ダクトの風量計算風速・断面積からサイズを出す式と相当直径
ダクトの風量・風速・サイズは、「風量 = 風速 × 断面積」の1つの式でつながっています。どれか2つが分かれば、残りの1つを計算できます。この記事では、角ダクト・丸ダクトの風速と風量の計算式、必要なダクトサイズの出し方、角ダクトの相当直径、単位の換算、板厚の参考値をまとめます。ここで出すのは計算の目安です。実際のダクトのサイズや風速は、設計図書と設備設計者の指示に従ってください。
ダクトの風量・風速・断面積の関係
基本の式
風量(m³/h)= 風速(m/s)× 断面積(m²)× 3,600
風速は1秒あたり、風量は1時間あたりで表すことが多いので、3,600(1時間の秒数)を掛けます。式を変形すると、次のようになります。
- 風速(m/s)= 風量(m³/h)÷ 3,600 ÷ 断面積(m²)
- 必要な断面積(m²)= 風量(m³/h)÷ 3,600 ÷ 風速(m/s)
断面積は内寸で出す
断面積は、空気が通る内側の寸法で計算します。角ダクトは 長辺 × 短辺、丸ダクトは π × 直径² ÷ 4 です。寸法をmmで測ったときは、m²に直すために1,000,000で割ります。
角ダクトの風速と風量の計算
風量から風速を出す
内寸400 × 200mmの角ダクトに1,800m³/hを流す場合、断面積は 0.4 × 0.2 = 0.08m²、風速は 1,800 ÷ 3,600 ÷ 0.08 = 6.25m/s です。
風速から風量を出す
同じダクトで風速を5m/sにすると、風量は 5 × 0.08 × 3,600 = 1,440m³/h です。
丸ダクト(スパイラルダクト)の計算
風速から風量を出す
内径300mmの丸ダクトの断面積は 3.1416 × 0.3² ÷ 4 = 約0.0707m²です。風速5m/sなら、風量は 5 × 0.0707 × 3,600 = 約1,272m³/h です。
必要な直径を出す
1,800m³/hを風速5m/sで流すのに必要な断面積は、1,800 ÷ 3,600 ÷ 5 = 0.1m²です。直径は √(4 × 断面積 ÷ π)で、√(4 × 0.1 ÷ 3.1416)= 約0.357m、約357mmになります。実際には、これに近い規格のサイズを選びます。
必要な角ダクトのサイズを出す
短辺を決めて長辺を出す
角ダクトは、天井の中の高さなどで短辺が先に決まることが多いので、必要な断面積を短辺で割って長辺を出します。1,800m³/hを風速5m/sで流すなら、断面積0.1m²、短辺200mmとすると、長辺は 100,000mm² ÷ 200 = 500mm です。
アスペクト比(長辺 ÷ 短辺)
長辺と短辺の比をアスペクト比と呼びます。同じ断面積でも、平べったいダクトほど周りの長さが長くなり、空気の抵抗も板の量も増えます。公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)では、長方形ダクトの縦横比は原則として4以下とされています。民間の工事では、設計図書の指定に従います。
断面を変えるときの角度
標準仕様書では、ダクトの断面を変えるときの傾斜角度を、広げる所は15°以下、せばめる所は30°以下としています。途中にコイルやフィルターがある場合は、広げる所30°以下、せばめる所45°以下です。
角ダクトの相当直径
相当直径の式
相当直径は、同じ風量を流したときに、同じ摩擦損失(1mあたりの抵抗)になる丸ダクトの直径です。角ダクトを丸ダクトに置き換えて抵抗を比べるときに使います。
相当直径 = 1.30 ×(長辺 × 短辺)^0.625 ÷(長辺 + 短辺)^0.25
相当直径の早見表
| 角ダクト(mm) | 相当直径(mm) |
|---|---|
| 300 × 300 | 327.9 |
| 400 × 200 | 304.7 |
| 500 × 200 | 337.0 |
| 600 × 300 | 457.0 |
| 800 × 400 | 609.3 |
相当直径は、断面積が同じ丸ダクトの直径とは違います。400 × 200mmと断面積が同じ丸ダクトは直径約319mmですが、相当直径は304.7mmです。
風量の単位の換算
| 単位 | 1,800m³/h を直すと | 換算のしかた |
|---|---|---|
| m³/h(1時間あたり) | 1,800 | ― |
| m³/min(1分あたり) | 30 | m³/h ÷ 60 |
| L/s(1秒あたり) | 500 | m³/h ÷ 3.6 |
換気扇や送風機のカタログは、m³/hとm³/minのどちらで書いてあるかを確かめてから計算します。
ダクトの板厚の参考値
国土交通省の公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)では、低圧ダクトの亜鉛鉄板の最小板厚が、ダクトの大きさごとに決められています。
| 長方形ダクトの長辺(mm) | 板厚(mm) |
|---|---|
| 450以下 | 0.5 |
| 450を超え750以下 | 0.6 |
| 750を超え1,500以下 | 0.8 |
| 1,500を超え2,200以下 | 1.0 |
| 2,200を超えるもの | 1.2 |
| スパイラルダクトの呼称寸法(mm) | 低圧ダクトの板厚(mm) |
|---|---|
| 450以下 | 0.5 |
| 450を超え710以下 | 0.6 |
| 710を超え1,000以下 | 0.8 |
| 1,000を超え1,250以下 | 1.0 |
令和7年版の表3.1.14(長方形ダクト)と表3.1.23(スパイラルダクト)の低圧ダクトの値です。高圧ダクトや排煙ダクトは別の表になります。民間の工事では、設計図書や特記仕様書で別の決まりになっていることもあります。
ダクトの風量計算についてよくある質問
ダクトの風速はどれくらいにすればいいですか
ダクトの風速は、騒音、空気の抵抗、送風機の能力、使う場所によって変わるので、決まった1つの値はありません。設計図書や設備設計者の指示に従ってください。
フレキシブルダクトも同じ式で計算できますか
風速と風量の関係は同じ式で計算できます。ただし、蛇腹の内面は抵抗が大きいので、抵抗の計算ではメーカーの資料を使います。
1,000m³/hは1分あたり何m³ですか
1,000 ÷ 60 = 約16.7m³/minです。









