円錐台の展開図の計算式と書き方ホッパー・レジューサーの板金展開
ホッパーやレジューサーの形になる円錐台は、展開すると扇形のドーナツのような形になります。この記事では、大径・小径・高さから展開図の半径と角度を出す計算式と、板へのけがき方を説明します。
円錐台の展開に必要な寸法
用意する寸法は、大径D、小径d、高さHの3つです。高さは斜めの長さではなく、大径の面から小径の面までの垂直の距離です。
展開図の計算式
| 求めるもの | 計算式 |
|---|---|
| 母線の長さ s | s = √(H² +((D − d)÷ 2)²) |
| 外側の半径 R | R = s × D ÷(D − d) |
| 内側の半径 r | r = R − s |
| 展開角 θ | θ = 180° × D ÷ R |
| 外側の弦長 C | C = 2 × R × sin(θ ÷ 2) |
| 外側の矢高 h | h = R ×(1 − cos(θ ÷ 2)) |
展開角は、扇形の開き具合です。高さに対して径の差が大きい平たい形ほど展開角は360°に近づき、筒に近い細長い形ほど小さくなります。
計算例:大径600・小径200・高さ400
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 母線の長さ s | 447.2 mm |
| 外側の半径 R | 670.8 mm |
| 内側の半径 r | 223.6 mm |
| 展開角 θ | 161.0° |
| 外側の弦長 C | 1,323.2 mm |
| 外側の矢高 h | 560.1 mm |
計算例2:細長いホッパー(大径300・小径100・高さ300)
高さに対して径の差が小さい細長い形では、展開角が小さくなり、扇形は細くなります。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 母線の長さ s | 316.2 mm |
| 外側の半径 R | 474.3 mm |
| 内側の半径 r | 158.1 mm |
| 展開角 θ | 113.8° |
| 外側の弦長 C | 794.9 mm |
| 外側の矢高 h | 215.4 mm |
| 外側の弧の長さ(確認用) | 942.5 mm(= 300 × π) |
1つ目の例(展開角161.0°)と比べると、扇形の開きがかなり小さくなります。展開角は、大径と小径の差と、母線の長さの比で決まります(θ = 180° ×(D − d)÷ s)。
板厚がある場合は「板厚中心」で計算する
板金で作る場合、板を曲げると外側は伸び、内側は縮みます。長さが変わらないのは板厚の真ん中なので、展開は板厚中心の径で計算します。
| 図面の寸法 | 計算に使う径 |
|---|---|
| 外寸(外径)の場合 | 外径 − 板厚 × k |
| 内寸(内径)の場合 | 内径 + 板厚 × k |
kは、壁が傾いている分の補正で、k = 母線 ÷ 高さ(= √(高さ² +((D − d)÷ 2)²)÷ 高さ)です。壁が斜めなので、水平に測った板厚は実際の板厚より少し厚くなります。まっすぐな筒ならk = 1です。
たとえば外寸で大径600・小径200・高さ400、板厚3.2mmなら、k = 447.2 ÷ 400 = 1.118なので、3.2 × 1.118 = 3.58mmを引いて、大径596.4・小径196.4で計算します。このときR = 666.8mm、r = 219.6mmになります。板厚をそのまま引く(大径596.8)と、Rで0.4mmほど差が出ます。
板へのけがき方
- 板に中心の点を打ち、半径Rとrの円弧を描きます。
- 外側の円弧の上に、弦長Cの間隔で2点をとります。
- 2点と中心を結んだ線が合わせ目です。
- 2つの円弧と2本の合わせ目で囲まれた形を切り出します。
切り出す前に、外側の弧の長さが大径 × π(この例では1,885.0mm)になっているかを巻尺で確かめます。
Rが大きくて中心の点が板に収まらないときは、原寸で印刷した型紙を使うか、弦長と矢高(弦から円弧までのいちばん高い距離)で円弧を描きます。板が足りない場合は、展開角を半分にして2枚に分けて取ります。
よくある失敗と注意点
高さに斜めの長さを入れてしまう
計算に使う高さHは、大径の面から小径の面までの垂直の距離です。側面の斜めの長さ(母線)を高さとして入れると、展開図が大きくなりすぎます。図面に斜めの長さしか書かれていないときは、それを母線sとして使い、R = s × D ÷(D − d)から計算します。
板厚を考えずに外寸のまま展開する
厚い板ほど、外寸のまま展開すると仕上がりが大きくなります。上の「板厚中心」で計算してください。曲げたときに長さが変わらない位置で測る点は、板金の展開長の考え方と同じです。
のりしろと開先を足し忘れる
溶接の合わせ目にのりしろや開先をとる場合は、展開図の両端に別に足してください。中心が片側にずれた円錐台は扇形にならないので、偏心円錐台の記事の三角形展開法で作図します。
円錐台の展開図についてよくある質問
円錐台の展開図の半径はどうやって出しますか
まず母線 s = √(H² +((D − d)÷ 2)²)を出し、外側の半径 R = s × D ÷(D − d)、内側の半径 r = R − s で求めます。
展開角が大きすぎて板に入らないときは
展開角を半分や3分の1に分けて、複数の板から取ります。分けた数だけ合わせ目が増えるので、のりしろや開先もその数だけ足します。
ホッパーの展開図も同じ計算ですか
丸いホッパーは円錐台なので同じ計算です。上下とも四角いホッパーは角錐台として、面ごとに台形で展開します。中心がずれた円錐台は、三角形展開法で作図します。
円錐台の計算を使うほかの形
球やドームを横の帯に分けて作るときは、それぞれの帯を円錐台として展開します(球・ドームの展開図)。配管の同心レジューサーはレジューサーの展開図の書き方、上下とも四角いホッパーは角錐台ホッパーの展開図のツールで出せます。









