敷居・鴨居の溝の寸法四七・三七と深さ、樋端の割り方
引き違いの襖や障子が入る敷居・鴨居の溝は、溝の幅が7分(21mm)、溝と溝の間(中樋端)が3分か4分、というのが基本の寸法です。この記事では、長期使用住宅部材標準化推進協議会の基準書にある溝幅・溝間隔・深さの値、四七・三七・五七の意味、建具の厚さとすき間の関係、敷居の幅から樋端を割り付ける計算、鴨居の溝を深くする理由と建具の高さの考え方をまとめます。
敷居・鴨居の溝の寸法(標準の値)
長期使用住宅部材標準化推進協議会(長住協)の内部部材全基準書(2020年11月版)では、引き違い襖用と引き違い障子用の鴨居・敷居の溝の寸法を、次のように標準化しています。
| 部位 | 襖用 | 障子用 |
|---|---|---|
| 敷居の溝幅 | 21 | 21 |
| 敷居の溝間隔 | 9・12 | 12 |
| 敷居の溝深さ | 3〜4.5 | 3〜4.5 |
| 鴨居の溝幅 | 21 | 21 |
| 鴨居の溝間隔 | 9・12 | 12 |
| 鴨居の溝深さ | 12〜15 | 12〜16 |
単位はmmです。溝間隔は、溝と溝の間に残す部分(中樋端)の幅です。基準書には「寸法は基準値を示し、公差・許容差を表すものではない」とあります。溝が1本のときは溝間隔はありません。
四七・三七・五七とは
現場では、溝の寸法を「中樋端の幅(分)」と「溝の幅(分)」を並べて呼びます。溝の幅はどれも7分(約21mm)で、中樋端は三七が3分(約9mm)、四七が4分(約12mm)、五七が5分(約15mm)です。読み方は、三七が「さんぶしち」「さんしち」、四七が「しぶしち」「ししち」、五七が「ごぶしち」などと呼ばれます。
| 呼び方 | 中樋端 | 溝の幅 |
|---|---|---|
| 三七 | 9 | 21 |
| 四七 | 12 | 21 |
| 五七 | 15 | 21 |
単位はmmです。建具店の解説(タナカ建具店)では、三七は主に襖、四七は厚さ1寸(約30mm)の障子やフラッシュ戸、五七は厚さ1寸1分(約33mm)の建具に使う、とされています。長住協の基準書の溝間隔9と12は、三七と四七にあたります。使い分けは地域や建具店でも違うので、建具を頼む前に決めておきます。
建具の厚さと中樋端の関係(すき間の計算)
建具を溝の中心に置くと、建具の面は溝から(建具の厚さ−溝幅)÷2ずつはみ出します。2枚の建具の間のすき間は次の式で出ます。
- すき間=中樋端−(建具の厚さ−溝幅)
| 建具の厚さ | 中樋端 | すき間 |
|---|---|---|
| 27 | 9(三七) | 3 |
| 30 | 12(四七) | 3 |
| 33 | 15(五七) | 3 |
単位はmmです(展開図ラボの計算)。どれも約1分(3mm)のすき間になる組み合わせで、厚い建具ほど中樋端を広くします。中樋端が狭すぎると建具どうしが擦れ、広すぎると間が空いて見えます。
樋端の割り方:敷居の幅から溝の位置を出す
溝2本の敷居では、両端に残る部分(外樋端)の幅は次の式で出ます。
- 外樋端=(敷居の幅−溝幅×2−中樋端)÷2
例えば幅105の敷居を四七で突くと、(105−42−12)÷2=25.5で、墨は端から25.5、46.5、58.5、79.5の位置になります。
| 敷居の幅 | 三七 | 四七 | 五七 |
|---|---|---|---|
| 90 | 19.5 | 18.0 | 16.5 |
| 105 | 27.0 | 25.5 | 24.0 |
| 120 | 34.5 | 33.0 | 31.5 |
表の値は外樋端の幅(mm、展開図ラボの計算)です。鴨居も同じ寸法で溝を割り付け、敷居と鴨居の溝の位置を上下でそろえます。そろっていないと、建具が傾いて入ったり、開け閉めが重くなったりします。
鴨居の溝を深くする理由と建具の高さ
敷居の溝は3〜4.5mm、鴨居の溝は12〜15mm(障子は12〜16mm)と、鴨居のほうがずっと深くなっています。建具を入れるとき・外すときは、建具を鴨居の溝に押し上げて、下を敷居の溝から抜くからです。
建具の上端が鴨居の溝に入っている長さを「上ののみ込み」とすると、建具を外せる条件は次のとおりです。
- 鴨居の溝深さ ≧ 上ののみ込み+敷居の溝深さ
- 建具の高さ=内法+敷居の溝深さ+上ののみ込み
例えば、鴨居の溝深さ15・敷居の溝深さ3なら、上ののみ込みは12以下にします。内法1800で上ののみ込みを10にすると、建具の高さは1800+3+10=1813で、持ち上げたときの余裕は2です(展開図ラボの計算)。実際の高さは建具店が決めますが、溝の深さが足りないと建具が外せなくなる理由はこの式で分かります。
内法の測り方
建具を注文するときの高さは、溝の底ではなく、鴨居・敷居の溝のない高い部分どうしで測ります(LIXILの障子の採寸シートでも同じ測り方です)。左右と中央の3か所を測り、一番小さい寸法を使います。
敷居すべりを貼るとき
長住協の基準書では、襖・障子用の敷居すべり材は幅20〜22mm、厚さ1.5mm以下(両面テープ等を含む)とされています。すべり材を貼ると溝が浅くなる分、建具の下の入り込みも浅くなります。古い敷居にすべり材を貼るときは、建具の下が溝から外れやすくならないか確かめます。
溝を突くときの注意
- 溝の墨は、敷居と鴨居で同じ基準の面(部屋側など)から測って付ける
- 先に外樋端と中樋端の寸法を建具店と決めておく(三七か四七か)
- 溝の幅は21mmに合わせ、建具の下の入り込みが溝の中で軽く動く程度にする
- 深さは敷居を浅く、鴨居を深く。逆にすると建具が外せない
墨付けの基本は墨付けとは、さしがねの当て方はさしがねの使い方を参照してください。
敷居・鴨居の溝の寸法についてよくある質問
敷居の溝の幅は何mmですか
7分(21mm)が基本です。長住協の基準書でも、襖用・障子用とも敷居・鴨居の溝幅は21mmです。
敷居の溝の深さは何mmですか
長住協の基準書では3mm以上4.5mm以下です。鴨居の溝は襖用で12〜15mm、障子用で12〜16mmです。
四七(しぶしち)とは何ですか
中樋端が4分(約12mm)、溝の幅が7分(約21mm)の溝の寸法です。厚さ1寸(約30mm)の障子などに使い、建具どうしのすき間は約3mmになります。
三七と四七はどちらを使えばよいですか
入れる建具の厚さで決めます。中樋端−(建具の厚さ−21)がすき間になるので、約3mmになる方を選びます。建具店に先に確認するのが確実です。









