ダクトの板厚の基準長方形ダクト・スパイラルダクトのサイズ別一覧
ダクトに使う亜鉛鉄板の厚さは、ダクトの大きさと、低圧・高圧の区分によって決まっています。公共工事では国土交通省の「公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)」に最小の板厚の表があり、民間の工事でもこれを目安にすることが多くあります。この記事では、長方形ダクト・スパイラルダクト・継手・排煙ダクトの板厚の表と、表の読み方をまとめます。表は令和7年版の値です。実際の工事では、設計図書や特記仕様書の指定を優先してください。
ダクトの板厚は何で決まるか
ダクトの大きさと圧力の区分
ダクトは大きくなるほど、板がたわんだり振動したりしやすくなるので、厚い板を使います。長方形ダクトは長辺の長さで、スパイラルダクトは呼称寸法(内径)で板厚が決まります。また、ダクトの中の圧力が高い高圧ダクトは、低圧ダクトより厚い板を使います。
決まっているのは最小の板厚
長方形ダクトの表(表3.1.14・表3.1.15)は、使ってよい最小の板厚を示しています。設計図書でそれより厚い板が指定されていれば、指定に従います。
ダクトの両端の寸法が違う場合は、大きいほうの寸法の板厚を使います。厨房の排気ダクトの板厚は特記によります。
長方形ダクトの板厚
低圧ダクト
| ダクトの長辺(mm) | 板厚(mm) |
|---|---|
| 450以下 | 0.5 |
| 450を超え750以下 | 0.6 |
| 750を超え1,500以下 | 0.8 |
| 1,500を超え2,200以下 | 1.0 |
| 2,200を超えるもの | 1.2 |
表3.1.14の値で、アングルフランジ工法とコーナーボルト工法で共通です。コーナーボルト工法は、長辺1,500mm以下のダクトに使う工法とされています。
高圧ダクト
| ダクトの長辺(mm) | 板厚(mm) |
|---|---|
| 450以下 | 0.8 |
| 450を超え1,200以下 | 1.0 |
| 1,200を超えるもの | 1.2 |
表3.1.15(高圧1・高圧2ダクト)の値です。
スパイラルダクトの板厚
直管
| 板厚(mm) | 低圧ダクトの呼称寸法(mm) | 高圧ダクトの呼称寸法(mm) |
|---|---|---|
| 0.5 | 450以下 | 200以下 |
| 0.6 | 450を超え710以下 | 200を超え560以下 |
| 0.8 | 710を超え1,000以下 | 560を超え800以下 |
| 1.0 | 1,000を超え1,250以下 | 800を超え1,000以下 |
| 1.2 | ― | 1,000を超え1,250以下 |
表3.1.23の値です。スパイラルダクトの呼称寸法は内径です。
継手
| 呼称寸法(mm) | 板厚(mm) |
|---|---|
| 315以下 | 0.6 |
| 315を超え710以下 | 0.8 |
| 710を超え1,000以下 | 1.0 |
| 1,000を超え1,250以下 | 1.2 |
表3.1.26の値です。継手の呼称寸法は、直管と違って外径で表します。エルボなどの継手は、同じ呼称寸法の直管より厚い板を使います。
排煙ダクト(円形)の板厚
| 呼称寸法(mm) | 直管の板厚(mm) | 継手の板厚(mm) |
|---|---|---|
| 450以下 | 0.8 | 1.0 |
| 450を超え700以下 | 1.0 | 1.2 |
| 700を超えるもの | 1.2 |
表3.1.29の、亜鉛鉄板の円形の排煙ダクトの値です。排煙ダクトは火災のときに使うダクトなので、一般のダクトより厚い板になっています。
板厚の表を使うときの注意
- 表は国土交通省の公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版の値です。版によって内容が変わることがあります。
- 民間の工事では、設計図書や特記仕様書で別の決まりになっていることがあります。
- 厨房の排気や、腐食しやすい環境のダクトは、ステンレスなど別の材料や厚さが指定されることがあります。
- ダクトの大きさを決めるときは、風量と風速からサイズを計算してから、そのサイズに合う板厚を選びます。
ダクトの板厚についてよくある質問
長辺600mmの角ダクトの板厚は
低圧ダクトなら0.6mm(450を超え750以下)、高圧ダクトなら1.0mm(450を超え1,200以下)です。
スパイラルダクト300の板厚は
低圧ダクトの直管なら0.5mm、高圧ダクトの直管なら0.6mmです。継手は0.6mmです。
低圧ダクトと高圧ダクトの違いは
ダクトの中の常用圧力の区分です。標準仕様書では、低圧ダクトは+500Pa以下・−500Pa以内、高圧1ダクトは+500を超え+1,000Pa以下・−500を超え−1,000Pa以内、高圧2ダクトは+1,000を超え+2,500Pa以下・−1,000を超え−2,000Pa以内です。どの区分で作るかは設計図書で指定されます。
板厚は厚いほうがいいのですか
厚いほど丈夫ですが、重く、加工もしにくくなり、材料費も上がります。仕様書や設計図書で決められた厚さを使います。









