配管の流量計算流速の出し方と摩擦損失(圧力損失)の計算式
配管の流量と流速は「流量 = 流速 × 管の断面積」の関係で、管の内径が分かればすぐに計算できます。流れると管の中で摩擦が起きて圧力が下がり、その下がり方(摩擦損失)はヘーゼン・ウィリアムス式などで見積もります。この記事では、水の配管の流量・流速の計算式、SGPの呼び径ごとの流量の早見表、摩擦損失の計算方法と計算例をまとめます。ここで出すのは計算の目安です。設計や施工は、設計図書、水道事業者の基準、設備設計者の指示に従ってください。
配管の流量と流速の関係
流量 = 流速 × 断面積
流量(m³/s)= 流速(m/s)× 管の断面積(m²)
断面積は、管の内径を使って π × 内径² ÷ 4 で出します。外径ではなく内径を使うのがポイントです。現場では流量をL/min(1分あたりのリットル)で表すことが多いので、次の換算を使います。
- 1 m³/s = 60,000 L/min
- 流量(L/min)= 流速(m/s)× 断面積(m²)× 60,000
- 流速(m/s)= 流量(L/min)÷ 60,000 ÷ 断面積(m²)
計算例:SGP 50Aに200L/min
SGP 50Aの内径は 60.5 − 3.8 × 2 = 52.9mm、断面積は 3.1416 × 0.0529² ÷ 4 = 約0.002198m²です。200L/minを流すと、流速は 200 ÷ 60,000 ÷ 0.002198 = 約1.52m/s です。
SGPの呼び径ごとの流量の早見表
SGPの内径で計算した、流速1m/sと2m/sのときの流量です。
| 呼び径 | 内径(mm) | 流速1m/sの流量(L/min) | 流速2m/sの流量(L/min) |
|---|---|---|---|
| 15A | 16.1 | 12.2 | 24.4 |
| 20A | 21.6 | 22.0 | 44.0 |
| 25A | 27.6 | 35.9 | 71.8 |
| 32A | 35.7 | 60.1 | 120.1 |
| 40A | 41.6 | 81.6 | 163.1 |
| 50A | 52.9 | 131.9 | 263.7 |
| 65A | 67.9 | 217.3 | 434.5 |
| 80A | 80.7 | 306.9 | 613.8 |
| 100A | 105.3 | 522.5 | 1,045.0 |
内径はSGPの外径から厚さの2倍を引いた値です。ライニング鋼管や樹脂管、銅管は内径が違うので、この表は使えません。管の種類ごとの外径と厚さは、配管の呼び径と外径の早見表で確かめてください。
流速は速すぎないようにします。国土交通省の「給水装置標準計画・施工方法」では、空気調和・衛生工学会が給水管の流速を2.0m/s以下としていることを紹介しています。水撃(ウォーターハンマー)を防ぐには、一般に1.5〜2.0m/s程度とされています。
摩擦損失(圧力損失)の計算
ヘーゼン・ウィリアムス式
水の配管の摩擦損失は、ヘーゼン・ウィリアムス式でよく計算されます。
h = 10.666 × C^−1.85 × D^−4.87 × Q^1.85 × L
hは摩擦損失水頭(m)、Cは流速係数、Dは内径(m)、Qは流量(m³/s)、Lは管の長さ(m)です。水頭をkPaに直すときは、9.807を掛けます(水頭1m ≒ 9.8kPa)。
流速係数Cの値
Cは管の内面のなめらかさを表す係数で、大きいほど摩擦が小さくなります。国土交通省の「給水装置標準計画・施工方法」では、新しい管で設計する場合、曲がりなどを含めた管路全体では110、直線部だけなら130が適当とされています。管の材料や古さで値は変わるので、設計の条件に合わせて使います。
計算例:SGP 50Aに200L/min、長さ10m
D = 0.0529m、Q = 200 ÷ 60,000 = 0.00333m³/s、L = 10m、C = 110 として計算すると、h = 約0.768m、圧力にすると 0.768 × 9.807 = 約7.53kPa です。C = 130で計算すると約5.53kPaになります。
この例は式の使い方を示すためのものです。給水装置の設計では、口径50mm以下はウエストン式で計算します。
流量と摩擦損失の関係
流量が2倍なら損失は約3.6倍
ヘーゼン・ウィリアムス式では、摩擦損失は流量の1.85乗に比例します。流量が2倍になると、損失は 2^1.85 = 約3.6倍になります。同じ管に流量を増やすと、圧力の下がり方は急に大きくなります。
管を1サイズ太くすると損失は大きく減る
損失は内径の4.87乗に反比例します。200L/minを10m流す例で、50A(内径52.9mm)では約7.53kPaですが、65A(内径67.9mm)にすると約2.23kPaまで下がります。
長さと損失は比例する
損失は管の長さに比例します。同じ管で長さが2倍なら、損失も2倍です。
継手・弁の損失と高低差
継手や弁の損失
エルボ、チーズ、弁などを通るときにも損失があります。これらは「同じ損失になる直管の長さ(相当長さ)」に置き換えて、管の長さに足して計算する方法がよく使われます。相当長さは継手の種類や大きさで違うので、メーカーや設計の資料の値を使います。
高低差
高い所へ水を送るときは、摩擦損失とは別に、高低差の分だけ圧力が必要です。高さ1mあたり約9.8kPaです。
給水装置での計算式の使い分け
国土交通省の「給水装置標準計画・施工方法」では、口径50mm以下はウエストン式、75mm以上はヘーゼン・ウィリアムス式を使うとされています。細い給水管の設計では、決められた式で計算してください。
配管の流量計算についてよくある質問
流量の単位のL/minとm³/hはどう換算しますか
1m³/h = 1,000L ÷ 60分 = 約16.7L/minです。L/minを60倍して1,000で割るとm³/hになります。
外径で計算してもいいですか
流速や摩擦損失は、水が通る内径で計算します。外径で計算すると、流速は実際より遅く、損失は実際より小さく出てしまいます。
1kPaは水頭で何mですか
約0.102mです。水頭10mは約98kPa(約0.1MPa)です。
古い管ではどうなりますか
さびやスケールで内面が荒れたり内径が細くなったりすると、摩擦損失は大きくなります。流速係数Cを小さくして計算する方法がありますが、どの値を使うかは設計の条件で決めます。









