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配管・溶接

防火区画の貫通処理隙間の埋め方と両側1m・塩ビ管の外径・大臣認定工法、耐火二層管の告示改正

防火区画を配管やケーブル、ダクトが貫通するときの処理は、建築基準法施行令の第112条と第129条の2の4で決められています。この記事では、e-Govの法令、国土交通省の告示、公共建築工事標準仕様書・標準図、国土交通省の認定の帳簿をもとに、隙間の埋め方、管の3つのルート(両側1m・外径・大臣認定)、塩ビ管の外径の上限、令和7年の告示改正で基準が入った耐火二層管、電気とダクトの処理をまとめます。法令は2026年10月時点の内容です。

まず隙間をモルタルなどの不燃材料で埋める

給水管・配電管などの管が防火区画を貫通するときは、管と防火区画との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければなりません(施行令第112条第20項)。これは管の種類に関係なくかかる決まりです。

公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)では、不燃材料の配管が防火区画等を貫通するとき、隙間をモルタルかロックウール保温材で充塡するとしています。不燃材料以外の配管は、建築基準法令に適合する工法とします。

管の構造は3つのルートのどれか

管そのものの決まりは、施行令第129条の2の4第1項第七号にあります。次のイ・ロ・ハのいずれかに適合させます。

  • イ:貫通部と両側1m以内を不燃材料の管にする
  • ロ:管の外径を告示の数値未満にする
  • ハ:国土交通大臣の認定工法を使う

よく言われる「両側1m」は、このイのことです。不燃材料は平成12年建設省告示第1400号で決まっていて、鉄鋼・アルミニウム・金属板・モルタル・ロックウールなどが挙げられています。

ただし、1時間準耐火基準の床・壁か特定防火設備で区画されたパイプシャフト・パイプダクトなどの中にある部分は、この第七号の適用外です(同号ただし書)。

塩ビ管の外径の上限(ルートロ)

ロのルートの数値は、平成12年建設省告示第1422号の表で決まっています。表の材質は「難燃材料又は硬質塩化ビニル」だけで、鋼管や鋳鉄管の欄はありません。値は、この数値未満の外径(mm)です。

給水管・配電管

用途・肉厚1時間耐火まで2時間耐火
給水管 5.5以上9090
給水管 6.6以上11590
配電管 5.5以上9090

排水管・通気管(覆いなし)

肉厚30分1時間2時間
4.1以上616161
5.5以上909061
6.6以上1159061

排水管・通気管(厚さ0.5mm以上の鉄板で覆う)

肉厚30分1時間2時間
5.5以上909090
6.6以上11511590
7.0以上14111590

告示の表は「防火構造」「30分耐火構造」「1時間耐火構造」「2時間耐火構造」の4列で、防火構造と30分耐火構造はすべての行で同じ値です。そのため、上の表では「30分」の列にまとめ、給水管・配電管の表では1時間とも同じなので「1時間耐火まで」にまとめています。電線などを入れていない予備配管は、先端を密閉します(告示の注)。

耐火二層管は令和7年に告示で基準化

令和7年7月4日の国土交通省告示第509号で告示第1422号が改正され、耐火二層管の基準が「第二」として入りました。施行通知(国住指第143号)では、これまで耐火二層管は大臣認定(ルートハ)が必要だったが、多くの認定実績と技術的知見が得られたので告示で基準化した、としています。

告示の耐火二層管は、硬質塩化ビニルの内管(VP・HIVP・VU・HTなど)と、繊維モルタルの外管の二層構造の管です。内管の外径の上限の例は次のとおりです(mm)。

外管 肉厚・外径内管 肉厚内管 外径
6.0以上・61以上1.8以上49未満
6.0以上・89以上2.2以上77未満
6.0以上・102以上2.7以上90未満
6.5以上・129以上3.1以上115未満
7.0以上・156以上4.1以上141未満

告示の表には、ほかに内管の外径27・33・39・166未満の行もあります。条件は次のとおりです。

  • 貫通部と、その両側1m以内が耐火二層管であること(告示の注)
  • 貫通する床・壁の構造が告示で決められたものであること(例:1時間耐火の床なら、鉄筋コンクリート造で被覆の厚さ70mm以上など)

施行通知では、外管の肉厚などだけでなく、貫通する防火区画の構造の確認も必要としています。隙間はモルタルその他の不燃材料で埋め戻してよく、ロックウールなどの埋め戻し材が落ちるおそれがある場合は、鋼板などで蓋をするなどの落下防止をします。せっこうボードの上にモルタルを施工する組み合わせは、材料の強度が下がることがあるので留意する、としています。

大臣認定工法(ルートハ)

国土交通省の認定の帳簿では、防火区画を貫通する管の認定番号は、壁が「PS○○○WL」、床が「PS○○○FL」です。認定書には、開口の大きさ、占積率、壁・床の種類と厚さ、管の種類と外径、材料の巻き方まで決められています。たとえば因幡電機産業のある認定(PS060WL-0386)は、開口が円形φ134mm以下で、壁は両面強化せっこうボード重張りの軽量鉄骨下地の間仕切壁です。条件は認定ごとに違うので、現場ではメーカーの認定書と取扱説明書のとおりに施工します。

保温材付きの冷媒用銅管について、日本銅センターの施工マニュアルでは、防火区画の貫通部は構造に合った大臣認定工法で処理するとしています。外壁を貫通する場合は、雨水の侵入を防ぐ処理で認定の範囲から外れないように注意するとしています。

公共工事の施工のしかた(機械設備)

  • 保温が必要な配管は、貫通部の保温をロックウール保温材にして、隙間にロックウール保温材かモルタルを充塡する。標準図では、区画の両面から約50mmロックウール保温材を出している
  • 給水・排水・給湯管、冷水・冷温水管の保温は、防火区画等を貫通する部分をロックウール保温材で行う
  • 紙製の仮枠など、不燃材料以外のスリーブ材を使った場合は、配管の前に必ず取り除く
  • 充塡材は、必要に応じて脱落防止の措置をする

保温の厚さは配管の保温の厚さでまとめています。

電気の貫通処理

公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)2.1.10では、次のようにしています。

  • 金属管:隙間にモルタル・耐熱シール材などを充塡するか、ロックウール保温材を充塡して標準厚さ1.6mm以上の鋼板かモルタルで押さえる
  • PF管:区画の両側1m以上を不燃材料の管にしてその中に通し、端口を耐熱シール材などで密閉する。または関係法令に適合した工法
  • 金属ダクト:隙間にモルタルなどを充塡する。モルタルはクラックが出ないように数回に分ける
  • ケーブル・バスダクト:関係法令に適合した工法とし、付近に、適合する工法であることを示す表示を設ける

同じ仕様書では、硬質塩化ビニル管(VU)のスリーブは防火区画には使わないとしています。

ダクトの貫通は防火ダンパー

換気・冷暖房のダクト(風道)が防火区画を貫通するときは、貫通部か近接する部分に、煙や温度の上昇で自動的に閉まる防火設備(防火ダンパー)を設けます(施行令第112条第21項)。

  • 防火ダンパーと防火区画の間のダクトは、厚さ1.5mm以上の鉄板でつくるか、鉄網モルタル塗などの不燃材料で被覆する(平成12年建設省告示第1376号)
  • 天井や壁に、一辺45cm以上の点検口と、ダンパーの作動を確認できる検査口を設ける(同告示)
  • ダンパーは原則4本吊り。長方形は長辺300mm以下、円形は内径300mm以下なら2本吊り(公共建築設備工事標準図)
  • 貫通部とダクトの隙間には、モルタルかロックウール保温材を充塡する(公共建築工事標準仕様書)

ダクトの工法はダクトの工法の違いで説明しています。

よくある間違い

「両側1mは第112条の決まり」

両側1mは、施行令第129条の2の4のイのルートです。外径(ロ)や認定工法(ハ)で満たす方法もあります。

認定工法を条件の違う壁・床に使う

認定書で決められた壁・床の種類と厚さ、開口の大きさから外れると、認定の範囲外になります。

紙製の仮枠を残したまま埋める

標準図では、配管の前に必ず取り除くとしています。

銅管を不燃材料と決めつける

告示第1400号に、銅は名指しで載っていません。保温材付きの銅管は、認定工法で処理するのが日本銅センターのマニュアルの扱いです。

防火区画の貫通処理についてよくある質問

防火区画の貫通部の隙間は何で埋めますか

モルタルその他の不燃材料です(施行令第112条第20項)。公共工事では、モルタルかロックウール保温材で充塡します。

塩ビ管は防火区画を貫通できますか

告示第1422号の外径未満にするか、耐火二層管、大臣認定工法を使います。両側1m以内を鋼管などの不燃材料の管にする方法もあります。

パイプシャフトの中も両側1mが必要ですか

1時間準耐火基準の床・壁などで区画されたパイプシャフトの中の部分は、第129条の2の4第1項第七号の適用外です。

耐火二層管に大臣認定は必要ですか

令和7年7月4日の告示改正で基準が告示に入り、告示の条件を満たせば認定によらずに使えるようになりました。

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