円形型枠の計算面積の出し方と合板の枚数、型板の半径と縦桟の間隔
マンホールや円形の水槽、丸い柱や壁の型枠は、外側と内側で半径が違うので、面積も材料も別々に計算します。この記事では、円形型枠の面積を外型枠と内型枠に分けて出す式と早見表、積算基準での円形型枠の扱い(半径5m以下)、合板の枚数の数え方、円弧の横端太(型板)の半径の出し方、縦桟の間隔と円からのずれ(矢高)の関係をまとめます。
円形型枠の面積の計算式
円形の壁の型枠は、コンクリートに接する面の円周に高さを掛けて出します。外側の型枠は外径、内側の型枠は内径を使います。
| 型枠 | 面積の式 |
|---|---|
| 外型枠 | π × 外径 × 高さ |
| 内型枠 | π × 内径 × 高さ |
| 丸い柱(外側だけ) | π × 直径 × 高さ |
計算例:内径2,000mm・壁厚200mm・高さ1,500mmの円形の壁。外径は 2,000 + 200 × 2 = 2,400mm です。
- 外型枠:3.1416 × 2.4 × 1.5 = 11.31㎡
- 内型枠:3.1416 × 2.0 × 1.5 = 9.42㎡
- 合計:20.73㎡
外型枠と内型枠をまとめて「(外径 + 内径)× π × 高さ」としても同じです。どちらか片方の径だけで2倍にすると、外側を少なく、内側を多く数えてしまいます。
円形型枠の面積の早見表
高さ1mあたりの面積です。
| 内径 | 壁厚 | 外型枠 | 内型枠 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000 | 150 | 4.08 | 3.14 | 7.23 |
| 1,500 | 150 | 5.65 | 4.71 | 10.37 |
| 2,000 | 200 | 7.54 | 6.28 | 13.82 |
| 3,000 | 250 | 11.00 | 9.42 | 20.42 |
| 5,000 | 300 | 17.59 | 15.71 | 33.30 |
内径と壁厚の単位はmm、面積は㎡です。高さが1.5mなら1.5倍、2.4mなら2.4倍します。
積算基準での円形型枠の扱い
国土交通省の土木工事標準積算基準書(共通編 第4章 コンクリート工)では、型枠工は型枠の面積を区分ごとに出すとしています。区分は「型枠の種類」と「構造物の種類」で、円形の型枠は構造物の種類のひとつ「鉄筋・無筋構造物(合板円形型枠使用)」として分けられています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型枠の種類 | 一般型枠・化粧型枠・撤去しない埋設型枠 |
| 合板円形型枠使用の区分 | 半径5m以下の円形部分に適用する |
| 省力化構造の型枠工 | 半径5m以下の円形部分には適用しない |
半径5m以下は、直径にすると10m以下です。マンホールや水槽の多くはこの範囲に入ります。発注者ごとの積算基準で扱いが違うこともあるので、数量を出すときは使う基準書の区分を確かめてください。
合板の枚数の数え方
合板を縦に使うなら、1周に要る枚数は「コンクリートに接する円周 ÷ 合板の幅」です。
| 型枠 | 円周 | 幅900 | 幅600 |
|---|---|---|---|
| 外型枠(外径2,400) | 7,539.8 | 8.38枚 | 12.57枚 |
| 内型枠(内径2,000) | 6,283.2 | 6.98枚 | 10.47枚 |
幅900・幅600は、合板を縦に使うときの枚数です。端数の分は、最後の1枚を幅で切って合わせます。外型枠はコンクリートの面が合板の内側なので、合板の内側の面で円周を測ります。高さが合板の長さ(1,800mmなど)を超えるときは、段数を掛けます。合板の寸法は合板・コンパネのサイズ一覧を見てください。
円弧の横端太(型板)の半径の出し方
合板を円に沿わせるには、合板の外から円弧の形の部材(合板を円弧に切った型板や、曲げた鋼管など)で押さえます。この円弧の半径は、コンクリートの面の半径に、合板と縦桟の厚さを足し引きして出します。
- 外型枠の型板(内側の面):外半径 + 合板の厚さ + 縦桟の厚さ
- 内型枠の型板(外側の面):内半径 − 合板の厚さ − 縦桟の厚さ
計算例:外半径1,200mm・内半径1,000mm、合板12mm、縦桟の厚さを30mmとすると、外型枠の型板の内側は 1,200 + 12 + 30 = 1,242mm、内型枠の型板の外側は 1,000 − 12 − 30 = 958mm です。縦桟を入れずに合板へ直接当てるなら、縦桟の厚さは0にします。
合板から型板を切り出すときは、型板の弦の長さと矢高が分かれば墨が出せます。半径1,242mmで弦900mmの円弧なら、矢高は 1,242 − √(1,242² − 450²)≒ 84.4mm です。円弧の墨は円弧の半径を弦と矢高から計算する方法や、下の円弧のツールで原寸の型紙にできます。
縦桟の間隔と円からのずれ(矢高)
縦桟と縦桟の間で合板がまっすぐなままだと、型枠は円ではなく多角形になります。そのときの円からのずれは、縦桟の間隔を弦とした矢高です。
| 半径 | 間隔150 | 間隔200 | 間隔300 | 間隔450 |
|---|---|---|---|---|
| 500 | 5.6 | 10.0 | 22.3 | 49.8 |
| 1,000 | 2.8 | 5.0 | 11.2 | 25.2 |
| 2,000 | 1.4 | 2.5 | 5.6 | 12.6 |
| 5,000 | 0.6 | 1.0 | 2.2 | 5.1 |
単位はmmで、間隔は円周に沿って測った長さです。半径1,000mmで縦桟を300mm間隔にすると、縦桟の間の真ん中で合板が円から最大11.2mm内側に入ることになります。合板がこの分だけ曲がってくれれば円に沿い、曲がりにくいときは縦桟の間隔を詰めます。半径が小さいほど、同じ間隔でもずれが大きくなります。
合板がどこまで曲がるかは、厚さ・木目の向き・樹種で変わり、決まった値はありません。半径の小さい丸柱などでは、岡部のベンドパネル(長さ1,800mmの成形型枠で、B型は曲面半径50mmから)のような円形用の製品もあります。ベンドパネルの施工手順では、締結バンドを全周に均等な力がかかるように少しずつ締め、1か所だけ急に締めると型枠の真円度が崩れるとしています。
円弧の一部(R壁・垂れ壁)の長さ
円の一部だけのR壁は、円周に中心角の割合を掛けて長さを出します。
円弧の長さ = 直径 × π × 中心角 ÷ 360
計算例:半径3,000mm、中心角60°なら 6,000 × 3.1416 × 60 ÷ 360 = 3,141.6mm です。外型枠と内型枠では半径が違うので、それぞれの半径で計算します。中心角が分からず、弦と矢高だけ分かるときは円弧の半径を弦と矢高から計算する方法で半径を出してから計算します。
円形型枠でよくある間違い
- 外型枠を内径で計算して、面積が足りなくなる
- 型板の半径に合板と縦桟の厚さを入れ忘れて、壁厚が変わる
- 縦桟の間隔が広すぎて、型枠が多角形になる
- 締付けを1か所だけ先に締めて、円がゆがむ
円形型枠の計算についてよくある質問
円形型枠の面積はどう計算しますか
外型枠は π × 外径 × 高さ、内型枠は π × 内径 × 高さで、別々に計算して足します。内径2,000・外径2,400・高さ1.5mなら、11.31 + 9.42 = 20.73㎡です。
積算基準の円形型枠の適用範囲は
国土交通省の土木工事標準積算基準書では、「鉄筋・無筋構造物(合板円形型枠使用)」の区分は半径5m以下の円形部分に適用するとされています。
円形の型枠の合板は何枚いりますか
コンクリートに接する円周を合板の幅で割ります。外径2,400mmの外型枠を幅900mmの合板で縦に張ると、7,539.8 ÷ 900 ≒ 8.38枚で、9枚目を幅で切って使います。
型板の半径はいくつにしますか
外型枠なら外半径に合板と縦桟の厚さを足した値、内型枠なら内半径から引いた値です。外半径1,200・合板12・縦桟30なら1,242mmです。









