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配管・溶接

パイプの斜め切り(45度・30度)の展開図切込み高さの計算式と型紙の書き方

パイプを45度や30度に斜めに切るときは、切断線を管の表面に写すための展開図(型紙)が必要です。この記事では、切込みの高さを出す計算式と、型紙の書き方を順番に説明します。

斜め切りの展開図は「波の形」になる

パイプを斜めに切った切り口は、横から見ると直線ですが、管の表面を1枚の紙に開くと、山がひとつある波の形になります。この波の線が切断線です。紙に描いた波を管に巻きつけて写せば、どの位置で何ミリ切り込めばよいかが一度に分かります。

パイプを切断角θで斜めに切った側面図
切断角θは、管に直角な面からの傾きです。

切込み高さの計算式

管の外径をD、切断角をθとして、円周を等分した点ごとに「基準線から切断線までの高さ」を計算します。

求めるもの計算式
円周(型紙の横幅)L = π × D
分割点の位置x = L × i ÷ N(i番目の点、N分割)
各点の切込み高さh = D ÷ 2 × tanθ ×(1 − cos φ)
いちばん深い切込みh最大 = D × tanθ

φ(ファイ)は円周上の角度で、N分割のi番目なら φ = 360° × i ÷ N です。点0と点Nが切込み0の位置、ちょうど半周の点がいちばん深い位置になります。

計算例:50A(外径60.5mm)を45度に切る

外径60.5mm、切断角45度、12分割で計算すると、次の表のようになります。tan45° = 1 なので、いちばん深い切込みは外径と同じ60.5mmです。

点基準線からの距離(mm)切込み高さ(mm)
000
115.84.1
231.715.1
347.530.3
463.445.4
579.256.4
695.060.5
7110.956.4
8126.745.4
9142.530.3
10158.415.1
11174.24.1
12190.10
外径60.5mmを45度に切るときの展開型紙
点0〜12の縦線の長さが、表の切込み高さです。

同じ外径でも、30度なら最大34.9mm、22.5度なら最大25.1mmと、角度が浅いほど波は低くなります。

早見表:サイズと角度ごとのいちばん深い切込み

配管用炭素鋼鋼管(SGP)の外径で、いちばん深い切込み(D × tanθ)を計算した表です。型紙の山の高さの目安になります。

呼び径外径円周45°30°22.5°15°
20A27.285.527.215.711.37.3
25A34.0106.834.019.614.19.1
32A42.7134.142.724.717.711.4
40A48.6152.748.628.120.113.0
50A60.5190.160.534.925.116.2
65A76.3239.776.344.131.620.4
80A89.1279.989.151.436.923.9
100A114.3359.1114.366.047.330.6
150A165.2519.0165.295.468.444.3

単位はmmです。ステンレス管や塩ビ管は同じ呼び径でも外径が違うので、使う管の外径で計算してください(配管の呼び径と外径の早見表)。

曲げたい角度と切断角の関係

2本の管を突き合わせて角を作るときは、曲げたい角度の半分が1本あたりの切断角です。

曲げたい角度1本あたりの切断角
90°45°
60°30°
45°22.5°
30°15°

ここでいう曲げたい角度は、管の向きが変わる角度です。管どうしの内側の角度(90度曲げなら90°、45度曲げなら135°)ではないので注意してください。

型紙の書き方と写し方

  1. 紙に横線(基準線)を1本引き、円周L = 190.1mmの長さをとります。
  2. 基準線を12等分し、各点に縦線を立てます。
  3. 各縦線の上に、表の切込み高さをとって点を打ちます。
  4. 点をなめらかな曲線でつなぎ、切り抜けば型紙の完成です。
  5. 管端から、型紙のいちばん高い点より少し長い距離の位置に、管を一周する基準線を引きます。型紙の下の直線をこの基準線に合わせ、曲線の山が管端の側を向くように巻きつけて、曲線を管にけがきます。
  6. 2本で角を作るときは、切ったあといちばん短い側(高さ0の点0の側)を曲がりの内側(腹)にします。

型紙を使わない場合は、管の円周を12等分して印を付け、各印から管端に向かって表の高さを直接測っても同じ線が引けます。

斜め切りの型紙は、上下を逆にして巻いても180度回した同じ形になりますが、T管のえぐりの型紙は逆にすると形が変わります。型紙はどれも、下の直線を残す側に置き、山を管端の側に向けて巻くと覚えておくと間違えません。

よくある注意点

「45度に切る」と「45度に曲げる」は違う

2本のパイプを突き合わせて90度の角を作るときは、それぞれを45度に切ります。曲げたい角度の半分が1本あたりの切断角です。3本以上でつなぐエビ管の場合は、エビ管の展開図の記事で切断角の出し方を説明しています。

外径で型紙を作る

型紙は管の外側に巻くので、外径で計算します。板厚が厚い管を突合せ溶接する場合は、開先とルート間隔を別に見込んでください。

パイプの斜め切りについてよくある質問

パイプを45度に切るときの型紙の高さはいくつですか

いちばん深い所で、外径と同じ長さになります(tan45° = 1)。50A(外径60.5mm)なら60.5mmです。途中の点の高さは、上の計算式か表で求めます。

型紙は何分割にすればいいですか

50A程度なら12分割で十分です。管が太くなるほど点と点の間が広がるので、16分割や24分割にすると線がなめらかになります。くわしくは展開図は何分割がいいかで説明しています。

型紙なしで斜めに切れますか

管を一周する基準線を引き、円周を等分した印ごとに、基準線から表の高さを測って点を打てば、型紙がなくても同じ線が引けます。

斜め切りを使う形

勾配屋根を貫通する管のまわりに立てる水切りの筒は、下の切り口が屋根の傾きに合わせた斜め切りになります。寸法は屋根を貫通する管の穴と水切りのツールで出せます。同じ径の管が二股に分かれるY管も、斜め切りの組み合わせで作れます(Y管の展開図)。

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