タンクの容量計算角型・円筒・横置きタンクのリットルの出し方
タンクの容量は、中の空間の体積をリットルに直せば出せます。角型と縦置きの円筒は掛け算だけで計算できますが、横置きの円筒タンクは、液面の高さと量が比例しないので計算に少し工夫がいります。この記事では、形ごとの容量の計算式と計算例、液面の高さから中の量を出す方法、横置きタンクの液面と量の早見表をまとめます。
タンク容量の計算の基本
体積をリットルに直す
容量の計算は、タンクの内側の体積を出して、リットルに直すだけです。寸法をmmで測った場合は、次の関係を使います。
| 単位 | リットルに直すと |
|---|---|
| 1,000,000 mm³(100万mm³) | 1 L |
| 1,000 cm³ | 1 L |
| 1 m³(1立米) | 1,000 L |
mmで計算した体積を1,000,000で割るとリットル、さらに1,000で割るとm³になります。
寸法は内寸で測る
容量に使うのは、板の厚さを除いた内側の寸法です。外寸で計算すると、板厚の分だけ多めに出ます。たとえば直径1,200mm・高さ1,000mmの円筒で、直径を外寸1,212mm(板厚6mm)のまま計算すると、約1,154Lになり、内寸で計算した約1,131Lより約23L多くなります。
角型タンクの容量の計算
満水の容量
角型(直方体)のタンクは、容量 = 長さ × 幅 × 高さ です。
内寸が長さ2,000mm・幅1,000mm・高さ1,000mmなら、2,000 × 1,000 × 1,000 = 2,000,000,000mm³ ÷ 1,000,000 = 2,000L(2m³)です。
液面の高さから量を出す
角型は、中の量が液面の高さに比例します。上の式の「高さ」を液面の高さに変えるだけです。同じタンクで液面が250mmなら、2,000 × 1,000 × 250 ÷ 1,000,000 = 500L、満水の25%です。
縦置きの円筒タンクの容量の計算
満水の容量
縦置きの円筒は、容量 = π × 直径² ÷ 4 × 高さ です。底の円の面積に高さを掛けます。
内径1,200mm・高さ1,000mmなら、3.1416 × 1,200² ÷ 4 × 1,000 = 約1,130,973,000mm³ ÷ 1,000,000 = 約1,131.0Lです。
液面の高さから量を出す
縦置きの円筒も、量は液面の高さに比例します。液面250mmなら、3.1416 × 1,200² ÷ 4 × 250 ÷ 1,000,000 = 約282.7Lです。
横置きの円筒タンクの容量の計算
満水の容量
横置きの円筒タンクの満水の容量は、縦置きと同じく π × 直径² ÷ 4 × 胴の長さ です。内径1,200mm・胴の長さ2,500mmなら、約2,827.4Lです。
液面の高さから量を出す式
横置きのタンクは、底のほうは幅がせまく、真ん中あたりが一番広いので、液面の高さと量が比例しません。液面より下の断面(弓形)の面積を出して、胴の長さを掛けます。
半径をr、液面の高さをhとすると、弓形の面積は次の式で出せます。
弓形の面積 = r² × cos⁻¹((r − h)÷ r)−(r − h)× √(2rh − h²)
cos⁻¹ の値はラジアン(角度 ÷ 180 × π)で使います。内径1,200mm(r = 600mm)・胴の長さ2,500mmで液面が300mmなら、弓形の面積は約221,107mm²、量は 221,107 × 2,500 ÷ 1,000,000 = 約552.8Lです。液面は直径の4分の1ですが、量は満水の約19.6%しかありません。
横置きタンクの液面と量の早見表
直径に対する液面の高さの割合と、満水に対する量の割合です。タンクの大きさに関係なく使えます。
| 液面の高さ(直径に対して) | 量(満水に対して) |
|---|---|
| 10% | 5.2% |
| 20% | 14.2% |
| 25% | 19.6% |
| 30% | 25.2% |
| 40% | 37.4% |
| 50% | 50.0% |
| 60% | 62.6% |
| 70% | 74.8% |
| 75% | 80.4% |
| 80% | 85.8% |
| 90% | 94.8% |
液面がちょうど直径の半分のときだけ、量も満水の半分になります。それより下では量は少なめ、上では多めに出ます。
鏡板があるタンク
両端がふくらんだ鏡板のタンクは、この計算に鏡板の中の量が加わります。鏡板の形(皿形・半だ円形・半球形など)で量が変わるので、正確な容量はタンクの仕様書や銘板の値を確かめます。
目安として、鏡板1個の中の量は、半球形なら π × 直径³ ÷ 12、深さが直径の4分の1の半だ円形(2:1)なら π × 直径³ ÷ 24 です。直径は内径を使います。皿形は形が複雑なので、仕様書の値を使います。
満水の容量と実際に使える量
計算で出るのは、タンクの内側いっぱいまで入れたときの量です。実際には、あふれ防止の管や吸い込み口の位置があるので、使える量はそれより少なくなります。どこまで入れてよいか、どこから下は使えないかは、タンクの仕様や設計図で確かめてください。
灯油や薬品など、量によって届け出や設備の基準が変わるものを入れるタンクは、容量の扱いが法令や消防の基準で決まっていることがあります。その場合は、計算の値ではなく、仕様書の容量と所轄の消防署などの指示に従ってください。
たとえば灯油は、消防法の指定数量が1,000Lです。200L以上1,000L未満は少量危険物として、市町村の火災予防条例による届け出がいります。
タンクの容量計算についてよくある質問
1m³は何リットルですか
1,000Lです。1Lは1,000cm³、1,000,000mm³です。
横置きタンクで液面が半分なら、量も半分ですか
液面が直径のちょうど半分なら、量も満水の半分です。半分より下や上では比例しないので、早見表か弓形の面積の式で計算します。
外寸しか分からないときはどうしますか
板の厚さが分かれば、外寸から板厚の2倍を引いて内寸にします。板厚が分からないときは、外寸で出した値は実際より多めだと考えておきます。
底が円錐形のタンクはどう計算しますか
円筒の部分と円錐の部分を分けて計算して足します。円錐の部分の体積は、π × 直径² ÷ 4 × 円錐の高さ ÷ 3 です。









