屋根の面積の出し方真上から見た面積×伸び率の計算と勾配ごとの早見表
屋根の面積は、真上から見た面積(水平投影面積)に、勾配ごとの「伸び率」を掛けて出します。切妻でも寄棟でも片流れでも、すべての面が同じ勾配なら計算は同じです。この記事では、屋根の面積の出し方と伸び率の早見表、軒の出を含めた計算例をまとめます。
屋根の面積 = 真上から見た面積 × 伸び率
屋根は傾いているので、真上から見た面積より実際の面積のほうが広くなります。どれだけ広くなるかは勾配だけで決まり、その倍率を伸び率(勾配係数)といいます。
| 求めるもの | 計算式 |
|---|---|
| 真上から見た面積 | 軒の出・けらばの出を含めた、屋根の外周の縦 × 横 |
| 伸び率(k寸勾配) | √(10² + k²)÷ 10 |
| 屋根の面積 | 真上から見た面積 × 伸び率 |
| 坪に直す | ㎡ ÷ 3.306 |
伸び率の早見表
| 勾配 | 伸び率 | 勾配 | 伸び率 |
|---|---|---|---|
| 1寸 | 1.005 | 4.5寸 | 1.097 |
| 2寸 | 1.020 | 5寸 | 1.118 |
| 2.5寸 | 1.031 | 6寸 | 1.166 |
| 3寸 | 1.044 | 7寸 | 1.221 |
| 3.5寸 | 1.059 | 8寸 | 1.281 |
| 4寸 | 1.077 | 10寸 | 1.414 |
勾配が緩い屋根ほど伸び率は1に近く、3寸勾配なら真上から見た面積の約4%増し、5寸勾配なら約12%増しです。
計算例:外壁8m×10m・軒の出600mm・5寸勾配
この例では、4方向とも軒の出(切妻ならけらばの出)を600mmとして計算します。
| 求めるもの | 計算 | 値 |
|---|---|---|
| 屋根の外周の縦 | 8 + 0.6 × 2 | 9.2m |
| 屋根の外周の横 | 10 + 0.6 × 2 | 11.2m |
| 真上から見た面積 | 9.2 × 11.2 | 103.04㎡ |
| 屋根の面積 | 103.04 × 1.118 | 115.2㎡ |
| 坪に直す | 115.2 ÷ 3.306 | 約34.8坪 |
軒の出とけらばの出を入れ忘れると、この例では外壁の内側だけの 80㎡ × 1.118 = 89.4㎡ になり、約26㎡も少なく見積もってしまいます。屋根の外周は、軒先とけらばの先端で測ります。
屋根の形ごとの考え方
| 屋根の形 | 計算のしかた |
|---|---|
| 切妻 | 真上から見た面積 × 伸び率 |
| 寄棟・方形 | すべての面が同じ勾配なら、切妻と同じく真上から見た面積 × 伸び率 |
| 片流れ | 真上から見た面積 × 伸び率 |
| 下屋・勾配が違う面がある屋根 | 勾配ごとに面を分けて計算し、足し合わせる |
寄棟は面が三角形と台形に分かれていて複雑に見えますが、4つの面の勾配が同じなら、真上から見た面積に伸び率を掛けるだけで正しい面積が出ます。隅棟の長さを出すときだけは、隅勾配の計算が別に必要です。
寄棟の隅棟1本の長さは、軒先から棟の端までの水平の出(短い辺の半分)× √(2 +(k ÷ 10)²)で出ます。上の例を寄棟にすると、4.6 × √(2 + 0.25)= 6.9m が4本、大棟は 11.2 − 9.2 = 2.0m で、棟の合計は29.6mです。
計算例2:勾配の違う下屋がある屋根
上の例(5寸勾配、真上から見た面積103.04㎡)に、2寸勾配の下屋(真上から見て2.0m × 11.2m)が付く場合は、勾配ごとに分けて計算します。
| 部分 | 真上から見た面積 | 伸び率 | 屋根の面積 |
|---|---|---|---|
| 大屋根(5寸) | 103.04㎡ | 1.118 | 115.2㎡ |
| 下屋(2寸) | 22.40㎡ | 1.020 | 22.8㎡ |
| 合計 | 125.44㎡ | ― | 138.0㎡ |
真上から見た面積の合計にまとめて5寸の伸び率を掛けると140.2㎡になり、2.2㎡多く見積もります。勾配が違う面は、必ず分けて計算します。
見積もりで気をつけること
- 屋根材の枚数や塗料の量は、この面積に、重なりや切り損じの分を材料ごとに足して出します。足す割合はメーカーの資料で確かめてください。
- 棟、けらば、谷などの役物は面積ではなく長さで数えます。
- 天窓や煙突などの開口は、面積から差し引くか、そのまま含めるかを見積もりの条件としてそろえておきます。
よくある失敗
軒の出・けらばの出を入れ忘れる
外壁の寸法だけで計算すると、軒先やけらばの部分が抜けます。上の例では約26㎡の差になります。
勾配の違う面をまとめて計算する
下屋や増築部分など勾配の違う面があるときは、面ごとに伸び率を掛けてから足します。
坪の換算を間違える
1坪は約3.306㎡です。㎡を坪に直すときは3.306で割り、坪を㎡に直すときは3.306を掛けます。
屋根の面積についてよくある質問
屋根の面積の計算方法は
軒の出・けらばの出を含めた、真上から見た面積に、勾配ごとの伸び率を掛けます。5寸勾配なら1.118倍です。
寄棟でも同じ計算でいいですか
すべての面が同じ勾配なら、切妻と同じく、真上から見た面積 × 伸び率で出ます。
伸び率はどう出しますか
勾配がk寸なら √(10² + k²)÷ 10 です。垂木の長さを出す係数と同じ値です。
関連する計算
寸勾配をパーセントや角度に直す換算は勾配の計算方法、垂木の長さと鳥口の寸法は垂木の長さの計算方法で説明しています。垂木や隅木の長さは垂木の長さと墨付け・隅木の長さと墨付け、屋根を管が貫通する部分の穴と水切りは屋根を貫通する管の穴と水切りのツールで計算できます。









