偏心レジューサの芯出し芯のずれの計算と寸法表、上面・底面そろえ
突合せ溶接式の偏心レジューサは、片側の面がまっすぐで、反対側だけが絞られています。芯出しで大事なのは、芯が何mmずれるかと、まっすぐな面を上と下のどちらに向けるかの2つです。この記事では、芯のずれ(偏心量)を外径から出す式と呼び径ごとの寸法表、上面そろえ・底面そろえの使い分け、まっすぐな面に墨を出して取り付ける手順、配管の高さの計算までをまとめます。
偏心レジューサの芯のずれの計算式
芯のずれは偏心量ともいいます。偏心レジューサは、まっすぐな面(平らな面)の側で大径側と小径側の管の外面がそろいます。そのため、大径側の管の芯と小径側の管の芯は、外径の差の半分だけずれます。
| 寸法 | 出し方 |
|---|---|
| 芯のずれ(偏心量)e | (大径側の外径 − 小径側の外径)÷ 2 |
| 長さ H | 端面から端面まで。寸法表の値を使う |
計算には呼び径(A)ではなく、管の外径を使います。たとえば150A×100Aは、外径165.2と114.3なので(165.2 − 114.3)÷ 2 = 25.45mmです。呼び径で(150 − 100)÷ 2 = 25 とすると、0.45mmずれます。
偏心レジューサの寸法表
古林工業の溶接式管継手の寸法表(レジューサ FSGP)から、よく使う組み合わせの外径と長さHを抜き出し、芯のずれを計算した表です。この表では、同心レジューサと偏心レジューサのHは同じ値です。
| 呼び径 | 外径 | 長さH | ずれ |
|---|---|---|---|
| 50A×40A | 60.5・48.6 | 76.2 | 5.95 |
| 65A×50A | 76.3・60.5 | 88.9 | 7.9 |
| 80A×50A | 89.1・60.5 | 88.9 | 14.3 |
| 80A×65A | 89.1・76.3 | 88.9 | 6.4 |
| 100A×65A | 114.3・76.3 | 101.6 | 19.0 |
| 100A×80A | 114.3・89.1 | 101.6 | 12.6 |
| 125A×100A | 139.8・114.3 | 127.0 | 12.75 |
| 150A×100A | 165.2・114.3 | 139.7 | 25.45 |
| 150A×125A | 165.2・139.8 | 139.7 | 12.7 |
| 200A×150A | 216.3・165.2 | 152.4 | 25.55 |
単位はmmで、外径は大径側・小径側の順、ずれは芯のずれです。同じ寸法表では、Sch40やSch80でも外径とHは同じで、変わるのは肉厚です。ただし、径の差が大きい組み合わせ(100A×40A、150A×65Aなど)は、偏心レジューサを作っていないと注記されています。メーカーや規格で違うこともあるので、使う継手のカタログで確かめてください。
上面そろえと底面そろえの使い分け
まっすぐな面を上にして取り付けると上面(天端)がそろい、下にすると底面がそろいます。図面ではTOP(管頂)、BOP(管底)と書かれることもあります。どちらにするかは、管の中を流れるものと、たまってほしくないもので決まります。
| 向き | 考え方 |
|---|---|
| 上面そろえ | 管の上面がそろい、上に段ができないので、空気がたまる場所ができない |
| 底面そろえ | 管の底面がそろい、下に段ができないので、水やドレンがたまる場所ができない |
一般的には、ポンプの吸込み側のように空気だまりを作りたくない所は上面そろえ、蒸気やガスの配管でドレンを流したい所は底面そろえにする、と説明されます。ラックの上で管の底をそろえて並べるために底面そろえにすることもあります。実際の向きは、設計図・施工図の指示や機器メーカーの施工要領に従ってください。
偏心レジューサの芯出しのやり方
1. まっすぐな面に墨を出す
偏心レジューサを平らな床や定盤に、まっすぐな面を下にして置くと、大径側と小径側の外面が同じ線で床に当たります。この線が、上面そろえ・底面そろえの基準になる線です。床に当たっている位置を、両方の端面と外面に墨で出しておきます。
2. 管の側にも同じ線を出す
つなぐ管にも、管の上面(または底面)の線を出します。床に置いた管の、床に当たる線と真上の線の出し方はパイプのけがき方で説明しています。偏心レジューサの墨と管の墨を合わせて仮付けすると、まっすぐな面が管の上面(底面)とそろいます。
3. 仮付けしたら確かめる
水平の配管なら、まっすぐな面に水平器を当てて、大径側の管からレジューサ、小径側の管まで一直線になっているかを見ます。管の端どうしの外面に直定規を当てる方法もあります。墨がねじれていると、まっすぐな面が真上(真下)から回ってしまい、片側だけに段ができます。
知恵袋には、100A×80Aの偏心レジューサでBOPをそろえるときにまっすぐ墨を出す方法を尋ね、先輩には「目見(目で見て合わせる)」と言われた、という質問があります。慣れた人は目で合わせますが、まっすぐな面の墨を先に出しておくと、誰が付けても向きがそろいます。
偏心レジューサの前後で配管の高さ(芯の高さ)を出す計算
水平の配管では、まっすぐな面の高さが前後で同じになるので、芯の高さは小径側で芯のずれの分だけ変わります。
| 向き | 小径側の芯の高さ |
|---|---|
| 上面そろえ | 大径側の芯の高さ − 芯のずれ |
| 底面そろえ | 大径側の芯の高さ + 芯のずれ |
計算例:150A×100Aを底面そろえで付け、150Aの管底が床から1,000mmのとき。150Aの芯の高さは 1,000 + 165.2 ÷ 2 = 1,082.6mmです。100A側の芯の高さは 1,082.6 + 25.45 = 1,108.05mm、管底は 1,108.05 − 114.3 ÷ 2 = 1,000.9mmで、管底がそろうことを確かめられます(外径を丸めているので0.9mmのずれは計算上の誤差です)。
上面そろえで同じ150Aの芯の高さが1,082.6mmなら、100A側の芯の高さは 1,082.6 − 25.45 = 1,057.15mmです。小径側にエルボやバルブが続くときは、この芯の高さを基準に芯引きをします(配管の寸法の取り方(芯引き))。
芯出しでよくある失敗
- 上面そろえと底面そろえを逆に付ける。仮付けの前に、図面の指示(TOP・BOP、偏心の向き)を確かめる
- 呼び径で芯のずれを計算する。外径の差の半分で計算する
- まっすぐな面の墨がねじれて、片側に段ができる。墨は床に置いて出し、仮付け後に水平器や直定規で確かめる
- 長さHを同心レジューサと違う値で取る。使うカタログの値を確かめる
板金で偏心レジューサ(偏心円錐台)を作るときの型紙の出し方は、偏心レジューサーの展開図で説明しています。
偏心レジューサの芯出しについてよくある質問
偏心レジューサの芯のずれは何mmですか
(大径側の外径 − 小径側の外径)÷ 2 です。100A×80Aなら(114.3 − 89.1)÷ 2 = 12.6mm、150A×100Aなら25.45mmです。
吸込み側の偏心レジューサの向きは
一般的には、空気だまりができないように上面を平らにする(上面そろえ)と説明されます。機器メーカーの施工要領や図面の指示があれば、それに従ってください。
偏心レジューサの長さは同心レジューサと同じですか
古林工業の寸法表では、同じ呼び径の組み合わせなら同心と偏心のHは同じ値です。150A×100Aなら139.7mmです。
BOPとTOPとは何ですか
BOPは管の底(Bottom of Pipe)、TOPは管の上面(Top of Pipe)の高さのことです。偏心レジューサでは、底面そろえならBOPが、上面そろえならTOPが前後でそろいます。









