偏心レジューサーの展開図天端そろえ・底そろえと片寄せの計算
偏心レジューサーは、径を変えながら片側の面をそろえる継手です。水平の配管で、天端や底をそろえたいときに使います。この記事では、どちらをそろえるかの考え方と、展開図の出し方を説明します。
天端そろえと底そろえ
偏心レジューサーは、平らにそろえる面をどちらにするかで使い分けます。
| 向き | そろえる面 | ねらい |
|---|---|---|
| 天端そろえ | 上面が水平 | 管の上側に空気がたまるのを防ぐ。ポンプの吸込み側などで使われる |
| 底そろえ | 下面が水平 | 液が残るのを防ぎ、ドレンを抜きやすくする |
どちらにするかは配管の内容物と設計の考え方で決まります。図面の指示に従ってください。展開図の計算は、どちらでも同じです。
偏心量の決め方
片側の面をぴったりそろえる形(片寄せ)にするときは、偏心量を次のようにとります。
| 求めるもの | 計算式 |
|---|---|
| 偏心量 e | e =(D − d)÷ 2 |
| そろえた側の母線 | 長さHと同じ(垂直な辺になる) |
| 反対側の母線 | √(H² +(D − d)²) |
100A(外径114.3mm)から50A(外径60.5mm)へ、長さ150mmで絞る場合、偏心量は26.9mm、そろえた側の辺は150mm、反対側は159.4mmになります。
展開図は扇形にならない
同心レジューサーは母線の長さがどこも同じなので、コンパスで扇形が描けます。偏心レジューサーは場所ごとに母線の長さが違うため、三角形展開法で作図します。上下の円周を同じ数に等分し、母線と対角線の実長を出して、三角形を順につないでいく方法です。
実長の表(100A × 50A、長さ150mm、12分割)
| 点 | 母線の実長(mm) | 対角線の実長(mm) |
|---|---|---|
| 0 | 150.0 | 152.9 |
| 1 | 150.6 | 155.8 |
| 2 | 152.4 | 158.8 |
| 3 | 154.7 | 161.1 |
| 4 | 157.1 | 162.0 |
| 5 | 158.7 | 161.5 |
| 6 | 159.4 | 159.5 |
| 7 | 158.7 | 156.6 |
| 8 | 157.1 | 153.6 |
| 9 | 154.7 | 151.2 |
| 10 | 152.4 | 150.2 |
| 11 | 150.6 | 150.8 |
| 12 | 150.0 | ― |
下辺の分割長は29.9mm、上辺の分割長は15.8mmです(円周を12等分した長さ)。下辺の合計が29.9 × 12 = 359.1mm(114.3 × π)になるかで、けがきを確かめられます。作図の手順は偏心円錐台の展開図の書き方でくわしく説明しています。
実長の表2(150A × 100A、長さ150mm、12分割)
外径165.2mmから114.3mmへ、片寄せで絞る場合です。偏心量は(165.2 − 114.3)÷ 2 = 25.5mm、そろえた側の辺は150.0mm、反対側の辺は158.4mmになります。
| 点 | 母線の実長(mm) | 対角線の実長(mm) |
|---|---|---|
| 0 | 150.0 | 156.0 |
| 1 | 150.6 | 159.6 |
| 2 | 152.1 | 162.8 |
| 3 | 154.3 | 164.8 |
| 4 | 156.3 | 165.1 |
| 5 | 157.9 | 163.5 |
| 6 | 158.4 | 160.6 |
| 7 | 157.9 | 157.0 |
| 8 | 156.3 | 153.6 |
| 9 | 154.3 | 151.5 |
| 10 | 152.1 | 151.2 |
| 11 | 150.6 | 152.9 |
| 12 | 150.0 | ― |
下辺の分割長は43.2mm(165.2 × π ÷ 12)、上辺の分割長は29.9mm(114.3 × π ÷ 12)です。100A × 50Aと比べると径の差が小さいので、母線の長さの差も小さくなります。
よくある失敗
天端そろえと底そろえを取り違えて据え付ける
展開図の形はどちらも同じなので、作ったあとで向きを間違えやすい継手です。そろえた側(0番の辺)に印を付けておき、据え付けるときに図面の向きと合わせます。
分割長を弦の長さでとる
点どうしを結ぶ直線の長さで分割長をとると、1周の長さが円周より短くなり、合わせ目が合いません。分割長は円周 ÷ 分割数でとります。
対角線の向きがそろっていない
対角線は、上のi番の点から下のi+1番の点へ、最後まで同じ向きでとります。途中で向きを変えると、三角形の形が変わって展開図がゆがみます。
現場での注意点
板厚がある管から作る場合は、外径から「板厚 × 母線 ÷ 長さ」を引いた板厚中心の径で計算します。偏心では壁の傾きが場所で違うので、ツールは傾きの平均で補正します。板厚4.5mmなら4.61mmを引き、大径109.7mm・小径55.9mmになります。偏心量は(D − d)÷ 2 のままで、片寄せの形は変わりません。三角形をつなぐたびに誤差が積み重なるので、手で描くときは分割を16〜24にして、最後に合わせ目の長さを確かめてください。分割を細かくしたいときは、ツールで作図して原寸印刷するのが確実です。
中心がずれていない同心のレジューサーは、扇形の展開で作れます(レジューサーの展開図の書き方)。
偏心レジューサーについてよくある質問
偏心量はどう決めますか
片側の面をぴったりそろえるなら、偏心量は(大径 − 小径)÷ 2 です。100A × 50Aなら26.9mm、150A × 100Aなら25.5mmです。
天端そろえと底そろえで展開図は変わりますか
変わりません。同じ形の継手を、どちらの面を上にして据え付けるかの違いです。
同心レジューサーとの違いは
同心レジューサーは中心がそろっているので扇形で展開できますが、偏心レジューサーは母線の長さが場所ごとに違うので、三角形展開法で描きます。









