スプール図の部品表・切断表・溶接表書く項目と切断長の計算例
スプール図(配管の製作図)には、図のほかに部品表・切断表・溶接表を付けておくと、材料の手配、管の切断、溶接の数の確認がその図1枚でできます。この記事では、3つの表に書く項目と書き方、規格の書き方の例、50〜100Aの管・ロングエルボ・JIS 10Kフランジの寸法、80Aの見本の図面を使った計算例、表どうしを照らし合わせる確認の方法をまとめます。
スプール図に付ける3つの表
| 表 | 使う人・使い道 |
|---|---|
| 部品表 | 材料の手配・数の確認 |
| 切断表 | 管を切る人・定尺の本数 |
| 溶接表 | 溶接する人・検査の記録 |
図は形と経路を伝え、表は数と寸法を伝えます。図を見ながら数えると数え漏れが出やすいので、表にして合計を出しておきます。

部品表の書き方
部品表は「品名・規格・材質・数量」の4列が基本です。見本の図面(80A、4区間)の部品表は次のとおりです。
| 品名 | 規格 | 材質 | 数量 |
|---|---|---|---|
| 鋼管 | 80A Sch40 | STPG370 | 切断4本 |
| エルボ | 90°ロング 80A Sch40 | 管に合わせる | 3個 |
| フランジ | JIS 10K SOH 80A | SS400 | 2枚 |
規格の書き方
- 鋼管:呼び径とスケジュール(または規格名)と材質。STPGは圧力配管用炭素鋼鋼管(JIS G 3454)で、Schで厚さを指定する
- エルボ:角度、ロングかショートか、呼び径、厚さ。溶接式のエルボはJIS B 2311
- フランジ:呼び圧力(10Kなど)、形(SOHなど)、呼び径。鋼製管フランジはJIS B 2220
同じ80Aでも、SGPとSTPGでは厚さが違い、ロングとショートではエルボの寸法が違います。規格を省くと、手配する人が別の物を頼んでしまいます。SGPとSTPGの違いはSGPとSTPGの違いにまとめています。
切断表の書き方と切断長の計算
切断表は「管の番号・向き・芯々寸法・切断長」を並べ、最後に合計を入れます。切断長は、芯々寸法から継手の分を引いて出します。
- 切断長=芯々−(エルボの中心から端面+溶接のすき間)×エルボ側の端の数−フランジ面から管端の寸法×フランジ側の端の数
見本では、80Aのロングエルボの中心から端面114.3mm、突合せ溶接のすき間2mm、フランジ側6mmで計算しています。
| 管 | 向き | 芯々 | 切断長 |
|---|---|---|---|
| ① | 右 | 900 | 778 |
| ② | 上 | 600 | 367 |
| ③ | 右 | 800 | 567 |
| ④ | 下 | 400 | 278 |
| 合計 | - | - | 1,990 |
単位はmmです。①は900−(114.3+2)−6=777.7で778、④は400−116.3−6=277.7で278です(展開図ラボの計算で、見本の図面の値と一致)。合計の1,990mmは、定尺の管から何本取れるかを考えるときに使います。芯々寸法の取り方は配管の寸法の取り方(芯引き)で説明しています。
50〜100Aの部品の寸法
部品表と切断表を書くときによく使う寸法です。
| 呼び径 | 管の外径 | ロングの中心〜端面 | 10Kの外径 | PCD・穴 |
|---|---|---|---|---|
| 50A | 60.5 | 76.2 | 155 | 120・4-19 |
| 65A | 76.3 | 95.3 | 175 | 140・4-19 |
| 80A | 89.1 | 114.3 | 185 | 150・8-19 |
| 100A | 114.3 | 152.4 | 210 | 175・8-19 |
単位はmmです。管の外径はJIS G 3452・G 3454(SGP・STPGで共通)、ロングエルボはJIS B 2311、10KフランジはJIS B 2220の値を、溶接エルボの寸法表とフランジの規格の表から抜き出しています。「4-19」はボルト穴が4つ、穴の径が19mmという意味です。見本の図面にも、80Aのフランジの外径φ185、ボルト穴8-φ19 PCD150と書いています。
溶接表の書き方
溶接表は「番号・継手の種類・記号・脚長」などを並べ、溶接の箇所を一つずつ番号で示します。見本では、片方のフランジから順にW1〜W8と付けています。
| 番号 | 継手 | 脚長 |
|---|---|---|
| W1 | すみ肉 | 6 |
| W2〜W7 | 突合せ | - |
| W8 | すみ肉 | 6 |
単位はmmで、すべて全周溶接です。フランジ部は管とフランジのすみ肉、エルボと管のつなぎ目はV形開先の突合せです。エルボ3個の両端で突合せが6か所、フランジ2枚ですみ肉が2か所、計8か所になります。溶接記号の読み方は溶接記号の見方、開先の寸法は溶接の開先角度とルート間隔を参照してください。
表どうしを照らし合わせて確かめる
- 切断表の本数=部品表の鋼管の本数
- エルボの数×2+フランジの数=溶接の箇所の数(両端フランジ・エルボだけの配管の場合)
- 管の本数=エルボの数+1(同じ配管の場合)
- 切断長+継手の分を足し戻すと、芯々寸法に戻るか
見本では、管4本・エルボ3個・フランジ2枚・溶接8か所で、上の関係がすべて合っています。数が合わないときは、図の上で数え直します。
表まで付いた図面を外注するとき
展開図ラボの作図代行では、製作図のPDF(正面図・部品表・切断表・溶接表・表題欄をA3の1枚に)、DXF、部品表のCSV、製作前に確かめていただく確認シートをお渡しします。対象は50〜100A、JIS 10K SOHのフランジ、90°ロングエルボ、同じ平面の上下左右で2〜6区間の配管です。1枚8,800円(税込)、お試し期間中は1枚4,400円(税込)で、検図は含みません。チーズ・レジューサー・バルブを含む図面や、奥行き方向・斜めを含む経路は受けていません。
スプール図の部品表についてよくある質問
部品表には何を書けばいいですか
品名・規格・材質・数量の4列が基本です。規格には呼び径とスケジュール、エルボはロングかショートか、フランジは呼び圧力と形まで書きます。
切断表の切断長はどう出しますか
芯々寸法から、エルボ側の端ごとに(中心から端面+溶接のすき間)を、フランジ側の端ごとにフランジ面から管端までの寸法を引きます。
溶接の番号はどう付けますか
会社や現場の決まりがあれば、それに合わせます。見本では片方の端から順にW1、W2…と付けています。









