配管の保温の厚さ給水・給湯・冷温水・蒸気の呼び径ごとの厚さと保温外径の計算
配管の保温の厚さは、管の種類(給水・給湯・冷温水・蒸気など)と呼び径で決まります。この記事では、国土交通省の公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版の表2.3.7をもとに、管の種類ごとの保温の厚さ、厚さの数え方、施工箇所で変わるもの・変わらないもの、冷媒管の決まりをまとめます。保温を巻いたあとの外径と、外装の周長の計算例もつけています。
保温の厚さの決まり方
公共建築工事標準仕様書では、空気調和設備と給排水衛生設備の保温材の厚さを、表2.3.7によるとしています。寒冷地などでこれによれないときは特記です。表は、管の種類ごとの「保温の種別」(Ⅰ〜Ⅶ)と、呼び径の範囲で厚さを決めています。
この表は公共建築の工事の標準です。民間の工事では、設計図や特記仕様書の指定が優先します。
厚さは保温材だけの厚さ
同じ仕様書(3.1.3)では、保温の厚さは保温材の主体の厚さとし、外装や補助材の厚さは含まないとしています。ラッキングの板やテープの厚さは数えません。
管の種類ごとの保温の厚さ
単位はmmで、すべて表2.3.7の値です(ロックウール・グラスウールの場合)。
給水管・排水管・給湯管・温水管
| 呼び径 | 保温の厚さ |
|---|---|
| 15〜80A | 20 |
| 100〜150A | 25 |
| 200A以上 | 40 |
給水管・排水管をポリスチレンフォームで保温する場合は、100A以上も25mmです。
冷水管・冷温水管
| 呼び径 | 保温の厚さ |
|---|---|
| 15〜25A | 30 |
| 32〜200A | 40 |
| 250A以上 | 50 |
表の冷媒管(種別Ⅵ)も同じ厚さです。冷水温度2〜4℃の冷水管と、−10℃のブライン管は、ポリスチレンフォームでさらに厚くなります(ブライン管の100A以上は65mm)。
蒸気管(低圧)
| 呼び径 | 保温の厚さ |
|---|---|
| 15〜25A | 20 |
| 32〜50A | 30 |
| 65A以上 | 40 |
表の区分は、0.1MPa未満の低圧の蒸気管です。
ダクト
一般ダクトと排煙ダクトは、屋内露出(機械室・書庫・倉庫)と隠ぺい部で25mm、屋内露出(一般居室・廊下)・多湿箇所・屋外露出で50mmです。
施工箇所で変わるもの・変わらないもの
同じ仕様書の表2.3.2・2.3.5・2.3.6では、施工箇所ごとに保温材の上の仕上げを決めています。厚さは表2.3.7のままで、変わるのは仕上げです。
- 屋内露出:合成樹脂カバーなど
- 機械室:原紙とアルミガラスクロスなど
- 天井内:アルミガラスクロス化粧保温筒など
- 暗渠内:ポリエチレンフィルムと着色アルミガラスクロスなど
- 多湿箇所・屋外:ポリエチレンフィルムと金属板(ラッキング)
屋外露出や暗渠内の排水管、通気管、消火管、地中の配管などは、表に値がなく特記です。
冷媒の被覆銅管
エアコンの冷媒管に使う断熱材被覆銅管は、別の決まりです。同じ仕様書(表2.2.5 注2)では、断熱材の厚さを液管10mm以上、ガス管20mm以上としています。
施工で決まっていること
- 保温材どうしのすき間はできるだけ少なくし、重ねの継目は同じ線の上にそろえない(3.1.3)。
- 筒状の保温材は、1本につき2か所以上を鉄線で2巻き締めにする。帯状の材は50mmピッチ以下のらせん巻き(3.1.3)。
- 蒸気管などが壁や床を貫通するところは、その面から25mm以内は保温しない(3.1.3)。
- 屋内露出の配管の床貫通部は、床から150mmまでステンレス鋼板で保温材を保護する。外装に金属板を使う場合を除く(3.1.3)。
- 防火区画を貫通する給水・排水・給湯管は、貫通部分をロックウールで保温する(表2.3.5 注1)。
保温外径と外装の周長の計算
保温を巻いたあとの外径は「管の外径 + 保温の厚さ × 2」、外装の周長は「π × 保温外径」です。
| 管と保温厚 | 保温外径 | 周長 |
|---|---|---|
| 50A給水・20 | 100.5 | 315.7 |
| 100A給水・25 | 164.3 | 516.2 |
| 50A冷温水・40 | 140.5 | 441.4 |
| 100A冷温水・40 | 194.3 | 610.4 |
単位はmmで、管の外径はSGP(50Aは60.5、100Aは114.3)として展開図ラボで計算した値です。銅管・ステンレス管・塩ビ管は外径が違うので、その管の外径で計算します。
表2.3.7の厚さで計算すると、150Aまでの冷温水管・蒸気管は保温外径が250mm以下に収まります。外装のカラー鉄板やガルバは、保温外径250mm以下なら0.27mm、超えると0.35mmです(同じ仕様書)。外装の板厚と納め方はラッキングの施工方法、エルボやT管の外装の型紙は保温板金(ラッキング)の展開図ツールで出せます。
よくある間違い
外装の厚さまで含めて測る
保温の厚さは保温材だけの厚さです。外装を含めると、保温材が薄いまま施工してしまいます。
冷温水管を給水管の厚さにする
同じ呼び径でも、冷温水管は給水管より厚く、50Aなら給水管20mmに対して冷温水管40mmです。
屋外だから厚くする
表2.3.7の厚さは施工箇所で変わらず、変わるのは仕上げです。寒冷地などで厚さを変えるときは特記によります。
配管の保温の厚さについてよくある質問
給水管の保温の厚さは何mmですか
公共建築工事標準仕様書では、15〜80Aで20mm、100〜150Aで25mm、200A以上で40mmです。
冷温水管の保温の厚さは
15〜25Aで30mm、32〜200Aで40mm、250A以上で50mmです。
エアコンの冷媒管の断熱材の厚さは
断熱材被覆銅管は、液管10mm以上、ガス管20mm以上です(同じ仕様書の表2.2.5 注2)。
保温の厚さに外装は入りますか
入りません。保温材の主体の厚さで、外装と補助材の厚さは含みません。









