タイルの割付の計算方法目地込み寸法・中心振り分け・端の切り物の幅の出し方
タイルの割付は、端に細い切り物が出ないように、どこから並べ始めるかを決める作業です。計算そのものは「壁の長さ ÷ 目地込みの寸法」だけですが、左端から並べるか中心から振り分けるかで、端のタイルの幅が大きく変わります。この記事では、目地込み寸法の考え方と、枚数・端の切り物の計算を、幅2,000mmの壁に150角を張る例で説明します。
タイルの「〇〇角」は目地込みの寸法
100角、150角、200角といったタイルの呼び方は、多くの製品で目地の幅を含めた寸法(目地込み寸法)です。実寸が呼び名どおりの製品もあります。タイル本体はそれより目地の分だけ小さく作られています。割付の計算は、この目地込み寸法を1ピッチとして行います。
| 呼び方 | タイルの実寸(例) | 目地の幅(例) | 1ピッチ |
|---|---|---|---|
| 100角 | 98mm | 2mm | 100mm |
| 150角 | 148mm | 2mm | 150mm |
| 200角 | 197mm | 3mm | 200mm |
| 300角 | 297mm | 3mm | 300mm |
実寸と目地の幅は製品によって違います。割付の前に、使うタイルのカタログの寸法を確かめてください。
カタログやJIS(JIS A 5209:2020年版)の表記では、「M100×100 98×98×5」のように、割付に使う寸法(モデュール呼び寸法)と、タイル本体の寸法(製作寸法)を並べて書きます。床や外装のタイルは目地が太く、100角で実寸94mm・目地6mmの製品もあります。モザイクの45二丁は、実寸45×95mm・目地込み50×100mmです。
割付の計算
切らずに置くタイルと壁のあいだには目地の半分をとり、切り物は壁際まで入れる前提で計算します。入隅にも目地をとる場合は、切り物をさらに目地の半分だけ小さくします。
| 求めるもの | 計算式 |
|---|---|
| 1列に入る枚数(切らずに入る分) | 壁の幅 ÷ 1ピッチ の整数部分 |
| あまり | 壁の幅 − 1ピッチ × 枚数 |
| 端の切り物の幅 | あまり − 目地の幅の半分 |
| 面積から出す枚数の目安 | 張る面積 ÷(1ピッチ × 1ピッチ) |
計算例:幅2,000mm・高さ1,200mmの壁に150角
左端から割り付ける場合
2,000 ÷ 150 = 13 あまり 50 なので、切らずに入るのは13枚です。右端には 50 − 1(切り物の手前の目地の半分)= 49mm の切り物が入ります。本体の3分の1ほどの細い切り物は、割れやすく見た目も悪いので、壁の正面ではできれば避けたい割付です。
中心振り分けにする場合
壁の中心を基準に左右へ同じように並べると、両端の切り物が同じ幅になります。中心に置くものは「目地」か「タイルの中心」の2通りあるので、両方計算して端が大きくなる方を選びます。
| 中心に置くもの | 計算 | 両端の切り物 |
|---|---|---|
| 目地 | 1,000 ÷ 150 = 6 あまり 100 | 100 − 1 = 99mm |
| タイルの中心 | (1,000 − 75)÷ 150 = 6 あまり 25 | 25 − 1 = 24mm |
この壁では、目地を中心に置けば両端が99mmになり、本体の3分の2の大きさの切り物で納まります。1列は切らないタイル12枚と切り物2枚の14枚です。
縦の割付
高さは 1,200 ÷ 150 = 8 でちょうど割り切れるので、下から8段で切り物なしです。全体では 14枚 × 8段 = 112枚になります。面積から出す目安は 2.4㎡ ÷ 0.0225㎡ = 106.7枚分なので、割付どおりに数えると切り物の分だけ多くなります。
計算例2:1,820mm角の床に300角
300角(実寸297mm・目地3mm)を、1,820 × 1,820mmの床に張る場合です。
| 割り方 | 計算 | 端の切り物 |
|---|---|---|
| 端から並べる | 1,820 ÷ 300 = 6 あまり 20 | 片側だけ18.5mm |
| 中心に目地 | 910 ÷ 300 = 3 あまり 10 | 両端 8.5mm |
| 中心にタイルの中心 | (910 − 150)÷ 300 = 2 あまり 160 | 両端 158.5mm |
この床では、タイルの中心を真ん中に置くと、両端が158.5mm(約半分)の切り物になり、細い切り物が出ません。1列は切らないタイル5枚と切り物2枚の7枚で、縦横とも7列なので全体は49枚です。面積から出す目安(3.3124㎡ ÷ 0.09㎡ = 36.8枚分)より、切り物の分だけ多くなります。
割付を決めるときのポイント
- 目立つ面を優先する。正面の壁や、入口から見える面で端がそろうように決めます。見えにくい入隅側に切り物を寄せる方法もあります。
- 窓や設備の位置に目地を合わせる。窓の端、水栓、スイッチの位置に目地がくるように割り付けると、穴あけや細かい切り物が減ります。
- 縦は床から決める。巾木や床との取り合いを先に決め、上の切り物を天井側や見切りに逃がすのが一般的です。
- 馬目地は半分ずらしで考える。1段ごとに半枚ずらす馬目地では、奇数段と偶数段で端の切り物の幅が変わります。両方の段で細い切り物が出ないか確かめます。
- 入隅や建具枠のまわりは目地を空ける。国の公共建築工事標準仕様書では、入隅部や建具枠回りとの取合い部に伸縮調整目地を設けるとしています。この目地の幅も割付に入れておきます。
- 予備を見込む。割付どおりの枚数に、割れや切り損じの分を足して発注します。
割付図を自動で作るには
壁の割付図ツールで、タイルの種類と壁の寸法を選ぶと、この記事の計算をそのまま図にして、枚数と端の切り物の寸法を出せます。中心振り分けでは、目地を中心にする場合とタイルの中心を置く場合を比べて、端が大きくなる方を自動で選びます。窓やドアなどの開口も入れられ、馬目地にも対応しています。
床のフローリングの張り方はフローリングの割付、石膏ボードの割付は同じ壁の割付図ツールで材料を石膏ボードに切り替えると出せます。
よくある失敗
タイルの実寸で割り付ける
割付は目地込みの寸法(1ピッチ)で計算します。実寸の148mmで割ると、枚数も端の切り物もずれます。
中心振り分けで1通りしか試さない
中心に目地を置くか、タイルの中心を置くかで、端の切り物は大きく変わります。上の例では8.5mmと158.5mmです。両方計算して、端が大きくなる方を選びます。
面積だけで発注する
面積から出した枚数には、切り物で捨てる分が入っていません。割付図で数えた枚数に、割れや切り損じの予備を足して発注します。
タイルの割付についてよくある質問
タイルの枚数はどう計算しますか
1列に入る枚数(切り物を含む)× 段数で数えます。面積 ÷(1ピッチ × 1ピッチ)は目安で、実際は切り物の分だけ多くなります。
150角のタイルの実寸は
多くの製品で、目地を含めて150mmです。実寸は148mmなどで、目地の幅は製品によって違うので、カタログで確かめます。
端に細い切り物が出ないようにするには
中心から振り分けて両端をそろえます。目地を中心に置く方法とタイルの中心を置く方法を比べ、端の切り物が大きくなる方を選びます。









