角ダクトのエルボの展開図の書き方側板・腹板・背板の寸法の計算
角ダクトのエルボ(R付きの曲がり)は、扇形の側板2枚と、内側の腹板、外側の背板の4枚でできています。この記事では、それぞれの板の寸法の計算方法を、幅400・高さ300・内側の曲げ半径200・90度の例で説明します。
角ダクトのエルボを作る4枚の板
幅Wは曲がる方向の寸法で、側板の幅になります。高さHは腹板と背板の幅になります。内側の曲げ半径をRiとすると、外側の半径はRi+Wです。
寸法の計算式
| 板 | 形 | 計算式 |
|---|---|---|
| 側板(2枚) | 扇形 | 半径Riと半径Ri+Wの円弧で囲む。開く角度は曲げ角度と同じ |
| 腹板(内側) | 長方形 | 長さ Ri × θ(ラジアン)、幅 H |
| 背板(外側) | 長方形 | 長さ(Ri+W)× θ(ラジアン)、幅 H |
θは曲げ角度をラジアンにした値で、90度なら π ÷ 2 = 1.571です。
計算例:幅400・高さ300・内R200・90度
| 求めるもの | 計算 | 値 |
|---|---|---|
| 外R | 200 + 400 | 600mm |
| 腹板の長さ | 200 × 1.571 | 314.2mm |
| 背板の長さ | 600 × 1.571 | 942.5mm |
| 腹板・背板の幅 | 高さH | 300mm |
| 外側の弦の長さ | 2 × 600 × sin 45° | 848.5mm |
両端に直線部を付ける場合は、腹板と背板の長さに直線部の長さを足し、側板も両端を直線部の分だけ延ばします。はぜやのりしろを付けるときは、その代も足します。
計算例2:45度・幅300・高さ250・内R150
45度のエルボは、側板の扇形の開きが45度になり、腹板と背板の長さは90度の半分になります。
| 求めるもの | 計算 | 値 |
|---|---|---|
| 外R | 150 + 300 | 450mm |
| 腹板の長さ | 150 × 0.785 | 117.8mm |
| 背板の長さ | 450 × 0.785 | 353.4mm |
| 腹板・背板の幅 | 高さH | 250mm |
| 外側の弦の長さ | 2 × 450 × sin 22.5° | 344.4mm |
| 内側の弦の長さ | 2 × 150 × sin 22.5° | 114.8mm |
0.785は45度をラジアンにした値(π ÷ 4)です。
早見表:90度・内Rを幅の2分の1にしたとき
| 幅W | 内R | 外R | 腹板の長さ | 背板の長さ | 外側の弦 |
|---|---|---|---|---|---|
| 200 | 100 | 300 | 157.1 | 471.2 | 424.3 |
| 300 | 150 | 450 | 235.6 | 706.9 | 636.4 |
| 400 | 200 | 600 | 314.2 | 942.5 | 848.5 |
| 500 | 250 | 750 | 392.7 | 1,178.1 | 1,060.7 |
| 600 | 300 | 900 | 471.2 | 1,413.7 | 1,272.8 |
| 800 | 400 | 1,200 | 628.3 | 1,885.0 | 1,697.1 |
単位はmmです。腹板と背板の幅は、どれもダクトの高さHです。直線部やはぜの代は含んでいません。
側板のけがき方
- 板の上に円の中心を決め、そこから直角に2本の線を引きます(90度の場合)。
- 中心から内R(200)と外R(600)でそれぞれ円弧を引きます。
- 2本の線と2本の円弧で囲まれた扇形が側板です。同じ形を2枚取ります。
- 外側の弦の長さ(848.5mm)と内側の弦の長さ(2 × 200 × sin 45° = 282.8mm)を測って、角度が合っているかを確かめます。
内側を角にする場合
内側の曲げ半径を0にすると、側板は半径W(幅)の扇形になり(90度なら4分の1の円)、腹板は直線部だけになります。背板の長さは W × θ です。内側を角にしたエルボは流れの抵抗が大きくなるので、ガイドベーン(案内羽根)を入れて流れを整えることがあります。
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)では、長方形ダクトの曲がりの内側半径を、半径方向の幅の2分の1以上としています。とれないときは、必要に応じて案内羽根を設けます。この記事の例(幅400・内R200)は、ちょうど2分の1です。
よくある失敗
幅と高さを取り違える
幅Wは曲がる方向の寸法(側板の幅)、高さHは曲がりの軸の方向の寸法(腹板・背板の幅)です。図面のダクト寸法「400×300」がどちら向きかを確かめてから計算します。逆にすると、側板の大きさも腹板・背板の長さも変わります。
側板を2枚とも同じ向きで切る
側板は左右で1枚ずつ使います。はぜやのりしろを片側にだけ付ける場合は、2枚目を裏返した向きで取ります。
弦の長さで答え合わせをしない
扇形の開きが少しずれると、背板と腹板の長さが合わなくなります。切り出す前に、外側と内側の弦の長さを測って確かめます。
注意
ここでの計算は、ダクトの寸法どおりに板厚を考えずに出しています。内のりで合わせるか外のりで合わせるか、はぜの種類による代の取り方は、工場の仕様に合わせてください。
角ダクトのエルボについてよくある質問
内側の曲げ半径はいくつにすればいいですか
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)では、幅の2分の1以上としています。とれないときは、必要に応じて案内羽根を設けます。
腹板と背板の長さはどう出しますか
腹板は内R × 曲げ角度(ラジアン)、背板は(内R + 幅)× 曲げ角度(ラジアン)です。90度ならラジアンは1.571、45度なら0.785です。
45度のエルボも同じ計算ですか
同じです。側板の扇形の開きを45度にし、腹板と背板の長さを45度分で計算します。









