配管の識別色JIS Z 9102の物質ごとの色・表示のしかたと公共工事の扱い
配管の識別表示は、管の中を流れる物質の種類を色で示し、流れの向きを矢印で示すものです。この記事では、JIS Z 9102(配管系の識別表示)と国土交通省の公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版をもとに、物質ごとの識別色、表示のしかた、危険・消火の表示、公共工事での扱い、医療ガス配管の表示の決まりをまとめます。
物質ごとの識別色
| 物質 | 識別色 | マンセル値 |
|---|---|---|
| 水 | 青 | 2.5PB 5/8 |
| 蒸気 | 暗い赤 | 7.5R 3/6 |
| 空気 | 白 | N9.5 |
| ガス | うすい黄 | 2.5Y 8/6 |
| 酸・アルカリ | 灰紫 | 2.5P 5/5 |
| 油 | 茶色 | 7.5YR 5/6 |
| 電気 | うすい黄赤 | 2.5YR 7/6 |
JIS Z 9102(表1・表2)の値です。マンセル値は参考値です。JIS Z 9102は1987年版が現行で、2023年10月に確認されています。
- 電気は物質ではありませんが、電線管も他の配管と同じように扱います(表1の備考)。
- この7種類にない物質には、この7色以外の色を使います(同)。
- 色名は「うすい黄」「うすい黄赤」「暗い赤」などJISの色名で、「黄色」「オレンジ」「赤」とは違う色です。
表示のしかた
JIS Z 9102では、識別色の表示を次の3つの形のどれかで行うとしています。
- 管に直接巻く帯(環状)
- 長方形の枠
- 札
塗装・ステッカー・札のどれで表示してもよく、バルブ・管継手・壁の貫通部の近くに付けます。必要なら、配管全体を識別色で塗ってもかまいません。
文字と矢印
- 文字は白か黒で、識別色の上に書く。物質名(飲料水、硫酸など)か化学記号で示す
- 流れの向きは、白か黒の矢印で示す。帯を矢羽根の形にして、種類と向きを一度に示してもよい
- 圧力・温度・流速は、数値と単位で書いてよい(0.2MPa、80℃など)
危険・消火の表示
| 表示 | 色 | 縁取り |
|---|---|---|
| 危険表示 | 黄赤 | 黒 |
| 消火表示 | 赤 | 白 |
| 放射能表示 | 赤紫 | 黄 |
JIS Z 9102の安全表示で、識別色の近くに、両側を縁取りした帯で表示します。消火専用の管は、消火表示だけでもよいとしています。
公共工事での扱い
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)では、配管の識別は原則としてJIS Z 9102によるとし、識別のしかたと色合いは監督職員の指示によるとしています。配管とダクトには用途と流れの向きを、弁には開閉を表示します。
同じ仕様書には、給水・給湯・冷温水・蒸気・排水などの配管ごとの識別色の表はありません。実際の色は、設計図書や監督職員の指示で確かめます。
医療ガス配管の表示
同じ仕様書(2.2.2.6)では、医療ガス配管について、表示の間隔と文字の大きさまで決めています。
- 直線の部分は、5.0m以内に1か所以上表示する
- 文字は幅・高さとも6mm以上
- 接合部・分岐部・曲がり部・遮断弁の前後・壁の貫通部の前後にも表示する
医療ガスの色はJIS Z 9102とは別の決まりで、酸素は緑、治療用空気は黄などです。
地中の配管
同じ仕様書では、地中の配管の分岐部や曲がり部に地中埋設標(矢印と「水」「ガス」などの文字)を設け、土かぶり150mm程度に埋設表示テープを入れるとしています(排水管を除く)。
よくある間違い
一般の配管にも表示の間隔の決まりがあると考える
JIS Z 9102には、表示の間隔や文字の大きさの数値はありません。数値で決まっているのは、公共建築工事標準仕様書の医療ガス配管です。
ガス管は黄色と言い切る
JISの識別色は「うすい黄」です。ガス事業者の配管や現場の社内基準は、それぞれの決まりを確かめます。
蒸気管を赤で塗る
蒸気は「暗い赤」で、消火表示の「赤」とは別の色です。
配管の識別色についてよくある質問
水道管の識別色は
JIS Z 9102では、水は青です。
空気の配管の色は
白です。
識別表示の間隔は何mごとですか
JIS Z 9102には数値の決まりはなく、バルブ・継手・貫通部の近くに表示するとしています。医療ガス配管は、公共建築工事標準仕様書で5.0m以内に1か所以上です。
流れの向きの矢印の色は
白か黒です。









