木材の寸法規格柱105角・120角、間柱・垂木の断面寸法と定尺、JASの許容差と乾燥材の表示
柱の105角・120角、根太の45×45、筋かいの30×90など、木造の現場では部材ごとによく使う断面寸法があります。ただ、法令・仕様書・JASのどれで決まった数字かは部材によって違います。この記事では、製材の日本農林規格(JAS 1083:2026)、建築基準法施行令第43条・第45条、住宅金融支援機構の木造住宅工事仕様書(平成22年版)、国土交通省の公共建築木造工事標準仕様書(令和7年版)、林野庁の資料をもとに、部材ごとの断面寸法、JASの標準寸法と許容差、乾燥材の表示(D20・SD15など)、定尺と尺・mmの換算をまとめます。
部材ごとの断面寸法の目安
住宅金融支援機構の木造住宅工事仕様書(平成22年版)では、主な部材の断面を次のようにしています。「以上」は下限、「標準」はふつうに使う寸法という意味です。
| 部材 | 以上とする寸法 | 標準の寸法 |
|---|---|---|
| 土台 | 105×105 | 120×120 |
| 柱 | 105×105 | 120×120 |
| 通し柱 | - | 120×120 |
| 大引 | - | 90×90 |
| 床束 | - | 90×90 |
| 根太 | - | 45×45 |
| 筋かい | 30×90 | - |
| 火打土台 | 45×90 | - |
| 根太掛 | 24×90 | - |
単位はmmです。土台は「柱と同じ寸法以上」も条件です。根太は、大引などの間隔が900mm内外なら45×60以上としています。根太の間隔は根太の間隔と寸法で説明しています。仕様書は改訂されているので、最新版の文言や設計図書の指定も合わせて確かめてください。
間柱・垂木・胴縁は寸法が決まっていない
- 間柱:仕様書(平成22年版)には、柱との取り合い方の決まりだけで、断面寸法の決まりはありません。構造用面材を柱やはり以外の位置で継ぐときは、その継ぎ目の間柱・胴縁を45×100mm以上にするとしています。
- 垂木:仕様書では、荷重や軒の出を考えて「特記による」としています。群馬県林業試験場などの横架材スパン表では、屋根の重さを計算する条件として、垂木を「平割45×60」としています。
- 通気胴縁:公共建築木造工事標準仕様書(令和7年版)では、特記がなければ杉で厚さ18mm以上・幅45mm以上、継ぎ目や出隅・入隅では幅90mm以上としています。仕様書(平成22年版)では厚さ15mm以上・幅45mm以上です。
このような部材は、設計図書やプレカット図の寸法に従います。
柱の太さの決まり(施行令第43条)
建築基準法施行令第43条では、柱の小径(細い方の辺の寸法)を、土台・胴差・桁などの横架材の間の垂直距離に対して、国土交通大臣が定める割合以上にするとしています。また、地階を除く階数が3以上の建物の1階の柱は、小径13.5cmを下回ってはならないとしています(柱と土台・横架材をボルト締めなどで緊結し、構造計算で安全を確かめた場合を除く)。
この割合は、2025年4月の改正で政令の表から告示(平成12年建設省告示第1349号)に移りました。国土交通省の技術的助言では、その階が負担する固定荷重と積載荷重から、必要な柱の小径を計算する式に改めたとしています。改正前の表では、一般の住宅の柱の割合は次のとおりでした。
| 建物(改正前) | 最上階・平屋 | その他の階 |
|---|---|---|
| 土蔵造など | 1/25 | 1/22 |
| 軽い屋根 | 1/33 | 1/30 |
| 上記以外 | 1/30 | 1/28 |
「軽い屋根」は金属板などでふいた屋根です。例えば横架材の間が2,800mmなら、「上記以外」の建物のその他の階(1/28)で100mmになります。現行の基準は荷重によって変わるので、柱の寸法は設計の指定で確かめてください。第43条では、このほか、必要な断面積の3分の1以上を欠き取るときは補強すること、2階建て以上の隅柱は通し柱とすること(同等以上に補強した場合を除く)も定めています。
筋かいの寸法は施行令第45条で、引張りを負担するものは厚さ1.5cm以上・幅9cm以上、圧縮を負担するものは厚さ3cm以上・幅9cm以上の木材としています。詳しくは筋交いの入れ方で説明しています。
JASの標準寸法(製材の日本農林規格)
製材のJASは、2025年1月31日に制定され、2026年2月26日に改正されたJAS 1083:2026が最新です。製材を、造作用製材、目視等級区分構造用製材、機械等級区分構造用製材、下地用製材、広葉樹製材に分け、それぞれの標準寸法を附属書B(参考)の表にしています。JASの表は木口の短辺と長辺の組み合わせを並べたもので、「柱は105角」のように部材ごとに寸法を決めてはいません。
| 寸法 | 載っている表 |
|---|---|
| 105×105 | 構造用(目視・機械) |
| 120×120 | 構造用(目視・機械) |
| 90×90 | 構造用(目視・機械) |
| 45×45 | 目視構造用・造作用 |
| 45×60 | 構造用・下地用 |
| 30×105 | 造作用・機械構造用 |
| 15×45 | 下地用 |
| 18×45 | 下地用 |
単位はmmです。目視等級区分構造用製材の表では、短辺105mmの行に長辺105〜390mm、短辺120mmの行に120〜390mmが並んでいます。一方、間柱の寸法としてよく聞く27×105は、針葉樹の製材の表にはありません(短辺27mmの行があるのは広葉樹製材の表だけです)。
寸法の許容差
JASでは、表示寸法と実測の差を決めています。目視等級区分構造用製材(表13)の値です。
| 区分 | 75mm未満 | 75mm以上 |
|---|---|---|
| SD15 | +1.5/-0.5 | +2.0/-0.5 |
| SD20 | +1.5/-0.1 | +2.0/-0.1 |
| D15〜D25 | +1.5/-0 | +2.0/-0 |
| 人工乾燥なし | +2.0/-0 | +3.0/-0 |
単位はmmで、木口の短辺と長辺に適用します。D15〜D25と人工乾燥をしていないものは、105mm以上になると+5.0/-0です。材長は、プラス側の制限はなく、マイナスは0です。
つまり、表示より小さいものはほとんど認められず、大きい側に幅があります。未仕上げ材の105角なら、JASの範囲は105〜110mmです。
乾燥材の表示(D20・SD15など)
JASでは、人工乾燥したあとに削って寸法を仕上げた製材を「仕上げ材」、寸法を仕上げていない製材を「未仕上げ材」としています。含水率の表示記号は、構造用製材では次のとおりです。
| 表示 | 含水率 | 種類 |
|---|---|---|
| SD15 | 15%以下 | 仕上げ材 |
| SD20 | 20%以下 | 仕上げ材 |
| D15 | 15%以下 | 未仕上げ材 |
| D20 | 20%以下 | 未仕上げ材 |
| D25 | 25%以下 | 未仕上げ材 |
天然乾燥の材は「乾燥処理(天然)」と表示し、含水率は30%以下です。造作用製材ではSD15・SD18・D15・D18、下地用製材ではSD15・SD20・D15・D20と、製材の種類によって使う記号が違います。
JASの表示に入る事項
目視等級区分構造用製材では、樹種名、構造材の種類、等級、寸法、製造業者などを一括して表示します。
- 構造材の種類:甲種Ⅰは「甲Ⅰ」、甲種Ⅱは「甲Ⅱ」、乙種は「乙」。甲種は主に曲げ、乙種は主に圧縮の力を受ける部分に使うものです。
- 等級:1級は★★★、2級は★★、3級は★。
- 寸法:木口の短辺、長辺、材長の順に、mm・cm・mのいずれかで書きます。
定尺(3m・4m・6m)と尺の換算
林野庁の資料では、定尺材を、部材ごとの基準寸法で作られ、流通量が多く調達しやすい材料と説明しています。柱では3mと6m、梁や桁では4mの定尺材が一般的に使われているとしています。また、定尺は製品の寸法ではなく、原木を切る長さ(玉切り寸法)からきているとしています。
農林水産省の木材統計でも、製品の価格は「すぎ正角(厚10.5cm、幅10.5cm、長3.0m)」「米つが正角(厚10.5cm、幅10.5cm、長4.0m)」のような規格で調べています。JASには長さの種類の決まりはないので、3m・4m以外の長さは取引先で確かめます。
尺とmmの換算
1尺は、明治24年の度量衡法で「33分の10メートル」と決められました(一宮市の資料)。1尺=約303.03mm、1寸はその10分の1で約30.3mmです。
| 尺寸 | 換算(mm) | 近い寸法 |
|---|---|---|
| 1寸 | 30.3 | 30 |
| 1寸5分 | 45.5 | 45 |
| 2寸 | 60.6 | 60 |
| 3寸 | 90.9 | 90 |
| 3寸5分 | 106.1 | 105 |
| 4寸 | 121.2 | 120 |
| 5寸 | 151.5 | 150 |
| 10尺 | 3,030.3 | 3m材 |
| 13尺 | 3,939.4 | 4m材 |
| 20尺 | 6,060.6 | 6m材 |
1尺=10/33mで計算した値です。3m材は10尺より約30mm、6m材は20尺より約61mm短くなります。
よくある失敗
表示寸法ぴったりで納まりを決める
JASの許容差はプラス側に幅があり、未仕上げ材の105角は最大110mmまであり得ます。ほぞ穴や金物の幅は、実物を測って合わせます。
乾燥の区分が違う材を混ぜる
同じ表示寸法でも、JASの許容差は乾燥の区分で違います(仕上げ材はマイナス側も少し認められ、未仕上げ材はプラス側だけ)。区分の違う材を1つの壁や床で混ぜると、面がそろわない原因になります。
尺の長さをm材で読み替える
10尺(3,030mm)の長さを3m材から取ることはできません。尺の寸法はmmに直してから材を選びます。
木材の寸法規格についてよくある質問
柱は105角と120角のどちらを使いますか
住宅金融支援機構の仕様書(平成22年版)では、柱は105mm角以上とし、120mm角を標準としています。通し柱は120mm角が標準です。実際の寸法は、柱の小径の計算や設計図書で決まります。
間柱の寸法は決まっていますか
仕様書(平成22年版)には決まりがなく、設計図書に従います。JASの標準寸法では、30×105mmが造作用と機械等級区分構造用の表にあります。
D20とSD20の違いは何ですか
どちらも含水率20%以下の人工乾燥材です。SDは乾燥後に削って寸法を仕上げた仕上げ材、Dは寸法を仕上げていない未仕上げ材です。
2×4材や合板の寸法もJASで決まっていますか
2×4材は枠組壁工法構造用製材のJAS、合板は合板のJASに寸法の表があります。2×4材のサイズ一覧と合板・コンパネのサイズ一覧で説明しています。









