勾配の計算方法屋根の寸勾配・角度・パーセントの換算と早見表
勾配は、屋根では「4寸勾配」、スロープや道路では「8%」、排水では「1/50」、図面では「21.8°」と、仕事によって表し方が違います。どれも「水平に進んだ長さに対して、どれだけ上がるか」を表したもので、式ひとつで換算できます。この記事では、勾配の求め方と換算の式、寸勾配・パーセント・角度の早見表を計算例つきでまとめます。
勾配の基本は「高さ ÷ 水平距離」
勾配は、水平に進んだ長さに対する高さの割合です。水平に1,000mm進んで400mm上がれば、勾配は 400 ÷ 1,000 = 0.4 です。この0.4を、屋根では「4寸」、パーセントでは「40%」、角度では「21.8°」と言い換えているだけです。
| 表し方 | 意味 | よく使う場面 |
|---|---|---|
| 寸勾配(4寸など) | 水平10に対する高さ | 屋根、垂木、隅木 |
| パーセント(40%など) | 水平100に対する高さ | スロープ、道路、土木 |
| 分数(1/50など) | 高さ1に対する水平の長さ | 排水管、床やベランダの水勾配 |
| 角度(21.8°など) | 水平面からの傾きの角度 | 図面、CAD、角度計 |
換算の式
| 換算 | 計算式 |
|---|---|
| 高さと水平距離 → 勾配 | 勾配 = 高さ ÷ 水平距離 |
| 寸勾配 → パーセント | % = 寸 × 10 |
| 寸勾配 → 角度 | 角度 = tan⁻¹(寸 ÷ 10) |
| パーセント → 角度 | 角度 = tan⁻¹(% ÷ 100) |
| 角度 → 寸勾配 | 寸 = 10 × tan(角度) |
| 分数 1/n → パーセント | % = 100 ÷ n |
| 勾配 → 伸び率(斜めの長さの倍率) | 伸び率 = √(1 + 勾配²) |
tan⁻¹(アークタンジェント)は、スマホの電卓の関数電卓モードで計算できます。「2nd」や「INV」を押すと、tanのボタンがtan⁻¹に切り替わる機種が多いです。角度の単位が度(deg)になっているかも確かめてください。
寸勾配の早見表
| 寸勾配 | パーセント | 角度 | 伸び率 |
|---|---|---|---|
| 1寸 | 10% | 5.71° | 1.005 |
| 1.5寸 | 15% | 8.53° | 1.011 |
| 2寸 | 20% | 11.31° | 1.020 |
| 2.5寸 | 25% | 14.04° | 1.031 |
| 3寸 | 30% | 16.70° | 1.044 |
| 3.5寸 | 35% | 19.29° | 1.059 |
| 4寸 | 40% | 21.80° | 1.077 |
| 4.5寸 | 45% | 24.23° | 1.097 |
| 5寸 | 50% | 26.57° | 1.118 |
| 6寸 | 60% | 30.96° | 1.166 |
| 7寸 | 70% | 34.99° | 1.221 |
| 8寸 | 80% | 38.66° | 1.281 |
| 10寸(矩勾配) | 100% | 45.00° | 1.414 |
伸び率は、水平の長さに掛けると斜めの長さになる倍率です。屋根の面積や垂木の長さを出すときに使います。
屋根の勾配の計算方法
屋根の勾配は、棟までの高さを水平距離で割り、10を掛けると寸勾配になります。
| 求めるもの | 計算式 |
|---|---|
| 寸勾配 | 立ち上がりの高さ ÷ 水平距離 × 10 |
| 立ち上がりの高さ | 水平距離 × 寸 ÷ 10 |
| 角度 | tan⁻¹(寸 ÷ 10) |
たとえば、桁芯から棟芯までの水平距離が2,730mmで、その間に1,365mm上がる屋根は、1,365 ÷ 2,730 × 10 = 5寸勾配です。逆に4.5寸勾配で水平距離が1,820mmなら、立ち上がりは 1,820 × 0.45 = 819mmです。
屋根の勾配と角度(4寸勾配は何度か)
よく使う屋根の勾配を角度に直すと、2寸は11.3°、3寸は16.7°、4寸は21.8°、5寸は26.6°、6寸は31.0°、10寸(矩勾配)は45°です。角度から寸勾配に戻すときは、10 × tan(角度)で出します。
屋根の勾配を現場で測る
- 水平器の端を屋根面に当て、気泡を見ながら水平器を水平にします。
- 当てた端から水平に100mmの位置で、水平器の下面から屋根面までの高さを測ります。
- 測った高さ(mm)を10で割ると寸勾配です。40mmなら4寸勾配です。
屋根材の凹凸で測りにくいときは、長い定規や板を屋根面に当て、その上で測ると安定します。水平器の使い方は水平器の使い方で説明しています。
分数で表す勾配の早見表
排水管や床の水勾配は、「1/50」のように分数で表すことが多いです。1/50は「水平に50進んで1下がる」という意味です。図面では、屋根の勾配を「4/10」のように書くことも多いです。これは水平10に対して4上がる4寸勾配のことで、1/50のように分子が1の書き方とは読み方が違います。
| 勾配 | パーセント | 角度 | 1mあたりの高低差 |
|---|---|---|---|
| 1/50 | 2% | 1.15° | 20mm |
| 1/100 | 1% | 0.57° | 10mm |
| 1/150 | 約0.67% | 0.38° | 約6.7mm |
| 1/200 | 0.5% | 0.29° | 5mm |
計算例
勾配から高さを出す:4寸勾配で水平2,730mm
高さ = 水平距離 × 勾配 なので、2,730 × 0.4 = 1,092mm 上がります。
高さから勾配を出す:水平3,640mmで1,200mm上がる
1,200 ÷ 3,640 = 0.330 なので、約3.3寸勾配、パーセントでは33.0%、角度は tan⁻¹(0.330)= 18.2° です。
角度から寸勾配を出す:30°の屋根
10 × tan30° = 5.77 なので、約5.8寸勾配(57.7%)です。
勾配を使う計算
- 屋根の面積は、真上から見た面積に伸び率を掛けて出します。くわしくは屋根の面積の出し方で説明しています。
- 垂木の長さは、水平距離に伸び率を掛けて出します。勾配ごとの係数と鳥口の寸法は垂木の長さの計算方法を見てください。
- 排水管や床の水勾配は、距離に分数の勾配を掛けて下がりを出します。水勾配・排水管の勾配の計算でまとめています。
寸・パーセント・角度・分数をすぐに換算したいときは、勾配の換算ツールに1つ入れるだけで、残りの表し方と伸び率、水平距離ごとの高さの表が出ます。
勾配から垂木や隅木の長さと墨付けの寸法を出すときは垂木の長さと墨付け・隅木の長さと墨付け、勾配屋根を管が貫通するところの穴と水切りは屋根を貫通する管の穴と水切りのツールで計算できます。
よくある失敗
斜めの長さで勾配を計算する
勾配は、高さを水平距離で割ったものです。垂木に沿った斜めの長さで割ると、勾配が小さく出ます。
パーセントと角度を混同する
勾配40%は角度40°ではありません。40%は21.8°で、角度45°が100%(10寸)です。
分数の読み方を取り違える
屋根の「4/10」は水平10に対して4上がる4寸勾配、排水の「1/50」は水平50に対して1下がる勾配です。分子と分母の意味を確かめます。
勾配の計算についてよくある質問
4寸勾配は何度ですか
約21.8°です。パーセントでは40%で、水平1mで400mm上がります。
屋根の勾配はどうやって計算しますか
立ち上がりの高さ ÷ 水平距離 × 10 で寸勾配が出ます。水平2,730mmで1,365mm上がれば5寸勾配です。
3寸勾配は何パーセントですか
30%です。寸勾配に10を掛けるとパーセントになります。角度では約16.7°です。









