SGPとSTPGの違い配管用と圧力配管用の炭素鋼鋼管の用途・厚さ・重さ・強度の比較
SGP(配管用炭素鋼鋼管)とSTPG(圧力配管用炭素鋼鋼管)は、外径は同じでも、使える圧力と管の厚さ、強度の規定が違います。この記事では、JIS G 3452・JIS G 3454と鋼管メーカーのカタログをもとに、用途、厚さと重さ、強度、水圧試験の違いを比べ、どちらを選ぶかの考え方をまとめます。
SGPとSTPGの違い
- SGP:JIS G 3452。使用圧力の比較的低い蒸気、水(上水道用を除く)、油、ガス、空気などの配管に用いる
- STPG:JIS G 3454。350℃程度以下で使用する圧力配管に用いる
どちらも黒管(亜鉛めっきなし)と白管(亜鉛めっきあり)があり、図面では白管を記号の後に「−ZN」を付けて表します(各JISの表1)。日本製鉄のカタログでは、使用圧力の目安を、SGPは1MPa程度まで、STPGは10MPa程度までとしています。これはJISの規定ではなく、メーカーの目安です。
| 項目 | SGP | STPG |
|---|---|---|
| 種類 | 1種類 | 370・410 |
| 厚さ | 1種類 | Sch10〜80 |
| 引張強さ | 290以上 | 370・410以上 |
| 降伏点 | 規定なし | 215・245以上 |
引張強さと降伏点の単位はN/mm²です(JIS G 3452 表3、JIS G 3454 表3)。STPGは、強度でSTPG370・STPG410の2種類があり、厚さをスケジュール番号(Sch)で選びます。
厚さの比較
| 呼び径 | SGP | Sch40 | Sch80 |
|---|---|---|---|
| 15A | 2.8 | 2.8 | 3.7 |
| 20A | 2.8 | 2.9 | 3.9 |
| 25A | 3.2 | 3.4 | 4.5 |
| 32A | 3.5 | 3.6 | 4.9 |
| 40A | 3.5 | 3.7 | 5.1 |
| 50A | 3.8 | 3.9 | 5.5 |
| 65A | 4.2 | 5.2 | 7.0 |
| 80A | 4.2 | 5.5 | 7.6 |
| 100A | 4.5 | 6.0 | 8.6 |
| 125A | 4.5 | 6.6 | 9.5 |
| 150A | 5.0 | 7.1 | 11.0 |
単位はmmです。Sch40・Sch80はSTPGの厚さで、日本製鉄・JFEスチール・丸一鋼管のカタログで同じ値です。外径はSGPもSTPGも同じです(外径の一覧は配管の呼び径と外径の早見表)。
50A以下では、SGPとSch40の厚さの差は0〜0.2mmしかありません。65Aからは差が1mm以上になります(展開図ラボの計算)。
重さの比較
| 呼び径 | SGP | Sch40 | Sch80 |
|---|---|---|---|
| 15A | 1.31 | 1.31 | 1.64 |
| 25A | 2.43 | 2.57 | 3.27 |
| 50A | 5.31 | 5.44 | 7.46 |
| 80A | 8.79 | 11.3 | 15.3 |
| 100A | 12.2 | 16.0 | 22.4 |
| 150A | 19.8 | 27.7 | 41.8 |
単位はkg/mです。JISの式 W = 0.02466 × t ×(D − t)(tは厚さ、Dは外径、mm)で計算した値が、表の値と一致します。100AならSch80はSGPの約1.8倍の重さです(展開図ラボの計算)。管の重さは鋼材の重量計算ツールでも出せます。
水圧試験の圧力
| 管 | 試験圧力 |
|---|---|
| SGP | 2.5MPa |
| STPG Sch40 | 6.0MPa |
| STPG Sch80 | 12MPa |
SGPはJIS G 3452で、全サイズ共通の水圧試験下限圧力を2.5MPaとしています。STPGの値は日本製鉄・丸一鋼管のカタログの値で、Sch10は2.0、Sch20は3.5、Sch30は5.0、Sch60は9.0MPaです。これは工場で管を試験する圧力で、配管として使ってよい圧力ではありません。
管端の違い
JIS G 3452では、SGPの管端を、300A以下はねじ付かプレンエンド(切りっぱなし)としています。JIS G 3454では、STPGは注文者の指定がなければプレンエンドです。STPGにねじを切るか溶接でつなぐかは、設計の指定によります。
どちらを選ぶか(展開図ラボの考え)
- 使用圧力が低い配管:JISの用途とメーカーの目安(1MPa程度まで)の範囲なら、SGPが対象になります。
- 使用圧力が高い配管、温度の高い配管:設計で使用圧力と温度を確かめ、STPGと必要なスケジュール番号を選びます。
- 上水道用:SGPのJISは上水道用を対象から除いています。給水には、水道用の規格の管を使います。
実際にどの管を使うかは、設計図書と、使う流体の圧力・温度で決まります。迷うときは、設計者や特記仕様書の指定を確かめます。
なお、JIS G 3452・G 3454は2026年5月に改正されています。この記事の数値は、2019年版・2017年版の規格と各メーカーのカタログで確かめた値です。
よくある間違い
水圧試験の圧力を使用圧力と考える
SGPの2.5MPaは工場での試験の圧力で、使ってよい圧力ではありません。
Sch40とSGPを同じ厚さと思い込む
50A以下はほぼ同じですが、65A以上ではSch40のほうが1mm以上厚くなります。継手や溶接の開先を合わせるときに注意します。
白管なら上水道に使えると考える
SGPの規格は、白管も含めて上水道用を対象から除いています。
SGPとSTPGについてよくある質問
SGPとSTPGの外径は違いますか
同じです。違うのは厚さで、STPGはスケジュール番号で厚さを選びます。
SGPは何MPaまで使えますか
JISでは「使用圧力の比較的低い」配管用としていて、数値の上限はありません。日本製鉄のカタログでは1MPa程度までを目安にしています。
STPG370とSTPG410の違いは
強度の違いで、引張強さはSTPG370が370N/mm²以上、STPG410が410N/mm²以上です。
SGPの100Aの厚さは
4.5mmです。STPGのSch40は6.0mm、Sch80は8.6mmです。









