管工事施工管理技士とは配管工が取るための受検資格・試験内容・合格率(令和8年度)
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管工事施工管理技士は、配管・空調・衛生設備の工事で、現場の施工管理を任される人のための国家資格です。配管工が職長から施工管理へ進むときの、いちばん近い資格でもあります。この記事では、建設業法、国土交通省の資料、試験を実施する全国建設研修センター(JCTC)の受検の手引・合格発表資料をもとに、資格でできること、令和6年度から変わった受検資格、試験の内容と合格率、配管技能士との違いをまとめます。日程や料金は2026年9月時点の情報です。
管工事施工管理技士とは
管工事施工管理技士は、建設業法第27条にもとづく「技術検定」の資格で、1級と2級があります。試験は第一次検定と第二次検定に分かれていて、第一次検定に合格すると「管工事施工管理技士補」、第二次検定に合格すると「管工事施工管理技士」を名乗れます(建設業法施行令第40条)。
国土交通大臣の指定試験機関として、一般財団法人 全国建設研修センター(JCTC)が試験を行っています。管工事として認められる工事には、給排水・給湯配管、冷温水配管、冷媒配管、ガス配管、消火設備、ダクト工事などがあります(JCTC 受検の手引)。
資格でできること
| 資格 | なれる技術者 |
|---|---|
| 2級技士 | 主任技術者 |
| 1級技士補 | 監理技術者補佐 |
| 1級技士 | 監理技術者 |
- 主任技術者:工事を請け負った建設業者が、現場に置かなければならない技術者です(建設業法第26条)。2級の第二次検定に合格すると、管工事の主任技術者や、会社の営業所に置く営業所技術者(旧・専任技術者)の要件を満たします(同法施行規則第7条の3)。
- 監理技術者:元請として下請に出す金額の合計が5,000万円以上になる工事などで必要になる技術者です(同法第26条、施行令第2条)。管工事業は「指定建設業」なので、監理技術者は1級の資格者などに限られ、実務経験だけではなれません。
- 監理技術者補佐:1級の第一次検定に合格した「1級技士補」で、主任技術者の要件を持つ人がなれます。補佐を専任で置くと、監理技術者は2つの現場まで兼ねられます(国土交通省の資料)。
受検資格(令和6年度からの新制度)
令和6年度から、施工管理技術検定の受検資格が変わりました。第一次検定は年齢だけで受けられるようになり、第二次検定は「第一次検定に合格したあとの実務経験」で受ける形になっています。
| 区分 | 受検資格 |
|---|---|
| 2級 第一次 | 17歳以上 |
| 1級 第一次 | 19歳以上 |
| 2級 第二次 | 一次合格後3年 |
年齢は受検する年度の末日時点で、第一次検定には学歴も実務経験もいりません。2級の第二次検定は、2級の第一次検定に合格したあと実務経験3年以上、または1級の第一次検定に合格したあと実務経験1年以上で受けられます。
1級の第二次検定は、1級の第一次検定に合格したあと実務経験5年以上、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上、監理技術者補佐としての実務経験1年以上のいずれかなどが条件です。特定実務経験は、請負金額4,500万円以上の工事で、監理技術者や主任技術者の指導のもとで行った施工管理の経験などをいいます。
なお、令和10年度までは、学歴ごとに実務経験の年数を決めた旧受検資格も選べます。
職人の経験は実務経験になるか
JCTCの受検の手引では、実務経験を「施工計画の作成及び当該工事の工程管理、品質管理、安全管理等、工事の施工の管理に直接的に関わる技術上の職務経験」とし、補助者としての経験も含むとしています。一方で、次のようなものは実務経験に入りません。
- アルバイトによる作業員としての経験
- 工程管理・品質管理・安全管理などを含まない、単純な労務作業だけの業務
- 工場での配管のプレハブ加工、生産設備(ライン)の中の配管など、管工事にあたらない工事
職長として段取りや工程・安全の管理にかかわっているか、会社の証明を受けられるかが大事になります。
試験の内容と合格基準
| 区分 | 形式 | 合格基準 |
|---|---|---|
| 第一次 | マークシート | 60%以上 |
| 第二次 | 記述式 | 60%以上 |
第一次検定の科目は、機械工学等・施工管理法・法規です。1級の第一次検定は、全体で60%以上に加えて、施工管理法(応用能力)の問題で50%以上が必要です。試験では電卓は使えません(JCTC 受検の手引)。
経験記述は令和6年度からなくなった
以前の第二次検定では、自分が担当した現場の経験を書く「施工経験記述」が出題されていました。JCTCは令和6年2月26日のお知らせで、管工事の1級・2級の第二次検定について、経験にもとづく解答を求める設問をやめ、工程管理・安全管理の設問を必須にし、空調・衛生の施工に関する選択問題に見直すと発表しています。
実際に、令和7年度の第二次検定(1級・2級)は、次のような構成でした(JCTCが公表した問題冊子)。
- 問題1(必須):施工の正誤、配管図やシステム図の不適切な箇所と改善策など
- 問題2(必須):工程表(1級はネットワーク工程表、2級はバーチャート工程表)
- 問題3(必須):労働安全衛生法(墜落防止、クレーンなど)
- 問題4・5(1問を選ぶ):空気調和設備か給排水衛生設備の施工の留意事項
古い参考書やサイトには「経験記述の書き方」が多く残っているので、使う教材が令和6年度以降の出題に対応しているかを確かめてください。JCTCは、試験の翌日から1年間、問題と正答を公式サイトで公表しています。
試験日程と受検手数料(令和8年度)
| 区分 | 試験日 |
|---|---|
| 1級 第一次 | 9月6日 |
| 1級 第二次 | 12月6日 |
| 2級 前期 | 6月7日 |
| 2級 後期・二次 | 11月15日 |
令和8年度はどの回も申込の受付が終わっています。令和9年度の日程は、JCTCの発表を待ってください。受検手数料は、1級が第一次・第二次それぞれ12,700円、2級は第一次と第二次を同時に受けると12,700円、どちらか一方だけなら6,350円です(インターネット申込は別に事務手数料250円)。
合格率
| 年度・区分 | 合格率 |
|---|---|
| R7 1級 第一次 | 38.7% |
| R7 1級 第二次 | 63.3% |
| R7 2級 第二次 | 50.0% |
| R8 2級 第一次前期 | 62.5% |
JCTCの合格発表資料の値です。令和8年度前期の2級第一次の合格者は、75.3%が建設業に勤める人で、年齢は25〜29歳がいちばん多い23.0%でした。
配管技能士との違い
配管技能士は、職業能力開発促進法にもとづく技能検定で、作業の技能のレベルを評価する資格です。管工事施工管理技士(建設業法)とは、法律も試験の中身も別の制度です。
- 1級配管技能士(建築配管作業)に合格すると、管工事の主任技術者・営業所技術者の要件を満たします。2級配管技能士は、合格後に管工事の実務経験3年以上が必要です(建設業法施行規則第7条の3)。
- 監理技術者には、配管技能士だけではなれません。大きな現場の元請で監理技術者になるには、1級管工事施工管理技士などが必要です。
配管技能士の試験の内容は配管技能士の試験内容と受検資格で説明しています。
勉強の進め方
- JCTCの公式サイトで、最新年度の受検の手引と過去の問題(公表から1年分)を確かめる。
- 第一次検定は、過去問をくり返して、機械工学等・施工管理法・法規の出題の形に慣れる。1級は施工管理法(応用能力)の50%の基準も意識する。
- 第二次検定は、工程表の計算、安全のきまり、空調・衛生の施工の留意事項を、手で書いて答えられるようにする。
- 書いた答えは、ほかの人に読んでもらって直す。
記述問題の添削を受けたい人には、施工管理技士の受験対策を行う独学サポート事務局
のような通信講座もあります。公式サイトでは、管工事の1級・2級とも、第一次・第二次のセットが税込12,800円(講師の添削5回つき)で、第二次の記述問題は「令和6年度見直し対応」の施工記述の形式で、模範答案の作成代行(1級は税込8,800円、2級は7,800円)もオプションになっています。料金や内容は変わることがあるので、申込み前に公式サイトで確かめてください。
よくある勘違い
「第二次検定は経験記述が出る」
管工事は令和6年度から、自分の経験を書く設問はなくなりました。今は、工程表・安全・空調や衛生の施工についての記述問題です。
「現場で働いた年数がそのまま実務経験になる」
アルバイトの作業員としての経験や、単純な労務作業だけの業務は認められません。施工の管理にかかわった経験かどうかで判断されます。
「配管技能士があれば監理技術者になれる」
配管技能士で満たせるのは主任技術者・営業所技術者の要件までです。監理技術者には1級管工事施工管理技士などが必要です。
資格を取ったあとの働き方
2級を取ると主任技術者として現場を任されるようになり、1級を取ると大きな現場の監理技術者になれます。職人から施工管理の仕事に移りたい人向けには、職人・現場作業員を専門にした転職の相談窓口もあります。
職人から施工管理に移るときの年収や求人の数字、職種ごとの進み方は、次の記事でまとめています。
管工事施工管理技士についてよくある質問
配管工でも受けられますか
2級の第一次検定は、年度末に17歳以上なら誰でも受けられます。第二次検定は、第一次に合格したあと施工管理の実務経験(補助者としての経験を含む)が3年以上必要です。
2級と1級は何が違いますか
2級は主任技術者、1級は監理技術者になれます。1級の第一次検定に合格すると1級技士補として、監理技術者補佐になれます。
学歴で受検資格は変わりますか
新しい受検資格では学歴は関係ありません。令和10年度までは、学歴ごとに年数を決めた旧受検資格も選べます。
次の試験はいつですか
令和8年度は1級の第二次検定が12月6日、2級の後期・第二次が11月15日で、どちらも申込は終わっています。令和9年度の日程はJCTCの発表を確かめてください。









