構造用合板の釘ピッチ耐力壁150・75mmと床・屋根、めり込みの注意
構造用合板の釘ピッチは、耐力壁の告示仕様なら外周150mm以下(倍率2.5、N50)か外周75mm以下(倍率3.7、CN50)、根太なしの24mm床ならN75で150mm以下が基本です。この記事では、告示と品確法の評価方法基準、日本合板工業組合連合会(日合連)の資料をもとに、壁・床・屋根の釘の種類と間隔、釘の見分け方、端からの距離、めり込みと打ち直しの考え方、1枚あたりの本数の目安をまとめます。
構造用合板の釘ピッチ早見表(壁・床・屋根)
よく使う仕様の釘と間隔を先に並べます。値は「以下」で、これより広くしてはいけない上限です。倍率2.5の大壁を屋外に張るときの厚さは7.5以上です。
| 部位・仕様 | 合板の厚さ | 釘 | 外周 | 中通り |
|---|---|---|---|---|
| 耐力壁 大壁 倍率2.5 | 5以上 | N50 | 150 | 150 |
| 耐力壁 大壁 倍率3.7 | 9以上 | CN50 | 75 | 150 |
| 耐力壁 真壁 倍率2.5 | 7.5以上 | N50 | 150 | 150 |
| 耐力壁 真壁 倍率3.3 | 9以上 | CN50 | 75 | 150 |
| 床 根太の上に張る | 12以上 | N50 | 150 | 150 |
| 床 根太なし 四周打ち | 24以上 | N75 | 150 | - |
| 屋根 たる木に張る | 9以上 | N50 | 150 | 150 |
単位はmmです。耐力壁は昭和56年建設省告示第1100号(平成30年の告示第490号で倍率3.7・3.3を追加)を日合連がまとめた表、床と屋根は品確法の評価方法基準の存在床倍率の表によります。床と屋根の「中通り」は、根太・たる木ごとに同じ間隔で打つことを表しています。大臣認定の耐力壁や、メーカーの施工マニュアルの仕様で張るときは、その釘と間隔に従います。
耐力壁の釘ピッチ:倍率2.5と3.7の違い
軸組構法の構造用合板の耐力壁は、張り方と釘で倍率が変わります。日合連の資料(2018年)にある告示仕様は次のとおりです。
| 張り方 | 倍率 | 厚さ | 釘と間隔 | 受材 |
|---|---|---|---|---|
| 大壁 | 2.5 | 5以上 | N50@150 | - |
| 大壁床勝ち | 2.5 | 5以上 | N50@150 | 30×40 N75@200 |
| 大壁 | 3.7 | 9以上 | CN50 外周@75 | - |
| 大壁床勝ち | 3.7 | 9以上 | CN50 外周@75 | 30×60 N75@120 |
| 真壁 | 2.5 | 7.5以上 | N50@150 | 30×40 N75@300 |
| 真壁 | 3.3 | 9以上 | CN50 外周@75 | 30×40 N75@200 |
単位はmmです。倍率3.7・3.3の中通りは150以下です。大壁で屋外に張る場合、厚さは7.5以上です。真壁の受材の値は、真壁・真壁床勝ちとも同じです。
外周と中通りとは
外周は合板の四辺で、柱・土台・桁などの横架材(床勝ちは受材)に打つ列です。中通りは合板の途中にある間柱に打つ列です。倍率3.7では外周だけが75以下になり、中通りは150以下のままです。
N50とCN50の見分け方
日合連の資料では、CN50は一般的に緑色で平頭、N50は無地か黒で頭にあみ目があるものとしています。合板耐力壁マニュアルの寸法は次のとおりで、CN50のほうが胴部が少し太くなっています。
| 釘 | 胴部径 | 頭径 | 長さ |
|---|---|---|---|
| N50 | 2.75 | 6.6 | 50 |
| CN50 | 2.87 | 6.76 | 50.8 |
| CN65 | 3.33 | 7.14 | 63.5 |
単位はmmです。日合連のFAQでは、倍率2.5の壁にCN50を使うのは安全側の運用、倍率3.7の壁にN50を使うと性能を満たさないので必ずCN50を使う、としています。2.5倍でCN50を使うときも、最終的な可否は建築主事に確認するよう書かれています。
床の構造用合板の釘ピッチ(根太あり・根太なし)
床は品確法の評価方法基準に、合板の厚さ・釘・間隔と存在床倍率が決められています。
| 床の組み方 | 釘と間隔 | 床倍率 |
|---|---|---|
| 12mm 根太@340以下 | N50@150 | 1 |
| 12mm 根太@500以下 | N50@150 | 0.7 |
| 24mm 根太なし 四周打ち | N75@150 | 3 |
| 24mm 根太なし 川の字打ち | N75@150 | 1.2 |
根太ありの床は、根太の上端と梁の上端の差を根太せいの半分以下にすると1.6倍、同じ高さに納めると2倍になります。川の字打ちは、梁などの横架材の間隔が1m以下の場合に限られます。
24mm合板(根太レス)の打ち方
- 四周打ち:合板の四辺を梁・胴差し・受け材に、N75で150mm以下
- 川の字打ち:さね付きの合板で、短辺の外周に各1列、その間に1列以上、N75で150mm以下
- 川の字打ちでも、合板の長辺が床の外周(耐力壁線の上)にあたる部分は150mm以下で打つ(日合連の手引きでは、住宅金融支援機構の仕様書が要求している打ち方と説明)
日合連のネダノンマニュアルでは、釘はN75かCN75とし、ネイラー用の細い釘やBN75は所定の強度が出ないので使わない、としています。柱のために合板を切り欠いて打てない釘は、150mm以内の位置に移して本数を減らさないようにします。
屋根(野地板)の構造用合板の釘ピッチ
たる木に構造用合板を張る屋根は、評価方法基準では厚さ9mm以上の合板をN50で150mm以下に打ち付けたものとされています。存在床倍率は勾配で変わり、45度以下で0.5、30度以下で0.7です。4寸勾配は約21.8度なので0.7の側です。
日合連の手引きでは、たる木方式の屋根は床ほど高い倍率にならないこと、軒先の鼻隠しに合板を打ち付けると強くなることが説明されています。屋根の勾配の角度は勾配の計算方法で確かめられます。
釘の位置:端からの距離(縁端距離・へりあき)
合板の端から釘までの距離は、告示の耐力壁には決まりがありません。日合連のFAQでは、大臣認定の12mm合板の仕様が縁端距離12mmであることと、その理由を説明しています。
- 45mmの下地で合板を継ぐと、1枚のかかり代は22.5mm。その中央に打つと端から11〜12mmになる
- 柱ならかかり代が50mmほど取れるので、12mmは十分取れる
- 端ぎりぎりに打つと、壁が変形したときに合板の縁が切れたり、釘頭が抜けたりしやすい
合板耐力壁マニュアルでは、告示仕様の縁端距離はおおよそ軸組構法で12〜15mm程度としています。24mmの床は、ネダノンマニュアルで縁端距離15mm程度、下地へのかかり代30mm程度を確かめてから打つ、としています。
釘ピッチが150を超えたとき・めり込んだとき
ピッチが広すぎたら増し打ち
日合連のFAQでは、150mm以下の決まりは誤差+0mmと考え、超えた部分は中間に増し打ちするよう勧めています。ばらつきがあって平均で150mm以下になっていても、それで良いことにはなりません。
めり込みは空気圧の調整で防ぐ
釘頭のめり込みは、何mmまでなら良いという定量的な評価はありません。日合連のFAQでは、9mmや12mmの合板で2〜3mmめり込むと単板1枚分ほどを貫いていること、過去の試験で壁の最大耐力が7割程度、変形性能が半分程度に下がった報告があることを紹介し、ネイラーの空気圧を調整してめり込ませないよう勧めています。
24mmの床(ネダノン)は厚いので、5mm程度のくぎ頭のめり込みは問題ない、とマニュアルにあります。薄い壁の合板と同じには考えません。
受材や胴つなぎを釘が突き抜けたとき
日合連のFAQでは、一定以上の打ち込み深さがあれば、釘の先が受材などを突き抜けても問題ないとしています。気になるときは奥行きのある受材を使います。
1枚あたりの釘の本数の目安(計算例)
柱の間が910mmで、真ん中に間柱が1本ある壁に、910×2730の合板を大壁で張る場合を数えます。外周の縦2辺は端から端まで、上下の辺は角の2本を除き、中通りは両端を除いて数えています。
| 仕様 | 縦の辺 | 上下 | 中通り | 計 |
|---|---|---|---|---|
| 倍率2.5 外周150 | 20×2 | 6×2 | 18 | 70 |
| 倍率3.7 外周75 | 38×2 | 12×2 | 18 | 118 |
本数は展開図ラボの計算です(列の本数=長さ÷ピッチを切り上げて+1)。2730÷150=18.2なので19間20本になり、実際の間隔は約144mmです。端から12〜15mm内側に打つ分、実際の列は少し短くなります。1列の釘の位置は、下地のピッチ割付ツールで間隔を150にすると出せます。
2025年4月の改正:柱・間柱だけに打った面材
令和7年4月1日施行の告示第1100号の改正で、柱と間柱だけに釘を打った面材なども「準耐力壁等」として存在壁量に入れられるようになりました。国土交通省の技術的助言では、面材の準耐力壁は幅90cm以上、高さは横架材間の内法寸法の80%以上とされ、倍率は次の式で出します。
- 倍率=材料の基準倍率×0.6×面材の高さの合計÷横架材間の内法寸法
準耐力壁を存在壁量に入れられるのは、原則として必要壁量の2分の1までです。外周の土台・桁まで決められた間隔で打った壁と、柱・間柱だけに打った壁では、扱いがまったく違います。図面にどちらで書かれているかを確かめてから打ちます。
構造用合板の釘ピッチについてよくある質問
構造用合板の耐力壁の釘ピッチは何mmですか
告示の倍率2.5の仕様はN50で外周・中通りとも150mm以下、倍率3.7(大壁)の仕様はCN50で外周75mm以下・中通り150mm以下です。
9mmの構造用合板の釘ピッチは
倍率2.5で張るならN50で150mm以下、倍率3.7で張るならCN50で外周75mm以下です。同じ9mmでも、図面の倍率で釘と間隔が変わります。
根太レスの24mm合板の釘ピッチは
N75で150mm以下です。四周打ちは床倍率3、さね付きの川の字打ちは1.2です(評価方法基準)。
野地板の釘ピッチは
構造用合板9mm以上をたる木にN50で150mm以下に打つのが評価方法基準の仕様です。床倍率は勾配30度以下で0.7、45度以下で0.5です。
釘が少しめり込んだら打ち直しですか
許容値の決まりはありません。日合連は、薄い合板で2〜3mmめり込むと耐力が下がった試験例を挙げ、空気圧を調整してめり込ませないよう勧めています。めり込んだ部分の扱いは、設計者や監理者と相談して決めます。









