水盛りとは?水盛り管(ホース)で高さを出す手順と注意点
水盛り(みずもり)は、水面がいつも水平になる性質を使って、離れた場所に同じ高さの印を付ける作業です。遣り方(丁張り)で水杭に基準の高さを移すときなどに使われ、あわせて「水盛り遣り方」とも呼ばれます。この記事では、水盛りの意味と原理、水盛り管(ホース)を使った高さの出し方の手順、誤差が出る原因、レーザーやオートレベルとの使い分けをまとめます。
水盛りとは
水面の水平を使って高さをそろえる作業
水盛りは、水を使って水平を出し、同じ高さの印を付ける作業です。もともとは、細長い材に溝を彫って水を入れ、水平かどうかを確かめる道具や作業のことを指していました。いまの現場では、透明なホース(水盛り管)に水を入れて、離れた杭や壁に同じ高さの印を付けることを水盛りと呼ぶのが一般的です。
水盛り遣り方
建物の位置と高さの基準を示す遣り方では、各水杭に基準の高さの印を付け、その高さで水貫を打ちます。この高さの印付けに水盛りを使うことから、遣り方全体を「水盛り遣り方」と呼ぶこともあります。
水盛りの原理
底でつながった容器や管に水を入れると、どの口でも水面が同じ高さでそろいます(連通管の原理)。バケツなどにつないだ透明なホースの先を、離れた杭や壁に当てれば、ホースの中の水面の高さが、基準と同じ高さになります。
水盛り管(ホース)で高さを出す手順
- バケツや水盛り缶に水を入れ、透明なホースの片方の端を沈めます。
- もう片方の端から水を引き、ホースの中の空気を完全に抜きます。
- 基準の杭や、ベンチマーク(BM)の所で、ホースの水面を基準の高さに合わせ、容器の水位を決めます。
- ホースの先を次の杭に当て、水面が落ち着いてから、水面の高さに印を付けます。
- すべての杭に印を付けたら、最後にもう一度基準の所で水面の高さを確かめます。
- 印に合わせて水貫を打ちます。
水盛りで誤差が出る原因と対策
ホースの中の空気
ホースの中に気泡が残っていると、水面の高さがずれます。印を付ける前に、ホース全体を見て気泡がないかを確かめます。
ホースの折れや踏みつけ
ホースが折れたり、人や物に踏まれたりすると、水が動いて正しい高さになりません。ホースの通り道に気を付けます。
容器の水位の変化
作業の途中で水がこぼれたり、容器が動いたりすると、基準の高さが変わってしまいます。最後に基準の所へ戻って、水面がずれていないかを確かめます。
水面が落ち着く前に印を付ける
ホースを動かした直後は水面が揺れています。水面が止まってから印を付けます。
ホースを動かすとき
ホースを動かすときは、口を指でふさぐか折り曲げて、水がこぼれないように高く持ちます。読むときは口を開けて、水面が止まるのを待ちます。ホースの中の水面は、管の壁ぎわで少し上がって見えます。毎回真横から、へこんだ面の底で読みます。
水盛りとレーザー・オートレベルの使い分け
いまの現場では、高さを出すのにレーザー墨出し器やオートレベルを使うのが一般的です。機械は1人でも速く作業でき、広い範囲の高さをまとめて出せます。一方で水盛りは、電源がいらず道具が安いこと、ホースが届けば曲がり角の先や見通しの悪い場所でも高さを移せることが長所です。ブザーで水面の位置を知らせる電子式の水盛り管もあります。
| 方法 | 長所 | 注意点 |
|---|---|---|
| 水盛り(ホース) | 電源不要、安い、見通しが悪くても使える | 気泡・ホースの折れ・水位の変化で誤差が出る |
| オートレベル | 離れた場所の高さを正確に比べられる | 標尺を持つ人が必要なことが多い |
| レーザー墨出し器 | 光の線で広い範囲に水平を映せる、1人でも使える | 明るい屋外では線が見えにくい、受光器が必要なこともある |
水盛りについてよくある質問
水盛りと水準器は違うのですか
水準器は、泡の位置で1か所が水平かどうかを確かめる道具です。水盛りは、離れた2か所以上に同じ高さの印を付ける作業です。
ホースの長さはどれくらい必要ですか
基準の所から、いちばん遠い印を付ける場所まで届く長さが必要です。ホースが長いほど、途中の気泡や折れに気を付けます。
水盛りの精度はどれくらいですか
道具や作業の丁寧さで変わります。電子式の水盛り管では、ホース15mで±1.6mmといった精度をうたう製品もあります。
冬に水盛りをするときの注意は
水が凍るとホースが使えなくなります。寒い日は、作業が終わったら水を抜いておきます。









