内端太・外端太とは型枠の縦バタ・横バタの材料と間隔
内端太(うちばた)と外端太(そとばた)は、壁の型枠でせき板(合板)を押さえる部材です。内端太はせき板に沿って縦に、外端太はそれと直角に横に入れ、フォームタイと座金で締め付けます。この記事では、内端太・外端太の意味と読み方、使う材料と寸法、入れる間隔の考え方、フォームタイ・セパレーターの許容荷重と側圧の関係、締めすぎの注意、鉄筋の「外端・内端」との違いをまとめます。
内端太・外端太とは
端太は「ばた」と読み、型枠のせき板を押さえる補強材のことです。日本コンクリート工学会の「コンクリート工学」誌の型枠工事の講座(2017年)では、壁の型枠について次のように説明されています。
| 部材 | 向き(壁) | 役目 |
|---|---|---|
| 内端太(うちばた) | 縦(縦バタ) | せき板に直接当てて、せき板の変形を防ぐ |
| 外端太(そとばた) | 横(横バタ) | 内端太と直角に入れて、内端太を支える |
同じ講座では、床の型枠の根太が壁の内端太に、大引きが壁の外端太にあたる、とも説明されています。内端太・外端太は、壁の型枠の支保工(せき板を支える部分)にあたる部材です。
壁の型枠の組み方の順番
荒巻らの論文(コンクリート工学年次論文集 Vol.39、2017年)では、在来工法の壁の型枠を「せき板(合板)、内端太(桟木・単管)、外端太(単管2丁使い)、締付け金物(本体・座金・セパレーター・コーン)」で構成するとしています。組む順番は次のとおりです。
- 内端太(桟木)を付けたせき板のパネルを立てる
- セパレーターの両端にPコンを付け、パネルを挟んでフォームタイを締める
- 単管(外端太)を内端太に当て、フォームタイのナットを締めて単管とパネルを固定する
- 反対側も同じように固定してから、コンクリートを打つ
手順はマックスのニュースリリース(2018年、岡部と共同開発したインパクトドライバ)の説明によるものです。セパレーターの長さの決め方はセパの長さの出し方、型枠全体の手順は型枠の組み方で説明しています。
内端太・外端太に使う材料と寸法
| 材料 | 寸法の例 | 使う所 |
|---|---|---|
| 桟木 | 24×48mm(関東)、30×60mm(近畿) | 内端太 |
| 単管(丸パイプ) | 外径48.6mm(JIS G 3444) | 内端太・外端太 |
| 角パイプ | 60×60mmが多い(JIS G 3466) | 内端太・外端太 |
| 端太角(木) | 90×90mm、100×100mm | 外端太など |
| 鋼製のバタ角 | 50×50mm・60×60mm、厚さ1.6・2.3mm | 外端太など |
桟木と鋼管の寸法は「コンクリート工学」誌の講座によるもので、関東では丸パイプ、近畿では角パイプが多く使われるとしています。桟木の高さは、内端太に鋼管を使うときに鋼管の外径とそろえるために地域で違う、という説明です。端太角の寸法は型枠業者の解説(ホネスト)、鋼製のバタ角は大和鋼管の解説によります。座金は、外端太が丸パイプか角パイプかで使い分けます。
内端太・外端太の間隔の考え方
外端太はセパレーターの段ごとに入れる
フォームタイは外端太を座金で押さえて、セパレーターでせき板どうしを引き合う金物です。そのため、外端太はセパレーターの段の高さに入れます。外端太の縦の間隔は、セパレーターの縦の間隔と同じになります。
論文で使われている間隔の例
荒巻らの論文では、型枠工事業者へのアンケートで現場に多い構成として、次の条件で壁の型枠の変形を調べています。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| せき板 | 合板 600×1,800×12mm(縦使い) |
| セパレーターの間隔 | 横600×縦600mm、または横600×縦450mm |
| 内端太 | 1枚に2本、間隔200mm(桟木のみ、または単管のみ) |
この論文では、内端太が桟木だけだと、セパレーター600×600mmの構成で側圧が約31kN/㎡(コンクリートの高さ約1.4m分の液圧)のとき、内端太のたわみが許容値2mmを超えるおそれがあるとして、側圧が大きいときは内端太に単管を使うのが望ましいとしています。間隔は、壁の高さ・打ち込み方・型枠の構成で変わるので、施工図や型枠の計算に従います。
セパレーターの許容荷重と側圧
日本製鉄の建設用資材ハンドブックに載っている岡部のフォームタイの値では、許容引張荷重はフォームタイ本体(W5/16・W3/8)が28,000N、丸セパのW5/16が14,000N、W3/8が21,000Nです。本体よりセパレーターの方が小さいので、1本が受け持てる力はセパレーターで決まります。
側圧は、液圧として考えると「コンクリートの単位容積質量 × 重力加速度 × 打ち込む高さ」です。単位容積質量を2,350kg/m³とすると、高さ1mあたり約23kN/㎡になります。
| セパの間隔 | 1本あたりの面積 | 計算上の側圧(W5/16) |
|---|---|---|
| 600×600mm | 0.36㎡ | 14 ÷ 0.36 ≒ 38.9kN/㎡ |
| 600×450mm | 0.27㎡ | 14 ÷ 0.27 ≒ 51.9kN/㎡ |
表は許容引張荷重を受け持つ面積で割っただけの計算です。岡部のカタログにも、側圧ごとに必要なフォームタイの本数(丸セパW5/16で側圧30kN/㎡のとき2.14本/㎡など)が載っています。実際の側圧は、スランプ・打ち込みの速さ・気温でも変わり、液圧より小さく見る計算式もあります。強度の確認は型枠の計算で行い、この表だけで決めないでください。
「コンクリート工学」誌の講座と荒巻らの論文では、型枠の変形の目安として、せき板・内端太・外端太・締付け金物の変形を合わせた総変形量を5mm以下とする考え方が紹介されています(部材ごとの値は資料で2mm・3mmと分かれています)。
締めすぎの注意
フォームタイは、締めればよいというものではありません。マックスと岡部のニュースリリース(2018年)では、締付け金物を締めすぎると、コンクリートの厚さ不足や表面の変形などの施工不良につながったり、柱や壁の品質に大きく影響したりすると説明しています。このため、フォームタイが座金に着いて打撃が始まると止まる機能を持つインパクトドライバも出ていますが、メーカーも締めたあとに適正に締まっているか確かめるよう注意しています。
- 締め付けは、全体を少しずつ均等に締める
- 締めたあとに、せき板が内側に入り込んでいないか、壁の厚さが保たれているかを確かめる
- 外端太が内端太に当たっていないところがないかを見る
鉄筋の「外端・内端」とは別の言葉
梁の配筋図に出てくる「外端(がいたん)」「内端(ないたん)」は、型枠の端太とは別の言葉です。外端は梁の端のうち外側の柱に取り付く側、内端は連続した梁の中間の支点側の端を指します。読み方も違うので、図面を読むときは取り違えないようにします。
内端太・外端太についてよくある質問
内端太と外端太の違いは何ですか
内端太はせき板に直接当てて変形を防ぐ部材、外端太は内端太と直角に入れて内端太を支える部材です。壁では内端太が縦(縦バタ)、外端太が横(横バタ)になります。
端太の読み方は何ですか
「ばた」と読みます。内端太は「うちばた」、外端太は「そとばた」です。端太角は「ばたかく」と読みます。
外端太は何本で締めますか
在来工法の壁の型枠では、単管を2本並べて(2丁使い)フォームタイの両側に当て、座金で締めるのが一般的です。
内端太の間隔はどのくらいですか
荒巻らの論文の例では、幅600mmの合板1枚に内端太を2本、間隔200mmで入れています。側圧が大きいときは桟木では足りないことがあり、単管を使うのが望ましいとされています。現場の施工図や型枠の計算に従ってください。









