ダクトの展開図の書き方丸ダクト・角ダクトの継手ごとの展開法と計算式(エルボ・レジューサー・角丸)
ダクトの展開図は、継手の形ごとに「どの展開法を使うか」と「どの寸法を計算するか」が決まっています。この記事では、丸ダクトの直管・エルボ(エビ)・レジューサー・分岐、角ダクトのエルボ・レジューサー、角丸の7つについて、使う展開法と計算するものを整理し、そのうち5つは計算式と計算例も載せます。数値は展開図ラボの各ツールと同じ式で計算していて、ツールに寸法を入れれば原寸の型紙を印刷できます(エビのピースの長さはツールでは出しません)。
継手ごとの展開法
- 丸ダクトの直管:平行線展開法。周長(π × 径)を出す
- 丸ダクトのエルボ(エビ):平行線展開法。切断角、ピースの長さ、切込みを出す(エビ管の展開図)
- 丸ダクトの分岐(T・斜めT):平行線展開法。えぐりの深さ、主管の穴を出す(T管・斜めT管)
- 丸ダクトのレジューサー(同心):放射線展開法。扇形の半径と開く角度を出す(円錐台の展開図)
- 丸ダクトの偏心レジューサー:三角形展開法。母線と対角線の実長を出す(偏心円錐台の展開図)
- 角ダクトのエルボ:板ごとに計算。側板の扇形、腹板・背板の長さを出す(角ダクトのエルボ)
- 角ダクトのレジューサー:三角形展開法。面の高さ、稜線の長さを出す(角錐台の展開図)
- 角丸:三角形展開法。角から丸の各点までの実長を出す(角丸の展開図)
3つの展開法の考え方は板金の展開図の書き方で説明しています。ここでは、ダクトの継手ごとの計算に絞ります。
寸法は板厚の中心でとる
板を丸めたり曲げたりすると、外側は伸び、内側は縮みます。長さが変わらないのは板厚の中心なので、丸く巻く形(丸ダクト・エビ・レジューサー)は板厚の中心の径で計算します。角ダクトの角の折り曲げは、外寸から曲げの伸びを差し引いて展開長を出します(板金の展開図の書き方の「箱曲げ・チャンネルの展開長」で説明しています)。ダクトの呼び寸法が内寸か外寸かを確かめ、径が内寸なら板厚1枚分(両側に半分ずつ)を足し、外寸なら引きます。薄い板ではこの差は小さいですが、周長では π 倍で効いてきます。以下の計算例は、板厚の中心の寸法として計算しています。はぜ代・差込み代・のりしろは、工場や現場の決まりの寸法を展開図の外側に足します。
丸ダクトの直管:周長
板の幅(周の方向の長さ)= π × 径 です。径200mmなら π × 200 ≒ 628.3mm、径300mmなら約942.5mmです。
丸ダクトのエルボ(エビ)
曲げ角度 A、ピース数 n(両端の片切りを含む)のとき、1か所の切断角は θ = A ÷(2 ×(n − 1))です。曲げ半径を R、径を D とすると、中間ピースの長さは 中心線 2R tanθ、背 2(R + D/2)tanθ、腹 2(R − D/2)tanθ です。
計算例:径200・90°・4ピース・R=1.5D
| 求めるもの | 計算 | 値 |
|---|---|---|
| 切断角 θ | 90÷(2×3) | 15° |
| 曲げ半径 R | 1.5×200 | 300mm |
| 中間の中心線 | 2×300×tan15° | 160.8mm |
| 中間の背 | 2×400×tan15° | 214.4mm |
| 中間の腹 | 2×200×tan15° | 107.2mm |
| 端の曲がり始め | 300×tan15° | 80.4mm |
| 最大切込み | 200×tan15° | 53.6mm |
「中間」は中間ピース、「端の曲がり始め」は端ピースの継ぎ目から曲がりの始まりまでの中心線の長さ、「最大切込み」は継ぎ目1か所の最大の切込みです。
エビ管の展開図ツールが出すのは切断線の型紙(切込み高さ)で、曲げ半径は入力しません。ピースの長さは上の式で出してください。板から作るときは、ツールの「管の外径」の欄に板厚の中心の径を入れます。ピース数の決め方はエルボの展開図の書き方、計算の詳しい手順はエビ管の展開図の書き方を見てください。
丸ダクトのレジューサー(同心)
大径 D、小径 d、長さ(高さ)H の円錐台として、扇形に展開します。
- 母線の長さ s = √(H² +((D − d)÷ 2)²)
- 外側の半径 R = s × D ÷(D − d)、内側の半径 r = R − s
- 開く角度 θ = 180° × D ÷ R
- 外側の弦の長さ = 2R × sin(θ ÷ 2)
計算例:径300から径200・長さ200
| 求めるもの | 値 |
|---|---|
| 母線の長さ s | 206.2mm |
| 外側の半径 R | 618.5mm |
| 内側の半径 r | 412.3mm |
| 開く角度 θ | 87.3° |
| 外側の弦の長さ | 853.9mm |
中心がずれる偏心のレジューサーは扇形にならないので、三角形展開法で実長を出します。偏心円錐台の展開図の書き方で説明しています。
角ダクトのエルボ
角ダクトのエルボは、扇形の側板2枚と、内側の腹板、外側の背板に分けます。幅 W(曲がる方向)、高さ H、内側の曲げ半径 Ri、曲げ角度 θ(ラジアン)のとき、腹板の長さは Ri × θ、背板の長さは(Ri + W)× θ、腹板と背板の幅は H です。
幅400・高さ300・内R200・90°なら、腹板 200 × 1.5708 ≒ 314.2mm、背板 600 × 1.5708 ≒ 942.5mm(90°は約1.5708ラジアン)、側板は半径200と600の円弧で囲む90°の扇形です。詳しくは角ダクトのエルボの展開図の書き方を見てください。
角ダクトのレジューサー(角錐台)
角ダクトの大きさを変えるレジューサーは、4枚の台形の面でできた角錐台です。同心なら、面の高さ(台形の高さ)と稜線(角の線)の長さは次のとおりです。
- 幅 W の面の高さ = √(H² +((L1 − L2)÷ 2)²)
- 奥行 L の面の高さ = √(H² +((W1 − W2)÷ 2)²)
- 稜線 = √(H² +((W1 − W2)÷ 2)² +((L1 − L2)÷ 2)²)
600 × 400 から 300 × 200、長さ300なら、幅の面の高さ 316.2mm、奥行の面の高さ 335.4mm、稜線 350.0mm です。台形の上辺と下辺はそれぞれの口の寸法なので、面の高さと合わせれば4枚とも描けます。上下の口が相似形(幅と奥行の比が同じ)なら稜線の延長が1点に集まるので放射線展開法でも描けますが、相似でないときは三角形展開法で描きます。
角丸
角丸は、角の4つの角と丸の円周の点を結ぶ三角形に分け、1本ずつ実長(3次元の本当の長さ)を出して並べます。平らな三角形の部分と、円錐の一部のような部分を交互につなぐ形です。手順と実長の表は角丸の展開図の書き方で説明しています。
ダクトの展開図でよくある失敗
内寸のまま展開する
径300の内寸で周長を出すと、板厚の中心の周長より π × 板厚 だけ短くなり、丸めたときに合わせ目が届きません。
はぜ代やのりしろを忘れる
展開図の寸法は、継ぎ目を突き合わせた寸法です。はぜや差込みの分は、型紙の外側に足します。
エビの片切りと両切りを取り違える
4ピースなら、両切り(中間ピース)が2枚、片切り(端ピース)が2枚です。継ぎ目の数(ピース数 − 1)で確かめると間違えません。
ダクトの展開図についてよくある質問
丸ダクトの展開図の横幅は
π × 径(板厚の中心)です。径200mmなら約628.3mmで、はぜ代を足して板を切ります。
丸ダクトのエルボは何ピースで作りますか
決まりはありませんが、ピースを増やすと1か所の切込みが浅くなり、曲がりがなめらかになります。90°の4ピースなら切断角は15°です。
角ダクトのレジューサーの展開図は
4枚の台形の面に分けて、幅の面の高さを √(長さ² +(奥行の差 ÷ 2)²)、奥行の面の高さを √(長さ² +(幅の差 ÷ 2)²)で出します。
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