ひょっとことは配管の異径エルボとダクトの取出し、板金での作り方
現場で「ひょっとこ」と言われたら、配管では径違いのエルボ(異径エルボ)、ダクトでは主管から枝を出す取出しの部材を指すことが多い言葉です。この記事では、配管とダクトそれぞれの「ひょっとこ」の意味と名前の由来、サイズの呼び方、板金で径違いの曲がりを作るときの考え方と計算例、よくある取り違えをまとめます。呼び方は地域や会社で違うので、注文や図面では正式な名前と寸法で確かめてください。
配管の「ひょっとこ」は異径エルボ
東京管工機材商業協同組合の業界用語集「辞書にない業界用語集」では、ひょっとこは「ねじ込み継手の異径エルボのこと」と説明されています。異径エルボは、片方の口が太く、もう片方の口が細い90°の曲がりの継手です。用語集では、特に径の差が大きいものを呼ぶ場合もあるとされています。
- 正式な名前:異径エルボ(径違いエルボ)
- 例:25×20、25×15、25×10(用語集の例)
- 名前の由来:径違いのエルボの形が、口のとがった「ひょっとこ面」に似ていることから(用語集の説明)
建築設備の技術者の掲示板(建築設備フォーラム)でも、衛生(給排水)では異径エルボのことを指して言うようだ、という書き込みがあります。
サイズの呼び方
異径エルボは、25×20のように2つの口の呼び径を並べて呼びます。25は25A(1インチ)、20は20A(3/4インチ)の口です。注文するときは「ひょっとこ」ではなく、材質・接続(ねじ込み・溶接・接着)・口の組み合わせを書いて「異径エルボ 25×20」のように伝えると間違いがありません。
ダクトの「ひょっとこ」は取出しの部材
ダクトでは、同じ「ひょっとこ」が別の部材を指します。
- ダクトやチャンバーの平らな面に、ダクトなどを取り付けるための取出口(建築設備フォーラムで紹介されている、全国ダクト工業団体連合会の用語の定義)
- 主管から分岐するとき、抵抗を減らすために風の流れる方向に広がった台形の取出し管。天井の開口から作業できるように内側から折り倒せるものを「内ひょっとこ」と呼ぶ(ウィキペディアの説明)
角ダクトの加工用ソフト(タスクのDUCTCAM)の部品の一覧にも、ホッパーの仲間として「ヒョットコ」「ヒョットコ(片直)」「ドテハゼヒョットコ」などが並んでいます。一覧の図では、短い筒の片側または両側が斜めに広がる形で描かれています。ダクトの呼び名も、取出しの鉄板がひょっとこの面の口のように飛び出していることから来たと説明されています(ウィキペディア)。
配管とダクトで意味が違うので注意
同じ現場でも、配管の職人は異径エルボ、ダクトの職人は取出しの部材を思い浮かべます。打合せでは「異径エルボ」「取出し(片直)」のように正式な名前と形で伝えます。
板金で径違いの曲がりを作るとき
径違いの曲がりを鉄板やステンレスの板で作るとき(保温の外装や、太さの違うダクト・管をつなぐ曲がり)は、少しずつ細くなりながら曲がるエビ管にします。各ピースは、同じ絞りの円錐台を斜めに切った形です。
- 切断角=曲げ角度÷(ピース数−1)÷2(普通のエビ管と同じ)
- 中心線の長さ=(ピース数−1)×2×曲げ半径×tan(切断角)
- 片側の絞り角=atan((太い口の半径−細い口の半径)÷中心線の長さ)
テーパーがあるので、中間のピースも1枚ずつ形が違います。普通のエビ管のように中間のピースを同じ型紙で作ることはできません。
計算例:100Aから50Aへ90°・4ピース
太い口の外径114.3、細い口の外径60.5、曲げ角度90°、4ピース、曲げ半径200の例です。数値はひょっとこエルボの展開図ツールで計算しました。
- 切断角=90÷3÷2=15°
- 中心線の長さ=3×2×200×tan15°=321.5mm
- 片側の絞り角=atan((57.15−30.25)÷321.5)=4.8°
| ピース | 背の長さ | 腹の長さ |
|---|---|---|
| 1(太い口) | 72.2 | 44.1 |
| 2 | 132.5 | 81.1 |
| 3 | 127.7 | 85.9 |
| 4(細い口) | 60.2 | 41.6 |
単位はmmです。背は曲がりの外側、腹は内側の母線の長さです。中間のピース2と3も長さが違うことが分かります。
継ぎ目がぴったり合う理由
展開図ラボのツールは、継ぎ目ごとに、隣り合う2つのピースの両方に内側から接する球を置いて形を決めています。そのため継ぎ目は平面になり、両側の切り口が重なります。太い口と細い口を同じ径にすると、普通のエビ管と同じ形になります(エビ管の展開図の書き方)。
ひょっとこでよくある取り違え
偏心のソケットと間違える
建築設備フォーラムでは、初めて聞いたときに偏心のソケットのことだと思った、という書き込みもあります。口が片寄った形も「ひょっとこ」に見えるためです。曲がりがあるか、まっすぐかを確かめます。
配管とダクトで別の物を手配する
ダクトの職人に「ひょっとこ」を頼むと取出しの部材、配管の材料屋に頼むと異径エルボが届くことがあります。図面の名前と寸法で手配します。
径違いのエビ管を中間ピース共通で作る
太さが変わる曲がりは、中間のピースも形が違います。同じ型紙を使い回すと、継ぎ目で径が合わずにすき間ができます。
ひょっとこについてよくある質問
配管のひょっとことは何ですか
ねじ込み継手の異径エルボ(径違いエルボ)のことです。25×20のように太い口と細い口がある90°の曲がりで、形がひょっとこ面に似ていることからの呼び名です。
ダクトのひょっとことは何ですか
主管やチャンバーの面から枝のダクトを取り出すための部材で、風の流れる方向に広がった台形の取出し管などを指します。
板金で径違いのエルボを作れますか
作れます。少しずつ細くなる円錐台を斜めに切ったピースをつないだエビ管にします。型紙はひょっとこエルボの展開図ツールで、ピースごとに原寸で印刷できます。









