鋼材の重量計算鉄板・鋼管・アングルの重さの出し方と早見表
鋼材の重さは、断面積に長さと密度を掛ければ計算できます。材料の手配や運搬、クレーンや足場の荷重の見積もりで「この材料は何キロあるか」をすぐ出せると便利です。この記事では、鉄板・フラットバー・丸鋼・丸パイプ・角パイプ・アングルの重量の計算式と計算例、よく使う寸法の早見表、規格表の値とずれる理由をまとめます。
鋼材の重量計算の基本式
重さ = 断面積 × 長さ × 密度
鋼材の重さは、次の式で出せます。
重さ(kg)= 断面積(mm²)× 長さ(m)× 密度(g/cm³)÷ 1,000
長さ1mあたりの重さ(kg/m)は「断面積 × 密度 ÷ 1,000」です。まず1mあたりの重さを出しておくと、長さや本数が変わっても掛け算だけで済みます。
材質ごとの密度
| 材質 | 密度(g/cm³) |
|---|---|
| 鋼(一般の鉄、SS400など) | 7.85 |
| ステンレス(SUS304) | 7.93 |
| アルミニウム | 約2.7(合金の種類で少し違います) |
密度は「比重」と呼ばれることも多く、鉄の比重7.85という言い方でも同じ数字を使います。ステンレスは種類によって密度が違うので、SUS304以外は材料の資料で確かめます。
鉄板(鋼板)の重量計算
1m²あたりの重さは厚さ × 7.85
鉄板は、1m²あたりの重さ(kg/m²)= 厚さ(mm)× 7.85 で出せます。厚さ6mmなら 6 × 7.85 = 47.1kg/m² です。これに面積(m²)を掛ければ、1枚の重さになります。
厚さ6mm、1,000 × 2,000mmの鉄板なら、47.1 × 1.0 × 2.0 = 94.2kg です。
鉄板の重さの早見表
3×6(サブロク、914 × 1,829mm)と4×8(シハチ、1,219 × 2,438mm)の1枚あたりの重さです。
| 厚さ(mm) | 1m²あたり(kg) | 3×6 1枚(kg) | 4×8 1枚(kg) |
|---|---|---|---|
| 1.6 | 12.56 | 21.0 | 37.3 |
| 2.3 | 18.06 | 30.2 | 53.7 |
| 3.2 | 25.12 | 42.0 | 74.7 |
| 4.5 | 35.33 | 59.1 | 105.0 |
| 6 | 47.10 | 78.7 | 140.0 |
| 9 | 70.65 | 118.1 | 210.0 |
| 12 | 94.20 | 157.5 | 280.0 |
縞鋼板(チェッカープレート)は、縞の突起の分だけ同じ厚さの平らな鉄板より重くなります。縞鋼板の重さはメーカーの規格表で確かめます。
フラットバー・丸鋼・角鋼の重量計算
フラットバー(平鋼)
断面積 = 幅 × 厚さ です。幅50mm・厚さ6mmなら、50 × 6 = 300mm²、1mあたり 300 × 7.85 ÷ 1,000 = 2.36kg/m です。5.5mの定尺1本で約13.0kgです。
丸鋼
断面積 = π × 直径² ÷ 4 です。直径16mmなら、3.1416 × 16² ÷ 4 = 201.1mm²、1mあたり約1.58kg/m です。
角鋼
断面積 = 1辺 × 1辺 です。1辺19mmなら 361mm²、1mあたり約2.83kg/m です。
丸パイプ(鋼管)の重量計算
丸パイプの断面積の式
丸パイプの断面積は、外側の円から内側の円を引いた面積で、次の式にまとめられます。
断面積 = π ×(外径 − 厚さ)× 厚さ
SGP 50A(外径60.5mm・厚さ3.8mm)なら、3.1416 ×(60.5 − 3.8)× 3.8 = 約676.9mm²、1mあたり 676.9 × 7.85 ÷ 1,000 = 約5.31kg/m です。5.5mの定尺1本で約29.2kgになります。
配管用炭素鋼鋼管(SGP)の重さの早見表
計算式で出した1mあたりの重さです。JISの規格表の単位質量とも一致します(100Aは規格表では12.2kg/m)。
| 呼び径 | 外径 × 厚さ(mm) | 1mあたり(kg/m) | 5.5m 1本(kg) |
|---|---|---|---|
| 15A | 21.7 × 2.8 | 1.31 | 7.2 |
| 20A | 27.2 × 2.8 | 1.68 | 9.3 |
| 25A | 34.0 × 3.2 | 2.43 | 13.4 |
| 32A | 42.7 × 3.5 | 3.38 | 18.6 |
| 40A | 48.6 × 3.5 | 3.89 | 21.4 |
| 50A | 60.5 × 3.8 | 5.31 | 29.2 |
| 65A | 76.3 × 4.2 | 7.47 | 41.1 |
| 80A | 89.1 × 4.2 | 8.79 | 48.4 |
| 100A | 114.3 × 4.5 | 12.19 | 67.0 |
白管(亜鉛めっき鋼管)は、めっきの分だけわずかに重くなります。ライニング鋼管は、中の樹脂の重さも加わります。
角パイプ・アングルの重量計算
角パイプ(角形鋼管)
角パイプの断面積は、2 × 厚さ ×(長い辺 + 短い辺 − 2 × 厚さ)です。100 × 50 × 厚さ3.2mmなら、2 × 3.2 ×(100 + 50 − 6.4)= 919.0mm²、1mあたり約7.21kg/m です。
JIS G 3466(一般構造用角形鋼管)の規格表では、100 × 50 × 3.2は7.01kg/mです。角の丸みの分、式より約3%軽くなります。
アングル(等辺山形鋼)
アングルの断面積は、厚さ ×(2 × 辺の長さ − 厚さ)です。L50 × 50 × 6なら、6 ×(100 − 6)= 564mm²、1mあたり約4.43kg/m です。
規格表の値と少し違う理由
角パイプやアングルの規格表(JIS)の単位質量は、角の丸みの形まで含めて計算されています。上の式は角を直角として計算するので、規格表の値と少し違うことがあります。材料の注文や、重さが問題になる計算では、メーカーの規格表の値を使ってください。H形鋼・溝形鋼なども、フランジの丸みがあるので規格表の値を使うのが確実です。
重量計算で間違えやすいポイント
単位のそろえ方
断面積をmm²、長さをmで入れると、「÷ 1,000」でkgになります。長さをmmのまま使うと、1,000倍の数字になるので注意します。
厚さの呼び方と実際の厚さ
鉄板の厚さは呼び方と実際の寸法がほぼ同じですが、材料には許される寸法の誤差があります。実際の重さは、計算の値と少し違うことがあります。
重さを安全の判断に使うとき
吊り荷や足場に載せる重さなど、安全にかかわる判断では、計算の値に余裕を持たせ、規格表や実測の値で確かめます。吊り具の選定や荷重の管理は、現場の決まりと有資格者の判断に従ってください。
鋼材の重量計算についてよくある質問
鉄の比重7.85はどういう意味ですか
1cm³あたり7.85gという意味です。1m³なら7,850kg(7.85トン)になります。
鉄板1m²の重さはどう覚えればいいですか
厚さ(mm)× 7.85kgです。厚さ1mmで7.85kg、10mmで78.5kgと覚えておくと、すぐに計算できます。
ステンレスは鉄よりどれくらい重いですか
SUS304の密度は7.93で、鉄の7.85より約1%重いだけです。同じ寸法なら、ほぼ同じ重さと考えてかまいません。
アルミは鉄の何分の1の重さですか
アルミの密度は約2.7なので、同じ寸法なら鉄の約3分の1です。









