スパイラルダクトの寸法取り芯々から直管の長さ、45°の振り
スパイラルダクトの直管の長さは、図面や現場で測った芯々の寸法から、両側の継手の「芯から差込み部の付け根までの寸法」を引いて出します。この記事では、栗本鐵工所のスパイラルダクト総合カタログの継手寸法(ベンドのH寸法、T管のLとℓ)と、公共建築工事標準仕様書の差込み長さの決まりをもとに、90°ベンドの間・45°ベンド2個のエルボ返し(S管)・T管からの直管の長さの計算例、振りの最小寸法、よくある間違いをまとめます。継手の寸法はメーカーと製品で違うので、実際に使う継手のカタログで確かめてください。
直管の長さは「芯々−継手の寸法」
スパイラルダクトの継手は、直管の内側に差し込む差込み部と、その付け根の段(ビード)を持っています。直管は差込み部にかぶせて付け根まで差し込むので、直管の長さは次の式で出せます。
直管の長さ=芯々の寸法−(片側の継手の芯から付け根まで)−(反対側の継手の芯から付け根まで)
- 差込み長さ(直管にかぶる長さ)は、公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)とJIS A 4009で、すべての呼び径で60mm以上
- 栗本鐵工所のカタログでも、継手の差込長さは60mm以上(呼び径100〜1000)
- 直管の呼び径は内径、継手は外径が呼び径より少し小さく作られていて、継手が直管の内側に入る
差込み長さの決まりとビスの本数はスパイラルダクトの継手で説明しています。
ベンドの芯から付け根まで(H)
栗本鐵工所のカタログでは、ベンド管(エルボ)の芯から差込み部の付け根までの寸法をHとして、次のように示しています(Dは呼び径)。
| ベンド | 90°のH | 45°のH |
|---|---|---|
| 1.0R(プレス) | 約D | 約0.4D |
| 1.0R(セクション) | D | 0.4D |
| 1.5R | 1.5D | 0.4D×1.5 |
| 2.0R | 2D | 0.4D×2 |
プレスベンドは呼び径75〜150、セクションベンドは175以上です。幾何で考えると、芯から付け根までは「中心の半径×tan(曲がりの角度÷2)」で、90°なら半径と同じ、45°なら半径の0.414倍です。カタログの45°の値(0.4D)は、これを丸めた値です(展開図ラボの計算)。カタログの注のとおり、口径や出荷工場でセクション数などが違う場合があるので、寸法は実物とカタログで確かめます。
早見表:1.0RベンドのH
| 呼び径 | 90°(D) | 45°(0.4D) |
|---|---|---|
| 100 | 100 | 40 |
| 150 | 150 | 60 |
| 200 | 200 | 80 |
| 250 | 250 | 100 |
| 300 | 300 | 120 |
| 400 | 400 | 160 |
単位はmmで、栗本鐵工所のカタログの式(H=D、H=0.4D)に呼び径を入れた値です。
計算例1:90°ベンドどうしの間
呼び径200、1.0Rの90°ベンドどうしの芯々が2,000mmなら、直管は2,000−200−200=1,600mmです。1.5Rのベンドなら、2,000−300−300=1,400mmになります(展開図ラボの計算)。
計算例2:45°ベンド2個で振る
45°ベンド2個で平行にずらす(振る、エルボ返し・S管とも呼ぶ)ときは、斜めの部分の芯々が「振り×1.414」になります。Yahoo!知恵袋の回答でも、45°の部材(300φ・センター寸法120)を2個使って300mm振るとき、斜めの直管を300×√2−120×2=184mmと出していました。
| 項目 | 計算(mm) |
|---|---|
| 斜めの芯々 | 300×1.4142=424.3 |
| ベンドのH | 0.4×300=120 |
| 直管 | 424.3−120×2=184.3 |
| 振りの方向の長さ | 300(振りと同じ) |
45°で振るとき、振る前後の流れの方向に進む長さは、振りと同じ300mmです。直管が0mmになる最小の振りは、120×2÷1.4142=169.7mmで、これより小さく振ることは45°ベンド2個だけではできません(展開図ラボの計算)。角ダクトの振りは角ダクトのオフセット、配管の振りは配管のオフセットの計算と同じ考え方です。
呼び径ごとの45°×2の最小の振り
| 呼び径 | 最小の振り |
|---|---|
| 150 | 84.9 |
| 200 | 113.1 |
| 250 | 141.4 |
| 300 | 169.7 |
1.0Rの45°ベンド(H=0.4D)で直管が0になる振り(mm)です。実際はビスやテープの作業ができる長さの直管を入れるので、これより大きく振ります。
計算例3:T管から90°ベンドまで
栗本鐵工所のカタログでは、T管の本管側の長さをL=d+60(dは枝の呼び径)、枝側の長さをℓ=D÷2+30(Dは本管の呼び径)としています。本管150・枝100のT管なら、L=160mm(芯から本管の付け根まで80mm)、ℓ=105mmです(カタログの寸法表の値と一致)。
- T管の芯から、呼び径150・1.0Rの90°ベンドの芯までが1,500mmなら、直管は1,500−80−150=1,270mm
- 枝側で、T管の芯から呼び径100の90°ベンドの芯までが800mmなら、直管は800−105−100=595mm
(展開図ラボの計算)。T管の寸法は、本管と枝の組み合わせで変わります。
寸法取りでよくある間違い
差込み長さを足してしまう
継手のHが「芯から差込み部の付け根まで」の寸法なら、直管は付け根から付け根までの長さで、差込み長さ(60mm)は足しません。カタログのHがどこまでの寸法かを、図で確かめてから計算します。
90°の式で45°を計算する
45°ベンドのHは、90°のHの半分ではありません。1.0Rなら90°がD、45°が0.4Dです。
呼び径を外径として測る
スパイラルダクトの直管の呼び径は内径です。芯は、管の中心で測ります。
違うメーカーの継手の寸法で計算する
継手の寸法はメーカーや製品で違います。現場で流れている計算式がある場合も、使う継手の寸法で確かめます。
寸法取りについてよくある質問
45°ベンド2個で振るときの直管は
振り×1.414から、2つのベンドの芯から付け根までの寸法を引きます。呼び径300・1.0R(H=120)で300mm振るなら、424.3−240=184.3mmです。
90°ベンドの芯から端までは
栗本鐵工所のカタログでは、1.0Rで呼び径と同じ(H=D)、1.5Rで1.5D、2.0Rで2Dです。差込み部はその先に60mm以上あります。
差込み長さは何mmですか
公共建築工事標準仕様書とJIS A 4009では、すべての呼び径で60mm以上です。









