レーザー墨出し器の使い方据え付け・精度の確認と一人で墨出しするコツ
レーザー墨出し器は、水平・垂直・直角の光の線を床や壁に映して、墨出しの基準を出す機械です。正しく据え付けて、精度を確かめてから使えば、一人でも速く正確に墨出しができます。この記事では、ラインの呼び名、据え付けの手順、精度の確かめ方、受光器の使い方、一人で墨出しするときのコツと注意点を、メーカーの取扱説明書にもとづいてまとめます。操作や機能は機種によって違うので、使う機種の取扱説明書を必ず確かめてください。
レーザー墨出し器のラインの呼び名
| 呼び名 | 意味 |
|---|---|
| ろく(陸) | 水平のライン。高さの基準(陸墨)を出す |
| たち(縦) | 鉛直のライン。壁の立ち墨や通りを出す |
| さげふり | 真上・真下の点やライン。上下の階に位置を移す |
| おおがね(大矩) | 直角に交わる縦のライン。直角を出す |
| 地墨点(下部ポイント) | 本体の真下に出る点。床の基準の墨に合わせる |
機種によって、出せるラインの組み合わせが違います。全周に水平を出せる機種(全周ろく)や、縦ラインを4方向に出せる機種などがあります。
レーザー墨出し器の据え付け手順
- 三脚(エレベータ三脚など)を使う場合は、先に三脚を据え付け、本体を取り付けます。
- 本体の円形気泡管の泡が中心の円に入るように、脚や整準ネジで水平に近づけます。
- 電源を入れると、内部の振り子のロックが外れ、自動補正が働いてラインが出ます。
- 縦ラインを使うときは、下部ポイント(地墨点)を床の基準の墨に合わせて置き、本体を回して縦ラインを基準の墨に合わせます。微調整つまみを使うと合わせやすくなります。
- 使い終わったら電源を切ります。電源を切ると振り子がロックされるので、ロックしてからケースに入れて運びます。
自動補正範囲
本体が少し傾いていても、自動補正範囲の中なら、ラインは水平・鉛直に保たれます。範囲は機種によって違い、たとえばタジマZERO GREEN(ZEROG2)は±2°(3°以上傾くと自動で消灯)、マキタSK506GDは±1.5°、ムラテックKDS ATL-96RGは約±2.5°です。範囲の外ではラインの点滅や消灯で知らせる機種が多いので、そのまま使わずに据え直します。ただしZEROG2は、自動補正が±2°までで、消灯するのは3°以上傾いたときです。2〜3°の間はラインが出たままなので、円形気泡管の泡が赤い円の中にあるかを必ず確かめます。
精度の目安と確かめ方
精度の目安
| 機種 | ラインの精度 |
|---|---|
| タジマ ZERO GREEN(ZEROG2) | 10mで±0.81mm以内 |
| マキタ SK506GD | 10mで±1mm |
| ムラテックKDS ATL-96RG | 10mで±1mm |
距離が長くなるほどずれは大きくなるので、広い現場では精度と距離の関係に気を付けます。
水平ラインの精度の確かめ方
マキタの取扱説明書にある、水平ラインの点検の方法です。
- 約5m離れた2つの壁の真ん中に墨出し器を置き、水平を合わせます。
- 片方の壁に当たった水平ラインに印Aを付け、本体を180°回して反対の壁に印Bを付けます。
- 墨出し器を片方の壁から1mの位置に移して水平を合わせ直し、B付近に印B'、180°回してA付近に印A'を付けます。
- AとA'の差と、BとB'の差を比べ、その違いが1mm以内なら正常とされています。
縦ラインは、壁に吊るした下げ振りの糸に合わせて確かめます。鉛直の点は、本体を水平に回しても、天井の点がラインの幅以上に動かなければ正常とされています(マキタの説明書)。
メーカーは、使う前や、落とした・ぶつけたなど衝撃があったあとに精度を確かめることを勧めています。タジマは1年に1回の定期点検も勧めています。
受光器の使い方
明るい屋外や広い現場では、ラインが目で見えにくくなります。受光器を使うと、ラインの位置を光や音で知らせてくれるので、離れた所でも位置を合わせられます。受光器を使ったときに届く距離は、たとえばタジマZERO GREENで縦ライン約1〜20m、マキタSK506GDで約1〜25mです。
- 受光器は、メーカーが指定する専用のものを使います。
- 水平ラインと垂直ラインが交わる点の近くでは、受光器が検出できないことがあります。
- 本体と受光器の間を、手や物でさえぎらないようにします。
一人で墨出しするときのコツ
最初に地墨点を基準の墨に合わせる
下部ポイント(地墨点)を床の基準点にぴったり合わせてから水平を取ると、その後のラインがすべて基準から出ていることになり、あとで確かめやすくなります。
受光器で縦ラインを地墨に合わせる
受光器を床の墨の上に置き、本体を回して縦ラインが墨の上に来ると、受光器のランプや音で知らせてくれます。離れた位置の墨に一人でラインを合わせられます。
自動でラインを合わせる機能を使う
タジマのNAVI機能や、マキタのリモコン追尾受光器のように、受光器の位置に向けて本体が自動で回り、ラインを墨に合わせる機能を持つ機種もあります。対応している機種だけの機能なので、手持ちの機種の説明書で確かめます。
一人で作業するときの確認
- 基準の墨からの距離は、2か所以上で測って確かめます。
- 本体に触れたり三脚を蹴ったりしたら、据え付けと地墨点の位置を確かめ直します。
- 墨に書き込む記号や寸法は、あとの工程の人が見ても分かるように書きます。
使うときの注意点
- レーザーの光を直接のぞかない、人の目に向けない。
- 運ぶときは電源を切ってケースに入れ、強い衝撃や振動を避ける。
- 寒い場所では、電源を入れた直後にラインが薄くなることがある。
- 結露したときは電源を入れず、自然に乾くまで置く。
レーザーの安全の等級は、JIS C 6802で決められています。たとえばマキタSK506GDはクラス2、タジマZERO GREEN(ZEROG2)はクラス2Mです。タジマは、光学器具でレーザー光を直接見ないよう注意しています。トランシットやレベルの望遠鏡で、ラインを直接のぞかないようにします。
機種の選び方(グリーンと赤、ライン数、受光器)は、次の記事でまとめています。
レーザー墨出し器についてよくある質問
レーザー墨出し器があれば墨壺はいりませんか
レーザーの光は、機械を動かすと消えてしまいます。あとの工程で使う墨は、レーザーで出した位置に墨壺やマーカーで線を残しておくのが一般的です。
屋外で使えますか
明るい屋外ではラインが見えにくいので、受光器を使います。防塵・防水の性能も機種で違うので確かめます。
赤と緑のレーザーの違いは
一般に、緑のレーザーは人の目に明るく見えやすいとされています。見え方や電池の持ちは機種によって違います。
精度が狂ったらどうしますか
点検で基準を超えるずれがあったら、使うのをやめて、メーカーや販売店に点検・調整を依頼します。









