲温度40℃、1条の条件です。同じ22mm²でも、CVはVVRの約1.5倍の電流を流せます(展開図ラボの計算)。周囲温度が40℃以外のときは、補正係数を掛けます。補正係数はCVとVVRで違い、30℃ならCVが1.10、VVRが1.22です。
同じ太さのVVFとVVRは、許容電流が同じです(矢崎)。VVFの太さごとの許容電流は電線の許容電流の早見表にまとめています。
CVとCVTの違い
CVTは、単心のCVを3本より合わせたケーブルです。フジクラ・ダイヤケーブルのカタログでは、一括シース形のCVに比べて許容電流が大きく、端末処理も簡単としています。
| 太さ | CV 3心 | CVT |
|---|---|---|
| 8mm² | 54A | 62A |
| 22mm² | 100A | 110A |
| 38mm² | 140A | 155A |
| 60mm² | 190A | 210A |
| 100mm² | 260A | 290A |
矢崎エナジーシステムの気中・暗きょ布設(周囲温度40℃、1条)の値です。電線管に入れる場合は差が小さくなり、38mm²・60mm²では同じ値です。CVTは8mm²からで、2〜5.5mm²はありません。
外径と曲げ半径
フジクラ・ダイヤケーブルのカタログでは、38mm²の外径は3心CVが25mm、CVTのより合わせ外径が28mmです。許容曲げ半径はどちらも外径の6倍で、CVTは外接円の直径で数えるとしています。38mm²なら、3心CVが150mm、CVTが168mmです(展開図ラボの計算)。
単相3線式のとき
同じカタログでは、3心・3本よりの許容電流は三相3線式に適用し、単相3線式では2心・2本よりの値を使うとしています。
VVFとVVRの違い
- VVF:平形。住宅や建物の屋内配線に使われる(矢崎・富士電線)
- VVR:丸形。工場の盤まわりの幹線や分岐線などに使われる(矢崎)
どちらもビニル絶縁ビニルシースで、最高許容温度は60℃です。VVFの剥き方と差込形コネクタの接続はVVFケーブルの剥き方と差込形コネクタで説明しています。
ケーブル工事の決まり
電気設備の技術基準の解釈では、ケーブルの品種ごとに使う場所を決めてはいません。ケーブル工事は、低圧屋内配線のすべての施設場所で使えます(第156条)。主な数値の決まりは次のとおりです。
- 造営材の下面や側面に沿って取り付ける場合、支持点間の距離は2m以下などとする(第164条)
- コンクリートに直接埋め込むときは、コンクリート直埋用ケーブルなど決められたケーブルを使う(第164条)
- 地中に直接埋設するときは、車両などの重量物の圧力を受けるおそれがある場所で1.2m以上、その他の場所で0.6m以上の深さにする(第120条)
よくある間違い
CVVをCVの仲間と考える
CVVのCは制御用の意味で、絶縁体はビニルです。最高許容温度は60℃です。
VVRの許容電流でCVを選ぶ(またはその逆)
同じ太さでもCVのほうが多く流せます。使うケーブルの表で確かめます。
単相3線式に三相の値を使う
3心・3本よりの値は三相3線式のものです。単相3線式は2心の値を使います(フジクラ・ダイヤケーブル)。
周囲温度の補正を忘れる
表は周囲温度40℃の値です。温度が違うときは、ケーブルの種類ごとの補正係数を掛けます。
CVケーブルについてよくある質問
CVとVVFの違いは
CVは架橋ポリエチレン絶縁で最高許容温度90℃、VVFはビニル絶縁で60℃です。CVのほうが同じ太さで多くの電流を流せます。
CVとCVTはどちらが多く流せますか
気中では、同じ太さならCVTのほうが大きく、22mm²で3心CVが100A、CVTが110Aです(矢崎、周囲温度40℃)。
CVVのCは何の意味ですか
制御用の意味です(JIS C 3401)。CVのC(架橋ポリエチレン)とは違います。
CVケーブルの許容曲げ半径は
フジクラ・ダイヤケーブルの資料では、多心のケーブルで外径の6倍です。









