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配管・溶接

配管のオフセット(振り)の計算45°エルボの斜めの芯々・切断長さと角度別の係数表

配管を障害物や梁を避けて横にずらす「オフセット(振り)」は、45°エルボを2個使うのが基本です。この記事では、振りの量から斜めの芯々寸法と進みを出す計算、30°・60°などの係数表、溶接・ねじ込み・塩ビの45°エルボの芯引きを使った切断長さの計算例、縦と横に同時にずらす立体オフセット、平行な管をそろえて振るときのずらし量までをまとめます。継手の寸法はJIS B 2311・B 2301・K 6743の値です。

オフセットの寸法の呼び方

45°エルボ2個で管を振るときの振りH、斜めの芯々T、進みA。45°ならT=H×1.414、A=H
寸法は、すべてエルボの芯(中心線の交点)で考えます。
  • H:振り(オフセット量)。ずらしたい距離で、もとの管の芯から、ずらした後の管の芯まで
  • T:斜めの芯々。2つのエルボの芯どうしの距離で、斜めの管の長さのもとになる
  • A:進み。振る間に、管の進む方向に進む距離

振りの量から斜めの芯々を出す

45°のとき

45°の振りは、直角二等辺三角形です。

斜めの芯々 T = H × √2 ≒ H × 1.414  進み A = H

振り300mmなら、T = 300 × √2 ≒ 424.3mm、A = 300mm です。

ほかの角度の係数

エルボの角度を θ とすると、T = H ÷ sinθ、A = H ÷ tanθ です。下の表の係数(Tは 1 ÷ sinθ、Aは 1 ÷ tanθ)を振りに掛けても同じです。

角度 θTの係数Aの係数
22.5°2.6132.414
30°2.0001.732
45°1.4141.000
60°1.1550.577

JIS B 2311 が寸法を決めている溶接エルボは、45°・90°・180°です。30°や60°で振るときは、90°エルボを切って使うか、曲げ管で振ります。

振り300mmを30°で振るなら、T = 300 × 2 = 600mm、A = 300 × 1.732 ≒ 519.6mm です。角度が小さいほど、斜めの管は長く、進みも長くなります。

斜めの管の切断長さ

切断長さは、斜めの芯々 T から、両端の45°エルボの「芯引き」(芯から管の端までに相当する長さ)を引いて出します。溶接ならさらにルート間隔の分を引きます。

切断長さ = T − 芯引き × 2(− 溶接のすき間 × 2)

45°エルボの芯引き

呼び径溶接ロング溶接ショートねじ込み
15A15.8-10
20A15.8-13
25A15.8-15
32A19.7-18
40A23.715.821
50A31.621.021
80A47.331.6-
100A63.142.1-

単位はmmです。溶接エルボはJIS B 2311の中心から端面までの距離、ねじ込みはJIS B 2301 附属書B(参考)の寸法取り長さ(中心から端面までの距離から、ねじはめ合い平均長さを引いた値)です。表は主なサイズだけです。この表の溶接エルボの45°の値は、90°の中心から端面までの距離 × tan22.5° を小数第1位に丸めた値と一致します。

計算例1:50A・溶接ロング45°・振り300mm

  • T = 300 × √2 ≒ 424.3mm
  • 切断長さ = 424.3 − 31.6 × 2 = 361.1mm(ルート間隔 g があれば、さらに 2g を引く)

計算例2:20A・ねじ込み45°・振り200mm

  • T = 200 × 1.414 ≒ 282.8mm
  • 切断長さ = 282.8 − 13 × 2 ≒ 256.8mm

計算例3:塩ビ 呼び20・TS 45°エルボ・振り150mm

塩ビのTS継手は、管を受口の奥まで差し込むので、芯引きは「中心から受口端まで − 受口の長さ」です。JIS K 6743の呼び20の45°エルボは 44 − 35 = 9mm です。

  • T = 150 × 1.414 ≒ 212.1mm
  • 切断長さ = 212.1 − 9 × 2 ≒ 194.1mm

ねじ込み継手・塩ビ継手の芯引きの考え方は配管の寸法の取り方(芯引き)で詳しく説明しています。

縦と横に同時にずらす(立体オフセット)

横に a、上下に b を同時にずらしたいときは、斜めの管を1本で振ります。実際の振りの量は、2つのずれを組み合わせた長さです。

実際の振り H = √(a² + b²)

横300mm・上400mmなら、H = √(300² + 400²)= 500mm です。45°エルボで振るなら、T = 500 × √2 ≒ 707.1mm で、切断長さは先ほどと同じように芯引きを引いて出します。エルボは、斜めの管が横と上の両方に向くように、45°エルボを管の軸のまわりに回して取り付けます。

上下・左右・前後の向きを図にして確かめるには、配管アイソメ図の書き方を参考にしてください。

平行な管をそろえて振る

間隔sで平行な2本の管を同じ角度で振るとき、内側の管はs×tan(θ÷2)だけ手前で曲げる
1つ目の曲がりで内側になる管を、外側の管より手前で曲げます。

間隔 s で並んだ2本以上の管を、同じ角度で振ってから再び平行にするときは、1つ目の曲がりで内側になる管を、外側の管より次の量だけ手前で曲げると、斜めの部分も同じ間隔 s でそろいます。2つ目の曲がりも、同じ管を同じ量だけ手前で曲げます。

ずらす量 = s × tan(θ ÷ 2)

45°なら tan22.5° ≒ 0.414 なので、間隔150mmの管は 150 × 0.414 ≒ 62.1mm 手前で曲げます。30°なら係数は0.268、60°なら0.577です。斜めの管どうしの芯々の長さは、どの管も同じになります。

オフセットの計算でよくある間違い

振りの量を管の外面で測る

H はもとの管の芯から、ずらした後の管の芯までの距離です。外面どうしで測ると、径が違う管や保温のある管でずれます。

斜めの芯々をそのまま切断長さにする

T はエルボの芯どうしの距離です。両端のエルボの芯引きを引かないと、エルボの分だけ長く切ってしまいます。

90°エルボの芯引きを使う

45°エルボの芯引きは90°より短く、20Aのねじ込みなら90°が20mm、45°が13mmです。

立体オフセットで、横と縦の振りを別々に計算する

横と縦を別々に45°で振ると、エルボが4個になり、長さも変わります。1本の斜めの管で振るときは、√(a² + b²)で実際の振りを出します。

配管のオフセットの計算についてよくある質問

45度の振りの係数は

斜めの芯々は振りの1.414倍、進みは振りと同じ長さです。

振り300mmを45°で振るときの斜めの管の長さは

芯々は約424.3mmです。50Aの溶接ロング45°エルボなら、芯引き31.6mmを両端で引いて約361.1mm(溶接のすき間を除く)です。

30°で振ると長さはどうなりますか

斜めの芯々は振りの2倍、進みは振りの約1.732倍です。

平行な管を振るときのずらし量は

管の間隔 × tan(角度 ÷ 2)です。45°なら間隔の約0.414倍、手前で曲げます。

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