鏡板の種類と寸法皿形・半だ円・半球の深さと容量の計算式、タンクの容量の出し方
鏡板は、円筒形のタンクや圧力容器の両端をふさぐ、皿のような形の板です。この記事では、JIS B 8247(圧力容器用鏡板)と鏡板メーカーのカタログをもとに、鏡板の種類と各部の名前、深さと容量の計算式、内径ごとの早見表、胴と合わせたタンクの容量の計算例をまとめます。
鏡板の種類
JIS B 8247:2016では、鏡板を次の4種類としています。Dは内径、tは板厚です。
- 平鏡板(FH):平らな鏡板。すみの丸みの内半径rは3t以上
- 皿形鏡板(SD):中央部の内半径R=1.0D、すみの丸みr=0.1D
- 正半だ円体形鏡板(ED):深さが内径の1/4になる半だ円の形(いわゆる2:1)
- 近似半だ円体形鏡板(AD):R=0.9045D、r=0.1727Dの2つの円弧で半だ円に近づけた形
半球形の鏡板(HH)は、JIS B 8247の表にはなく、メーカーの製品の記号です(日本鏡板工業)。
各部の名前
- R(クラウンR):中央部の内半径
- r(ナックルr):すみ部の丸みの内半径
- ℓ(ストレートフランジ):胴とつなぐまっすぐな部分の長さ
- T.L.(タンジェントライン):曲面とフランジ部の境目
JIS B 8247では、フランジ部の長さを3t(最小20mm)とし、38mmを超える必要はないとしています。
内径基準と外径基準
JIS B 8247では、呼び径は内径を基準にしています。許容差は、A種は外周の長さ((D+2t) × 3.1416)、B種は内径で見ます。一方、小さい径の鏡板には、鋼管の外径で呼ぶ製品もあります(日本鏡板工業、コウノ工業)。注文するときは、内径か外径かを確かめます。
深さと容量の計算式
| 形 | 深さ | 容量(1枚) |
|---|---|---|
| 皿形 | 0.194D | 0.09896D³ |
| 半だ円 | D/4 | πD³/24 |
| 半球 | D/2 | πD³/12 |
Dは内径です。皿形の深さはR=D、r=0.1Dから計算した値(正確には0.19377D)で、容量の係数0.09896は日本鏡板工業と北海グループの資料で同じ値です。深さと容量は、フランジ部(ℓ)を含まない値です。フランジ部の容量は π ÷ 4 × D² × ℓ で足します。
内径ごとの容量の早見表
| 内径 | 皿形 | 半だ円 | 半球 |
|---|---|---|---|
| 600 | 21.38 | 28.27 | 56.55 |
| 1,000 | 98.97 | 130.90 | 261.80 |
| 1,500 | 334.01 | 441.79 | 883.57 |
内径の単位はmm、容量はL(鏡板1枚、フランジ部を除く)で、上の式で展開図ラボが計算した値です。日本鏡板工業の容量表の値と一致します。
胴と合わせたタンクの容量
横置きや縦置きの円筒タンクの容量は、胴の容量に両端の鏡板2枚分を足して出します。
内径1,000mm、タンジェントライン間(両端のT.L.の間)の長さ2,000mmの例です。
- 胴:π ÷ 4 × 1.0² × 2.0 = 1.5708m³ = 1,570.8L
- 皿形の鏡板2枚:1,570.8 + 98.97 × 2 ≒ 1,768.7L
- 半だ円の鏡板2枚:1,570.8 + 130.90 × 2 ≒ 1,832.6L
- 半球の鏡板2枚:1,570.8 + 261.80 × 2 ≒ 2,094.4L
同じ胴でも、鏡板の形で300L以上変わります(展開図ラボの計算)。胴の部分の容量はタンクの容量計算ツールで出せるので、鏡板の分を上の表から足します。ツールは鏡板の容量は計算しません。タンクの容量の考え方はタンクの容量計算で説明しています。
鏡板の型紙
半球形の鏡板や、球の一部(欠球)の形は、球・ドームの展開図ツールで舟形の型紙を出せます。皿形の鏡板は、中央部(球の一部)の型紙だけを出せて、すみ部の丸みは扱えません。球の展開の考え方は球・ドームの展開図の書き方で説明しています。
よくある間違い
内径と外径を取り違える
JISの呼び径は内径基準ですが、外径で呼ぶ製品もあります。容量の式のDは内径です。
フランジ部の容量を忘れる
表の容量は曲面の部分だけです。胴の長さをT.L.の間で測っていない場合は、フランジ部の分を足します。
皿形を半だ円の式で計算する
同じ内径1,000mmでも、皿形は98.97L、半だ円は130.90Lで、約32L違います。
鏡板についてよくある質問
皿形鏡板の深さは
内径の約0.194倍です。内径1,000mmなら約194mmです(フランジ部を除く)。
2:1の鏡板とは
正半だ円体形の鏡板で、深さが内径の1/4になります。
鏡板の容量の計算式は
皿形は0.09896D³、半だ円はπD³/24、半球はπD³/12です(Dは内径)。
半球形の鏡板はJISにありますか
JIS B 8247の種類は平・皿形・正半だ円・近似半だ円の4つで、半球形はメーカーの製品です。









