冷媒用銅管のサイズ呼びと外径、R410A・R32で使える肉厚、O材と1/2H材、重さと被覆銅管の断熱材
エアコンなどの冷媒配管に使う銅管は、インチの呼びがそのまま外径になり、肉厚は外径と質別(O材・1/2H材)と冷媒の圧力で決まります。この記事では、JIS B 8607(冷媒用フレア及びろう付け管継手)とJIS H 3300、日本銅センターの被覆銅管の規格、公共建築工事標準仕様書、メーカーのカタログをもとに、外径と呼びの対応、R410A・R32で使える肉厚、O材と1/2H材の境目、1mあたりの重さ、被覆銅管の断熱材の厚さをまとめます。
冷媒用銅管の材質と質別
冷媒配管の銅管は、JIS H 3300(銅及び銅合金の継目無管)のりん脱酸銅C1220Tなどを使います。JIS H 3300では、C1220は押し広げや曲げ、溶接の性質がよい材料としています。質別には、主に次の2つがあります。
- O材:やわらかい材料。被覆銅管の規格(JCDA 0009)では20mのコイル巻き
- 1/2H材:半硬質の材料。同じ規格では4mの直管。公共建築工事標準仕様書では、1/2H材は専用工具で曲げてよく、曲げ半径は管径の4倍以上とする
呼びと外径の対応
| 呼び(インチ) | 外径(mm) |
|---|---|
| 1/4 | 6.35 |
| 3/8 | 9.52 |
| 1/2 | 12.70 |
| 5/8 | 15.88 |
| 3/4 | 19.05 |
| 7/8 | 22.22 |
冷媒用の銅管は、呼びのインチに25.4を掛けた値が外径です。一方、JIS H 3300の建築配管用銅管は、呼び径1/4Bの外径が9.52mm、1/2Bが15.88mmで、同じ「1/4」でも冷媒用とは1サイズ違います。建築用の銅管やほかの管の呼び方は配管の呼び径と外径で説明しています。
肉厚は冷媒の圧力で決まる
JIS B 8607の附属書A(規定)では、冷媒配管の銅管の肉厚を、外径・質別・種別ごとに決めています。種別は、使う冷媒の最高使用圧力で分かれます。
| 種別 | 最高使用圧力 | 冷媒の例 |
|---|---|---|
| 第1種 | 3.45MPa以下 | R22・R407C |
| 第2種 | 4.30MPa以下 | R410A・R32 |
| 第3種 | 4.80MPa以下 | ― |
第3種は、4.30MPaを超え4.80MPa以下で使う冷媒です。今のエアコンに多いR410A・R32は第2種で、第2種か第3種の肉厚の管を使います。日本冷凍空調工業会は、R410A・R32の機種は圧力が高いので肉厚を確かめ、0.7mmなどの薄肉管を使わないよう注意しています。
R410A・R32で使える肉厚
| 外径 | O材 | 1/2H材 |
|---|---|---|
| 6.35 | 0.80 | 0.80 |
| 9.52 | 0.80 | 0.80 |
| 12.70 | 0.80 | 0.80 |
| 15.88 | 1.00 | 1.00 |
| 19.05 | 1.20 | 1.00 |
| 22.22 | なし | 1.00 |
| 25.40 | なし | 1.00 |
| 28.58 | なし | 1.00 |
| 31.75 | なし | 1.10 |
| 34.92 | なし | 1.20 |
| 38.10 | なし | 1.35 |
単位はmmです。JIS B 8607の表A.1から、第2種か第3種に当たる肉厚を抜き出しました。
- O材の19.05mmは、肉厚1.00mmだと第1種までで、R410A・R32には1.20mmが必要です。
- O材の22.22mm以上には第2種の肉厚がないので、R410A・R32で22.22mm以上は1/2H材を使います。
- R22などの第1種なら、O材でも22.22mmは1.15mm、25.40mmは1.30mmの肉厚があります。
日本銅センターの被覆銅管の規格(JCDA 0009)では、1/2H材の肉厚を19.05mmで1.05mm、22.22mmで1.20mmなど、JISの表より厚くしています。公共工事では、冷媒用銅管の肉厚を冷凍保安規則関係例示基準によるとしているので、仕様書と製品の表示を確かめます。
1mあたりの重さと内径
| 外径×肉厚 | 内径 | 重さ(kg/m) |
|---|---|---|
| 6.35×0.8 | 4.75 | 0.125 |
| 9.52×0.8 | 7.92 | 0.196 |
| 12.70×0.8 | 11.10 | 0.267 |
| 15.88×1.0 | 13.88 | 0.418 |
| 19.05×1.0 | 17.05 | 0.507 |
| 22.22×1.0 | 20.22 | 0.596 |
| 25.4×1.0 | 23.40 | 0.685 |
| 28.58×1.0 | 26.58 | 0.775 |
重さはNJT銅管のカタログの値(断熱材を除く銅管だけ)、内径は「外径 − 肉厚×2」で出した値です(mm)。JISには1mあたりの重さの表はありません。
ほかの寸法の重さは、「π × 肉厚 ×(外径 − 肉厚)× 密度 ÷ 1,000」(kg/m)で計算できます。鋼材の重量計算ツールで丸パイプを選び、材質を「その他」にして密度に8.93(日本銅センターが示す純銅の密度)を入れると、15.88×1.0で0.417kg/mになり、カタログの値とほぼ合います。
被覆銅管の断熱材の厚さ
断熱材の付いた被覆銅管には、日本銅センターの規格が2つあります。
- JCDA 0009(冷媒用断熱材被覆銅管):断熱材の厚さは、外径によらず液管10mm以上、ガス管20mm以上。公共建築工事標準仕様書は、被覆銅管をこの規格によるとしている
- JCDA 0010(一般用途冷媒用断熱材被覆銅管):市販の一般品の規格。断熱材の厚さは、6.35mm・9.52mmが8〜20mm、12.70mm以上が10〜20mm
JCDA 0009は2022年の改正で、液管の断熱材を外径によらず10mm以上にしています。保温材の表面には、肉厚の記号(0.8、1.0は「10」)や、対応する冷媒の種別の記号が表示されます(日本冷凍空調工業会)。断熱材の付いていない冷媒管の保温の厚さは配管の保温の厚さでまとめています。
接合と施工の決まり
- 冷凍保安規則関係例示基準では、フレア管継手は外径20mm以下の管に限って使える
- 公共建築工事標準仕様書では、冷媒配管の接合は原則ろう付けで、配管の中に不活性ガスを通すなどして酸化を防ぐ
- 吊り金物の間隔は、外径9.52mm以下で1.5m以下、12.70mm以上で2.0m以下(公共建築工事標準仕様書)
ろう付けは銅管のロウ付けのやり方、吊り間隔は配管の支持間隔で説明しています。
よくある間違い
R410A・R32の配管に19.05×1.0のO材を使う
O材の19.05×1.00はJISの表で第1種までです。R410A・R32には、O材なら1.20mm、または1/2H材の1.00mmを使います。
冷媒用と建築用の「1/4」を取り違える
冷媒用の1/4は外径6.35mm、建築配管用銅管の1/4Bは外径9.52mmです。
R22の機種の配管をそのまま使う
日本冷凍空調工業会は、R22の機種から替えるときは新しい冷媒配管を使うとしています。
冷媒用銅管のサイズについてよくある質問
2分3分の銅管の外径は
2分(1/4インチ)が6.35mm、3分(3/8インチ)が9.52mmです。
R32の銅管の肉厚は
JIS B 8607の表では、6.35〜12.70mmは0.80mm、15.88mmは1.00mm、19.05mmはO材なら1.20mm、1/2H材なら1.00mmです。
O材と1/2H材の違いは
O材はやわらかい材料のコイル巻き、1/2H材は半硬質の材料の直管です。R410A・R32で22.22mm以上は1/2H材を使います。
被覆銅管の断熱材の厚さは
公共工事で使うJCDA 0009では、液管10mm以上、ガス管20mm以上です。









