レジューサーの展開図の書き方同心レジューサーの計算式と板厚のとり方
配管の径を変えるレジューサーを現場で作るときは、展開図(型紙)が必要です。同心レジューサーは円錐台そのものなので、扇形に展開できます。この記事では計算式と、板厚のとり方、板へのけがき方を説明します。
同心レジューサーは円錐台
同心レジューサーは、大きい管と小さい管の中心がそろった形です。上下の面が平行な円錐台なので、展開すると扇形のドーナツになります。中心がずれた偏心レジューサーは扇形にならず、別の描き方になります(偏心レジューサーの記事を参照)。
計算式
| 求めるもの | 計算式 |
|---|---|
| 母線の長さ s | s = √(H² +((D − d)÷ 2)²) |
| 外側の半径 R | R = s × D ÷(D − d) |
| 内側の半径 r | r = R − s |
| 展開角 θ | θ = 180° × D ÷ R |
| 外側の弦長 C | C = 2 × R × sin(θ ÷ 2) |
計算例:100A × 50A、長さ150mm
外径114.3mmから60.5mmへ、長さ150mmで絞る場合です。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 母線の長さ s | 152.4 mm |
| 外側の半径 R | 323.8 mm |
| 内側の半径 r | 171.4 mm |
| 展開角 θ | 63.5° |
| 外側の弦長 C | 341.0 mm |
| 外側の矢高 | 48.5 mm |
長さHが短いほど絞りがきつくなり、展開角は大きくなります。Hを長くとると筒に近づき、展開角は小さくなります。
既製品のレジューサー(JIS B 2311)では、100A×50Aの端面から端面までの長さは101.6mmです。既製品と入れ替えるならこの長さに合わせます。この場合、R = 223.3mm、r = 118.2mm、展開角は92.1°です。
早見表:100A × 50Aで長さを変えたとき
同じ径の組み合わせでも、長さHで展開図の大きさと絞りの角度が変わります。
| 長さH | 母線s | 外側の半径R | 内側の半径r | 展開角θ | 外側の弦長C | 片側の傾き |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 100 | 103.6 | 220.0 | 116.5 | 93.5° | 320.5 | 15.1° |
| 150 | 152.4 | 323.8 | 171.4 | 63.5° | 341.0 | 10.2° |
| 200 | 201.8 | 428.7 | 226.9 | 48.0° | 348.7 | 7.7° |
| 250 | 251.4 | 534.2 | 282.8 | 38.5° | 352.4 | 6.1° |
単位はmmです。片側の傾きは、管の軸に対する壁の角度で、tan⁻¹((D − d)÷ 2 ÷ H)で出ます。長さを短くすると傾きが大きくなり、流れの抵抗も大きくなります。
計算例2:丸ダクト 300 → 200、長さ300
薄い鉄板で作る丸ダクトの絞りも同じ式です。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 母線の長さ s | 304.1 mm |
| 外側の半径 R | 912.4 mm |
| 内側の半径 r | 608.3 mm |
| 展開角 θ | 59.2° |
| 外側の弦長 C | 901.1 mm |
| 外側の矢高 | 119.0 mm |
| 外側の弧の長さ(確認用) | 942.5 mm(= 300 × π) |
Rが900mmを超えるので、板の上でコンパスを回すのは大変です。この場合は、弦長と矢高で外側と内側の円弧を描くか、原寸で印刷した型紙を使います。
板厚がある管は「板厚中心」で計算する
板を曲げたとき長さが変わらないのは板厚の真ん中です。外径で図面が書かれている場合は、外径から板厚を引いた値で展開します。
壁が斜めになっている分、水平に測った板厚は少し厚くなるので、正確には「板厚 × 母線 ÷ 長さ」を引きます。先ほどの例で、板厚4.5mm(100A SGPの厚さ)の板で作るなら、母線152.4 ÷ 長さ150 = 1.016なので、4.5 × 1.016 = 4.57mmを引いて、大径109.7mm・小径55.9mmで計算し、R = 310.8mm、r = 158.4mmになります。展開角は63.5°のままです。絞りがゆるい(長さに対して径の差が小さい)ときは、板厚をそのまま引いてもほとんど変わりません。
薄い板金やダクトでも考え方は同じで、外寸で指示されていれば板厚を引きます。
板へのけがき方
- 板に中心の点を打ち、半径Rとrの円弧を描きます。
- 外側の円弧に弦長Cをとり、両端を決めます。
- 両端と中心を結んだ線が合わせ目です。
- 2つの円弧と2本の合わせ目で囲まれた形を切り出します。
Rが大きくて中心が板に収まらないときは、弦長と矢高で外側の円弧を描くか、原寸で印刷した型紙を使ってください。溶接の開先やのりしろは、展開図とは別に足します。
よくある失敗
大径と小径を外径と内径で混ぜる
大径は外径、小径は内径というように、測る面が混ざると形がずれます。どちらも外径(または内径)でそろえてから、板厚中心に直します。
長さに斜めの長さを入れる
長さHは、大径の端面から小径の端面までの軸方向の距離です。側面の斜めの長さを入れると、展開図が大きくなります。
のりしろと開先を足し忘れる
展開図は仕上がりの形そのものです。合わせ目の溶接の開先や、はぜ・のりしろの代は、展開図の両端に別に足します。
ダクトのレジューサーも同じ
丸ダクトの絞り(レジューサー・レデューサー)も、計算は同じです。角から丸へ変わる角丸は三角形展開法になるので、角丸のツールで作図できます。
四角いダクトの絞りや、上下とも四角いホッパーは、台形の面4枚でできる角錐台として展開します(角錐台ホッパーの展開図)。
レジューサーの展開図についてよくある質問
同心レジューサーの展開図の半径はどう出しますか
母線 s = √(H² +((D − d)÷ 2)²)を出してから、外側の半径 R = s × D ÷(D − d)、内側の半径 r = R − s で求めます。円錐台の展開図と同じ計算です。
レジューサーの長さはどう決めればいいですか
既製品と入れ替えるなら、既製品の端面から端面までの長さに合わせます。自由に決められるときは、長さを長くするほど絞りがゆるくなり、流れの抵抗が小さくなります。
偏心レジューサーも同じ計算ですか
違います。偏心レジューサーは母線の長さが場所ごとに違うので、扇形ではなく三角形展開法で描きます。









